表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/55

00031 : それって、本気で言ってます?

今、なんと!?

『あ、あのですね、聞き逃したようでして…』


『んっ?我もシャルと共に世話にると告げたのだが?』

聞き間違いじゃぁ、あーりませんでしたぁぁぁっ!


『いやいや、フェンリル様。

 フェンリル様ほどに大きい身姿では、人里で過ごすことなど…』

ハッ!もしや!これはファンタジー定番の小型化か人化が行えると言うことなのだろうか?

なれば、一緒に過ごすこともできるだろうね。


そう思ってフェンリル様へと。

『もしかして、体を小さくしたりとか、人の姿に変化したりとかを行えます?』

そう尋ねたんだけどね。


『無茶を言うでない。

 生き物が己が身を変化させるなど、出来ようがあるまい。

 我の大きさは育ち巨大化することは有り得るが、小さくなるなど不可能よ。

 ましては人の姿など無理。

 もし人と同じ姿へ変化できたとして、それは巨大な人型となろうな。

 そのようなモノ、そなたが言う人とは違うであろ』


ああ、無理ね、万が一人化できたとしても巨人に…意味ねぇぇぇっ!


『それでは、人里へ至るのは無理です。

 だいたいフェンリル様の体を維持するほどの食料を用意できませんし』


『食材は、我が用意しよう。

 この辺りでは真那が薄過ぎ、シャルの成長にも良くはない。

 だが、大陸中央より得し食材なれば、十分なマナが賄えるでな。

 人が調理可能な程度に少量の食材であっても、物によっては十分な真那が賄えよう。

 それを調理して貰えば良いでな』っと。


ああ、それならば食料的には大丈夫かな。

でもなぁ…


『フェンリル様が仰られるような食材をご用意いただけるなら、食事に対しては大丈夫でしょう。

 ですけど、フェンリル様の大きさで人里へ降りるのは無理ですよ』


この巨体ではねぇ、神獣っか怪獣だよっ!


『ふむ、でっ、あるか。

 なれば、身を隠し行けば良かろうか?』などと。


いやいや、姿を隠したとしても、その巨体だと物を破壊せずに移動は不可能だろう。

見えぬ物体に押し潰されたり轢かれるなんて事件が続出するだろうね。


そんなことを思っているとさ。

『知らぬとは思うが、真那を操ると空間を歪曲することもかのうである。

 その空間へ身を潜め、空間ごと移動すれば害はなかろ』

そんなことをさ。


『ああ、フェンリル様も空間干渉魔術を操ることができるのですね』って、つい口へ。

『なんとっ!この技を知っておるのかっ!

 んっ?今…我も、操ることができる、っと言ったか?』

あ゛っ、気付かれた、かな?


『そなた、空間を操る術を行使可能で、あるか?』っと、問い質された。

まぁ、人界へ情報が広まる訳でなし、フェンリル様ならバラしても大丈夫かな?


『そうですね。

 一応は使えます。

 使えるのは地水火風の四大属性と光闇の極大属性、雷氷などの亜属性といった属性魔術。

 重力、空間、時間、時空っと言った特殊属性魔術。

 治癒、精霊助力などの古魔術。

 後、氣の使用も行えますね』


告げたらさ、フェンリル様が唖然としてね。

『そ、そなた…何者ぞっ?


 フェンリル一族においても普通は四大属性の内2属性が操れる程度。

 特殊属性が操れるものなど我を含めて稀である。

 ましてや亜属性まで操るか…面白いワッパであるなっ!


 治癒などは古老の方々が知ると聞き及ぶ程度なれど、噂にて真偽不明とされておるものぞ。


 ましてや、精霊へ助力を得られると?

 誠なれば、我らが祖が滅ぼせし最古の民と同じ力を持つと言うこと。


 氣と申すは生きし者が持つ生命力のことであろ。

 それは我ら中央者では当たり前である故、不思議ではないが…真那薄し地で目覚めるのは、ちと厳しいか…


 ふむ、シャルのことを別としても、面白きかな』

なんだか…興味を持たれちゃったみたいだよ。

害は、ないよね、ねっ!


しかし、大陸中央へ居る幻獣達でも全ての属性魔術を操ることができないなんてねぇ。

俺なんてさ、以前扱えなかった樹木や草花を操る術も身に着けたって言うのにさ。

正確には、植物へ宿る精霊へ頼んでるんだけどね。


ちょっと、色々頑張り過ぎたかな。

けど、努力することは、良いことだよね、うん。

そう、俺は間違ってないし悪くない…はずだ。


『しかし、空間を操るにてしても身を潜めるだけなんですか?

 空間を拡張して過ごし易い空間にしたりとかは?』


『はぁ?

 そんなことが出来るはずが無いであろ。

 空間へ干渉するだけでも、難度の高い(すべ)が必要であるぞ。

 理論的には可能とされてはおるが、実現したものなど…

 もしや、扱えるのかえ?』


あやぁ、結構なレアケースだったみたいやね。

以前は屋敷が収まる程度の空間だったんだけどさ、今では複数の領地が確保可能な敷地面積を誇ります。

空間内では精霊さん達が様々な材質のゴーレムを駆使して農業や畜産業をさ。


精霊さん達が宿る依り代も用意したから、町を造って、そこの住人になってたりもします。

つい最近は海水や海産物を亜空間へ取り込み海を造ったんだよ。

以前に造っていた湖との境目が喫水状態になってね、喫水生物も育ててます。


食材の宝庫として充実させてるんだけど…普通じゃなかったみたいだね、てへっ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ