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00021 : 宮殿にお泊りしましたよ。

一夜明けました。

部屋は爺ちゃん婆ちゃんと一緒の部屋でね、同じベッドで川の字になって寝ましたよ。

ってもね、超キングサイズで天蓋付きれす。

お姫様れすか?


フカフカでふわふわ…でも芯が入っているように一定以上は沈み込まずに体をシッカリと支えるんだけど包み込まれるような…雲の上にシッカリとした寝台を乗せて雲に包まれたような…不思議な寝心地でしたよ、はい。


お陰で疲れは全く無く、リフレッシュした気分の清々しい目覚めを味わえたよ。

内にも欲しい…置く場所が無いかぁ…


爺ちゃんと婆ちゃんは既に起きて寝間着から着替えて終えてたよ。

今はメイドさんが淹れてくれた玉露を啜ってるね。


「おはよう、爺ちゃん、婆ちゃん。

 それにメイドさん」ったらさ、メイドさんが慌ててね。


「あらあら、どういたしましょう。

 おはようございます、慶様。

 ですが私はメイド身なれば、挨拶は不要でございますよ」ってさ。


「いえいえ、若輩の者が目上の方を敬うのは当然のことでございます。

 ですから挨拶は当然かと」

メイドさんは困ったように笑ってたよ。


その後は、俺も寝間着から外出用の衣服へと着替え玉露をいただく。

う~むぅ…玉露、美味(うめぇ)


しばしまったりしていると、朝食が整ったとのことで呼ばれたよ。

メイドさんにエスコートされつつ食堂へ行くとさ、当然のように陛下が居られた。

いや、一緒に食べるのかよっ!


朝食は卵の黄身だけを半熟にしてトリフソースを掛けた物。

バケットを薄くスライスし、香草バターを塗ってからカリカリに焼き上げたパン。

季節の野菜を使ったフレッシュサラダと温野菜。

コンソメスープとベーコンステーキに牛乳、季節果物のフレッシュジュースだった。


完全に西洋風なので、爺ちゃんは辟易していたね。

婆ちゃんは喜々として食べてたけど、婆ちゃんは洋食でも行けるんだな。


俺は少し足りなかったからさ、お代わりをお願いしたよ。

ってもね、デザートでシャーベットが出るとは思わなかったからさ。

まぁ、完食したけどね。


っかさ、婆ちゃんには多かったようなので、俺が食べたげたんだけどさ、普通は残すものなんだってさ。

う~ん…勿体ないお化けがでるぞ!


「私は出来るならば残したくはありませんね」っと、思わずね。

「ほぅ、それはどうしてかね?」

陛下に尋ねられ答える。


「この世界ではどうかは知りませんが、あちらの世界での外国では食べることができず飢えている方が多くいました。

 そのような方々のことを思えば、食べ物を無為に残すことなど考えられません。

 まぁ、食べられるだけ用意して食べるべきでしょうね。

 腹八分が理想でしょう。

 食べ過ぎると糖尿病という恐ろしい病気に掛かりますので」


そう告げると陛下が不思議そうにね。

「糖尿病?それはなにかね?」っと。


糖尿病、メタボが騒がれ始めたのは平成になってからで昭和でも知られはしていたが、それほど騒がれてはいなかった。

あちらの世界より科学的に立ち遅れている、この世界では、あまり知られていないのかもね。


なので糖尿病について色々と教えましたよ。

色々と情報も技術も足りてないんだね、改めて認識したよ。

俺が自重無しに色々行えば、陽元は令和時代にも追い付けるだろう。

いや、魔術と言うアドバンテージを考えると、超えるかもしれない。

だが、俺の庶民としての平穏な生活を失ってしまうことになるだろうな。


俺が考え事をしているのに気付いた陛下に尋ねられたよ。

「慶よ、いかがした」ってね。


「いえ、私が転生者と知れ渡ってしまうと、庶民としての生活は送れないのではと懸念しておりまして」

そう告げると、陛下が暫し考えられた後でね。

「慶は庶民として野で過ごしたいと?」

野と言う言葉が気になるが、まぁ、頷いておく。


「ふむ、では朕の権限において慶のことは秘匿と致す。

 だが慶の話は色々と感慨深いゆえ、また聞きたくはある。

 週に1度で良い、宮殿へ参内して貰えぬであろうか」っとの下知が。


いや、流石に拒否できないよねぇ。

思わず婆ちゃんの顔を見てしまったよ。

婆ちゃんは困ったように微笑んでから頷いてた。

なんだか爺ちゃんが不満気だけど…知らんぷい。


婆ちゃんの頷きを見てから俺は陛下へと。

「畏まりました、週に1度は参内致します」って返答をね。


まぁ、脳内認識について明かすのは時期早々だろう。

アレは影響度が高過ぎるからなぁ…


朝食後、暫し歓談していたが、陛下は政務があるとのことで食堂を後にされる。

細々とした政務は各省庁や役人が行い、政治は複数グループにて検討し相互チェックしつつ進めているのだとか。

汚職とかが入り込む隙は無いな。

まぁ、最終決定権は陛下に有り、陛下が却下したら通らないしね。


色々と議論しブラッシュアップして纏められた資料が陛下の元へと届けられるため、陛下が決済する書類は多くは無い。

っても少なくも無いんだけどね。


そんな訳で、決して暇では無い陛下は、昨日のこともあり今日は忙しいそうな。

陛下が食堂を去ると、伊井幕僚長殿が俺達を迎えに来た。


後は帰るだけかと思ってたんだけど…

「慶君、申し訳ないが…儂の家へ寄って貰えぬじゃろか。

 孫の美樹が慶君に会いたいっと言っておってのぅ。

 元々は美樹と遊んで貰おうと招いたのじゃ。

 そこへ陛下からの話が出てな。

 無理にとは言わぬが、美樹が楽しみにしておったで、出来たらお願いできぬかのぅ」ってさ。


まぁ、肩が凝る話でも無いし、良いかな。

「分かりました、寄らせていただきますね」って応えておいたよ。

さて、美樹ちゃんって…どんな子なんだろね。

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