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00015 : 豪勢な昼食れすが…食文化談義は他所でやっておくなさいや。

今日のお昼ご飯は昼から豪勢れす。

ちらし寿司に巻き寿司に天ぷら唐揚げなどなど。

ちらし寿司と巻き寿司には焼きアナゴが入ってます。


「やはり巻きずしには焼きアナゴが入ってないとな。

 入ってない巻き寿司なんざぁ、邪道だ」って親父がね。


「はぁ?

 巻き寿司やちらし寿司に焼きアナゴは当然だろが?」っと伯父さんが呆れたようにさ。


「いやいや、以前に仕事で東武都へ行った話をしたことがあっただろ」

「ああ聞いたな、なんか鰻がボロボロで箸で摘まめないってたか?

 未だに信じられん話だ。

 蒸すとか?気持ち悪くねーか、それ」


「いやいや、文化の違いだから仕方あんめーよ。

 あれも飯に混ぜ込むように食えば、それなりに美味いさ」


「そんなもんかねぇ、でぇ、その東武都と巻き寿司が、どう関係すんでぇい」

「入って無いんだよ」

「はぁ?」

「だからぁ、巻き寿司にアナゴが入って無いってんの」


親父が告げるとさ、伯父がマジマジと親父の顔を見て…「マジで?」っと。

親父が頷いてから続ける。


「バッテラみたいにアナゴを乗せてる寿司はあるんだがな。

 そのな、蒸してんだよ」

「え、何をさ?」

キョトンとしたような顔似て促す。


「だから、アナゴをだよ」ったら、伯父が嫌そうな顔に。

まぁ、文化の違い、生まれ育った環境の違いは仕方ないだろうな。

生前の俺は長い間、東京勤務だったから気にはならないが…伯父的には有り得ないのだろう。


「そんな邪道が許されるのか!

 焼きアナゴが入って無い巻き寿司が存在するなど、言語道断!

 しかも鰻やアナゴを蒸すじゃとぉっ、不山戯ておるのかぁっ!」


あっ、ここにも受け入れられない方がおられましたよ。

爺ちゃんがさ、聞こえて来た話に憤ってんだけど…そこまでの話なの?


「いやい親父、俺達との文化がちがうんだからな、そんなに否定しても仕方ないだろ。

 逆に、あちらさんからしたらな、蒸して無い方が受け入れ難いだろうし」って親父が呆れたよ。


俺は巻き寿司や刺身、お吸い物をいただきつつ聞き流してたよ。

文化違いに対する話に巻き込まれるのは御免です。

うむ、巻き寿司、アナゴが入っていると実にウマウマれす。


そんな他愛のない話しに親父達が盛り上がっている間にご馳走様ってね。

1歳児にしては大食らいかも…大人と変わらない量を食べてます。

いや、3歳児だとしてもキャリーオーバーってね。


いやね、チャクラをぶん回すと腹が減るのですよ。

1歳児なのに模擬戦なんぞさせられたっしょ、アレ、かなり消耗したかんね。

幼児が大人、それも兵士の准尉さんへ勝つのに燃費を気にしてはおられんのです。

つまり、はらへったん状態だった訳ですよ。


そんな状態でのご馳走三昧、食わぬ訳がないって。

ってもさ1歳児が大人顔負けに食ってんだからさ、皆が驚いて…


(ちゃ)うか、従兄妹は6歳児と3歳児なんだけどさ、従兄妹(ねー)ちゃんはポロポロと溢しながら…3歳だから仕方ないよねぇ。

でぇ、俺は大人顔負けって感じに美しい所作にて食事をね。

ビックリして見てられますなぁ、照れますやん、テレテレ。


まっ、そんな感じで豪勢な昼食を終えた後、俺達親子は山を下りる訳なんだけど…

「おぅ、帰るのかぇ?」って、屋敷から出て来た俺達へ伊井幕僚長殿がね。


「はい、父が明日には仕事がありますので、バスを乗り継ぐことを考えますと、この時間に出ないと厳しいので」

そう受け答えたらさ、マジマジと見られたよ、なんぞ?


(ぬしゃ)ぁ、本当に1歳児かえ?」って。

いやいや、何処から見ても…いや、3歳児に見える?言動が可笑しい?なんのこと?

僕ぅ1歳児(ちゃいじ)にゃのぉ。


「当然じゃないですか、なんなら母が持ってる母子手帳を確認なさいます?」ったら諦めたように首を振られたよ、なんだろね。


「まぁ、良いわ。

 儂も下へ下りるでな、車へ便乗させてやめろう」って。


いや、あの狭い歩道を自動車で?マジ?っと思っていたこともありました。

駐屯地へは別ルートにて車道が通っており、普通に車が走行可能な道がありましたとも。


そら駐屯地とは言え軍事基地へ物資を運ぶのに徒歩は有り得んだろね。

この世界にはヘリコプターは存在しておらず、ジェット機もない。

プロペラ機しか存在しないんだよ。

だから滑走路が存在しないここへ、空輸などの手段はとれないからね。


親父達は、しきりに恐縮して固辞してたんだけどさ、爺ちゃん…いや、婆ちゃんが促したことで、しぶしぶ了承していたよ。


伊井幕僚長殿と共に駐屯地へ移動し黒塗りのリムジンへと。

いや、高級車だよ、君ぃ。

前世でも、こんな高級車へ乗ったこたぁねぇぞ、俺。


ちょっとテンション上がるよねぇ。

「慶君や」

リムジンに乗り込み、車が動き出して暫し…伊井幕僚長殿が俺へとね。

なんだろね?


「儂と帝都へ行ってみんかね?

 どうせ赤子の身ゆえ、暇であろ?」って…何を考えてる?


「いやいや、流石に帝都は遠いですから…」ったんだけどね、幕僚長がしたり顔にさ。

「うむ、何でも知っておるように思えたが、まだ知らぬことも多いようじゃて」

そらアータ、僕ぅ1(ちゃい)でちゅからね、当然でしょ。


「魔法陣ターミナルを使用すれば遠方であろうとターミナル同士てあれば一瞬じゃて。

 儂は一般のターミナルでのうて、基地のターミナルを使用しとるがの。

 慶君が興味あるなら、基地の転移ターミナルで帝都へと行ってみぬかね」

だってさ。


っか、転移ターミナル…そんなファンタジーな代物がぁっ!気付いていませんでしたぁっ!

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