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00032 : なんか納得して去ってたけど…次のイベントだね、うん。

俺が亜空間へ干渉できることを知ったフェンリル様がね、俺の亜空間へ興味を持たれた訳よ。

今まで精霊以外の知的存在を招いたことは無いんだけど、まぁ、フェンリル様なら良いよね。


ってことで、亜空間へフェンリル様を招いたんだけど…

『これは…なんで、ある、か?』って唖然と。

シャルは広大な亜空間を走り回ってるよ。

元気だねぇ。


『何って…僕が造った亜空間ですけど?


 精霊さん達に協力して貰って、疑似的に自然を造り出してみたんです。

 湖には近隣より水辺の生き物を移しているんですよ。


 最近、海を疑似的に作りましてねぇ、これは、なかなかの力作なんです。

 危険生物は存在しないですから海水浴も気兼ねなく行えますし、海産物も豊富なんです。


 動植物の管理は精霊さん達が楽しんで行ってくれますし、労働力としては各種ゴーレムが行っています。


 そうそう、精霊さん達が過ごすために依り代を用意したんです。

 そうしたら喜々として町を造られましてね。

 人の町よりも進んだ暮らしを満喫されてますよ』


現状を説明したらさ、信じられない物を見る目で見られたよ。


『有り得ん、しかも…外よりも真那濃度が濃いではないか。

 これは中央より食材を運び込むよりも、ここで育てた方が良いのではなかろうか?

 うむ、それが良かろう。


 ワッパ、名を何という?』


あっ、そう言えば名乗ってなかったけ。

『失礼しました。

 私の名は慶です。

 よろしくお願いします』

『ふむ、慶か、良い名である。

 慶よ、我は今から中央へ赴き、色々と捕らえ、採取して来る。

 それを、ここで育てるが良い。


 我とシャルは、それで得た食材を食すこととしようわえ。

 真那を豊富に含む食材なれば、少量でも満足でき体も維持できるでな。


 この空間へ干渉して通常空間を窺うことも可能ゆえ、我はここで過ごそうぞ。

 良いな』って…それってさぁ、依頼ではなくて決定事項だよね。

俺に拒否権は…はは、無い、よ、ねぇ…分かってましたよっ!


それからフェンリルさんは俺の空間へ勝手に干渉して外へ出て行ったよ。

流石に外から俺の空間へ入るのは不可能みたいだけど、空間内から外へ干渉することは可能らしい。

いやいや、俺の空間なんだが…なんだか接収されそうです!


まぁ一騒動が収まったっと考えて、良いかな?

非常に疲れましたけどね。

シャルは、この空間が気に入ったみたいで、ハシャいで走り回って帰って来ない。

困るなぁ。


時刻は深夜と言って良い時間帯。

この体での夜更かしは非常に辛いんだよね。

帰って寝たいところだ。


「シャル!帰るよっ!」ったら、慌てたように帰って来たよ。

置いて行かれるのは嫌みたいだね。


俺の元へ走り寄って来たので、わしゃわしゃと撫でてやってから空間より出る。

出る先は俺の部屋だ。

転移を使用しなくても、この亜空間を使用すれば、俺の脳内認識にて把握できている範囲ならば移動可能なんだよ。


以前は安芸領が精一杯だったんだが、今では安芸領を含む複数領を移動可能となっているんだ。

流石に帝都までは無理だけどね。

むろん、大陸中央部へなんて、とてもでは無いけど行けない。

だからさ、あちらの産物には興味があるんだ。

フェンリルさんが、どんな物を持って来るのか、今から楽しみだよ。


そんなことを思いながらベッドへとね。

流石に疲れたからさ、布団を被ったら即座に寝落ちたよ。


そして一夜が明け…今日は卒園式。

大鷹幼稚園から卒業です。


この幼稚園はお寺さんが経営している幼稚園で、お寺の境内や寺内を使用した行事も行われる。

卒園式では皆で練習した歌を合唱して家族へ披露。

その後で卒園証書と記念品を貰って卒園って流れだ。


記念品はネジ巻き式の小型置時計と園児を模した陶器人形だった。

園児の服を着た人形が座布団の上へ正座し手を合わせている。

手には数珠がね。

お寺さんが経営する幼稚園らしいと言えば、らしいが…この人形のセンスはどうなのよ?


そしてね、俺の卒園式ってことで両親と父方祖父母と母方祖父母が来てくれたんだ。

これは想定内だし、嬉しいことではある。

だが…天帝様と麗輝様が卒園式へ参加するのは想定外です!


伊井幕僚長殿と夫人、そして美樹ちゃんが。

なんで俺の卒園式へ来てるんだ?えっ、俺の卒園式だから?さいですか…訳分からんわっ!


むろんロイヤルガードも来てるし、警官や憲兵の警備が物々しい。

あのね、一般庶民の幼児が通う幼稚園の卒園式なんですけど…どうしてこうなったしっ!


男子は兵隊さんや警官を見て興奮している。

「かっけぇー」

「憧れるぜっ!」

などなど。


女子で怯えている子もいるんだけど、俺がさり気なくフォローしたらさ、ピトッっとくっ付いて来て離れなくなったよ。

引っ付き虫、かな?

したらさ、他の女の子も寄って来てくっ付いて…身動き取れないんですけれど?


なんか…美樹ちゃんが拗ねて頬を膨らませてるね。

どしたの?


そんな園児と違い、園児の親達は緊張し蒼褪め冷や汗ダラダラ状態。

足がガクガク震え、倒れる方もね。

こんなに緊張感溢れる卒園式も珍しいね、困ったものです。

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