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00035 : 楽しんだ後は、当然帰りますよってね。

大満足で映画館から出る。

この世界のこの時代にはコンピュータは普及していない。

だからCGなんて以ての外ってね。


全て役者さんが演じてるし、スタントマンが体を張っている。

メイクとか、映像加工にて細工している部分もあるみたいだが、令和時代のような技術は存在しないんだ。

それで、これだけの映像を造り出すってんだから凄いよね。


映画を見た後は家へとね。

最近は俺も家へお金を入れているからさ、家計は楽になっている。

っても、多くは入れない、つか、爺ちゃん達に止められてるからね。


養うべき者に養って貰うなど言語道断って、ことらしい。

俺は別に構わないんだが、人間楽を覚えたら堕落し、碌なことにはならないって言われては、ねぇ。


そんな訳で、親が自由に使える金は親父の給料と多少のプラス金だけなんだ。

だからさ、無駄使いは止めて帰って食べようってことにね。


なにせ家の食材は帝族経由にて下賜されている。

使用人達が宮廷にて採用された者達が遣わされているからねぇ、使用人経由で受け取っているから俺達はタッチしていないんだ。


そんな使用人達なんだけどさ、俺が雇用していることになっているんだ。

俺へ支払われる報酬から彼らへ支払ってるんだけど、家令の飛鳥さんが取り仕切ってるから金を払っているだけだね。

まぁ、収支については月に一度宮廷より役人が来てチェックされている。

飛鳥さんを信用しない訳ではないんだが、決まりだと言い切られたら、ねぇ。


そんな使用人達が屋敷の維持管理を行ってくれ、調理人達が食事の用意を。

今日の昼は町で摂ると告げてはいるんだけど、夕食は用意されているはずなので帰宅する必要がね。


屋敷へは電話が設置されているため、電話で連絡すれば良いと思われるだろうけど、無理なんだ。

だってさ、スマフォどころか携帯電話すらない。

一般家庭に普及していない現在、公衆電話の設置も稀でね、屋敷へ電話する手段がないのさ。


だからね、あらかじめ告げた予定で動くしかないんだよ。


そんな訳で爺様達の車と一緒に屋敷へと。

一応は暮には町営の駐車場が在ってね、そこへ停めたんだけど暮町から俺達専用駐車場が設けられていてさ、そこへ駐車していたんだ。


まぁ、帝室護衛官達も使用する駐車場でね、町営だけど管轄は軍だったりする。

衛兵が出入りをチェックし、不用意に入り込む車が無いか目を光らしてんよ。


そんな衛兵達なんだけどさ、俺達の姿が見えると畏まって敬礼ってね。

近所の悪ガキ達が衛兵を見に来ていて、衛兵の態度を見て仰天している。

後で噂になったりするんだろーなぁ…


屋敷へと着き、出迎えてくれた使用人へ親父と爺ちゃんが車のカギを渡す。

車庫入れや車の点検手入れを遣ってくれるんだよ。

致せり尽くせりってヤツだね。


屋敷へ入るとメイドさんが荷物を受け取って運んでくれるよ。

脱いだ靴は別のメイドさんがクリーニングしている。


この生活になって、身の回りの世話を使用人達が行ってくれるように。

う~ん…人として堕落して行くような気分にね。


まぁ、その分、時間を別のことに使用できると考えれば良いか。

鍛練とか勉強とか…建前はね。


今更、小学校の勉強を行う必要もない。

この世界の生徒や学生が習うレベルの内容は、既に習得済みだ。

課題は前世の技術を、如何に、この世界へ導入するか、それを研究し実施するのが課題なんだ。


けどね、一応は義務教育を年相応に受けるべきってことに。

これは両親もだけど、爺ちゃん達がさ。

更には輝皇(きこう)天帝様と麗輝様からも…


幼い時期は貴重で短い物、そんな貴重な時期を捨て大人の仲間入りをしなくて良いってね。

けどねぇ、同世代の子達が幼過ぎてさ、子守している気分に。

取り敢えずは1年生で入学するけど、飛び級ができるか交渉中だったりする。


幼稚園で一緒だった幼女数人がさ、俺に懐いているんだ。

学校へ行っても遊んで欲しいとね。

何で懐かれたし…


そんな彼女達は俺が飛び級したらどうなるか…

泣かれる可能性が高いような…気のせいなら、良い、なぁ~


そんな休みを過ごし一週間ほど過ぎ去った頃…どうやらフェンリルさんが帰って来たようだ。

風精霊さんが、いち早く察知して教えてくれたよ。

流石の精霊ネットワークだね。



人里へ近付いて欲しくないから出迎えに行くよ。

シャルは言わなくても俺の側へと。

魔術で俺のダミーを造り、影武者を精霊さんへ頼む。


最近成功した俺ソックリな依り代へ親しい風精霊さんが宿り俺の身代わりにね。

留守中は彼が代役を行ってくれるんだ。


亜空間町での依り代ブームにて普及した技術の流用だね。


「バレないように頼んだよ」

「そんなヘマしねぇよ。

 任せときな」

まぁ、そう言うならばね。


彼へ後を任せ、シャルを伴い転移を。

一瞬で以前にフェンリルさんと邂逅した地点へとね。


するとフェンリルさんが俺の気配を察知されたようで近寄って来る。

しかし1週間も経って無いんだけれど、もう大陸中央部まで行って来たのかな。

速いなっ、をいっ!


俺へ近付いて来たフェンリルさんから念話がね。

『出迎えご苦労。

 あちらで色々と捕らえ、様々な代物を採取して来たぞ。

 そなたの亜空間へ招いてくれぬかや』っと。


『畏まりました。

 では、こちらへ』って告げた後で亜空間への入り口を展開。

さて、何を持って帰られたのやら…

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