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00018 : 超高級リムジンへ、乗って、みた。

超高級リムジンへ乗ると、俺達の前へ紅茶とケーキがね。

食べて良いのかな?

思わず婆ちゃんと伊井幕僚長殿を見てみると2人が頷いたよ。


だからさ、「いただきまぁ~す」ってね。

手を合わせてからいただいたよ。

ショートケーキなんだけどさ、生クリームだけどでなくてスポンジとスポンジの間にはカスタードクリームがね。

イチゴを潰して生クリームへと混ぜたイチゴクリームも挟まれてるんだ。

上部へはカットイチゴと丸のままのイチゴがイチゴクリームと生クリームでデコレーションされてる。

うまうまです。


いや、爺ちゃん?「儂は、儂は?」って、五月蝿いよ、もう。


けど…このリムジンって、何処へ向かってんだろね?

白バイが前後左右を固めて先導してんだけど、何処のVIPさん…あ、幕僚長殿が乗ってるからだね。


えーっとぉ、宮殿が見えて来たね。

あそこに天帝様が住まわれているんだとか。

前世日本での天皇様のような方だと思うよ。


所謂、皇居かな。

日本に似ている国だよなぁ~

っても、東京に相当する東武都へ皇居は無いんだ、京都に相当する位置へ存在する帝都に在るのさ。


日本と似ているようで所々違う陽元なんだけどさ、明らかに違う所があるんだよ。

それはね、こちらの陽元(みょうげん)国領土は前世日本領土より遥かに広大ということさ。

大陸の東側全てを領地にしてるからなぁ。

っても、沿岸部に限られるんだけどさ。


前にも言ったけど、大陸奥地は人外魔境と化している。

そこは人が分け入ることができる領域ではないんだよ。

過去に何度か探索隊が向かったけど、帰って来た者は無いんだと。


そら、さぁ…ドラゴンにグリフォンなどなど、幻獣と言われる生き物が巣くう地。

人の身で分け入って無事に済むはずがないわさ。


俺の脳内認識で探索した範囲でも、かなりの数で人の手に負えない猛獣が存在したんだ。

升田組の狩人達ならば何とか倒せるけど、それは1頭を複数人で囲うか罠に嵌めて、初めて可能なこと。

悪いけどさ、駐屯地の軍人さん達が行うなら死にに行くようなものだね。


だから沿岸部しか人が住まうことができないのさ。

ってもね、大陸の東側大半を領土へ治めているので陽元の領土は広大なんだよ。

日本の数十倍って言えば分かるかな?


そしてね、帝都が存在する列島は日本列島と面積も形もほぼ同じなんだ。

別に他国を侵略した訳では無いよ。

大陸奥から現れた生き物被害が絶えず、それを当時の陽元が支援して退治。


もちろん、只では無いし、討伐後は島国の陽元へ引き上げてたんだ。

その内に国として成り立たないほどに被害を受けた国が陽元へ保護を求めて傘下へと。


これが繰り返されて、いつの間にか陽元は広大な領土をね。


それと言うのも、大陸東の国々は真那を使用し術を操る方々を妖の術を扱う者として迫害。

そんな方々が陽元へ逃れて来たりしていたんだけど…術無しで大陸奥地から現れる生き物へ対抗する術など無い訳で…そら、滅びるわな。


まぁ陽元本土では現代武器が普及してからは術師の数は減っているんだとか。

逆に大陸の狩人には多くの術師が所属しており、下手をしたら狩人の方が軍人よりも優秀だという話も…

まぁ、事実だけどね。

それは、升田組の件でもハッキリしているからさ。


しかし…何処へ向かってんだろね?

何処かの軍事基地へ行くのかな?


そんなことを思っていたこともありました。


「あのぉ~伊井幕僚長様。

 宮殿入り口のように思えるんですけど?」

「それはそうじゃ。

 宮殿へ行くでな、ここから入るのじゃよ」って。


いやいや、聞いてませんけど!?


「伊井さん。

 (わたくし)達が宮殿へ入ってもよろしいものなのでしょうか?」っと婆ちゃんが。


するとね、伊井幕僚長殿が爺ちゃんをマジマジ見て…「伝えておらぬのか?」っと。

したらね。

「んっ?

 おお、そうじゃった、そうじゃった。

 そんな話じゃったのぅ、言うのを失念しておったわい」だってさ。


「おいおい」って呆れた幕僚長殿が婆ちゃんへね。

「先日お宅へ伺った際の1升餅祝いのことが天帝様のお耳に入ってしまいましてな。

 本来は、我が宅へお招きするつもりでしたが、天帝様が興味をお持ちになられまして。

 どうしても、お会いしたいとのこと。

 ゆえに参内することに、相成りましたのです」

そう説明をさ。


したら爺ちゃんをギッと睨んで…

「アータ、帰ったら…ジィィィックリお話しましょうね」っと、にっこり。

笑ってんだけど…ゾクッとしましたぁぁぁぁっ!


まぁ自業自得と言うことで、爺ちゃん、頑張ってね。

真っ青っか真っ(ちろ)になってるけど、知りませんって。


そんな話をしている間にも車は進む訳で、玄関前へと乗り付けましたよ。

執事みたいな方が、外から扉を開いて下さる。


俺は恐縮しつつリムジンから降りるんだが、車高に合わせて階段が置かれているから、それを使用してね。

リアルメイドさんや使用人さん達がズラリとならんで出迎えてくれているよ。

映画の世界かよっ!


「いらっしゃいませ、伊井様、升田様」ってさ。

声を合わせ同時に恭しく一礼を。

セレブかぁっ!


いや宮殿だから当然なのかね。

前世を合わせて一般ピーポーたる俺は、この時点で真っ(ちろ)に燃え尽きそうれす。

誰かぁぁぁ(たち)けてぇぇぇ!

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