エピローグ
いよいよ最終回になります。
俺と優が付き合い始めたことはすぐ、沙弥香に伝えた。すると沙弥香は「お兄ちゃん、やったじゃん。憧れのお姉さんが彼女なんて、お兄ちゃんが書いてるラブコメ小説の生き写しだね」と言っていた。
そして数日後、俺の家にアリ姉と明日香が押しかけてきた。俺と優が付き合い始めたことを、沙弥香は2人に言ったらしい。
「ちょっとトシ、なんで私には真っ先に言わなかったの!?」
「私のことはフッといて、優さんとは何で、考えもなしに付き合うの!?」
俺は2人から執拗に責められた。さらに言えば、優さんと仲の良い声優さん数人からも、LINEで執拗に何で付き合い始めたのかを問い詰められていた。
「まあまあ、2人とも落ち着いてください。私はお兄ちゃんに彼女ができても別に寂しくはありませんよ?」
沙弥香は2人にこう諭していた。すると2人は、
「だって私、トシが初恋の相手だったんだもん・・・」
「私に至っては、トシに告白したのに・・・」
とグチグチ言い始めた。・・・すまん、申し訳ない。それと同じくして、優から『やっと仕事終わった〜』と言うLINEが届いた。俺は『お疲れ様!』というメッセージとスタンプを送り、返信をする。
◇ ◇ ◇
8月、俺と優は湘南の海にデートに行くことになった。俺自身、今は大学受験で忙しいのだが、この日だけは何としてでも優とデートをしたい・・・そんな気持ちだった。
「大好きなトシのために、この間渋谷で買ったの。似合ってる?」
可愛い!可愛すぎるぞ伊藤優!!しかし、やっぱり優はとっても可愛い。綺麗で長い黒髪に、雪のように白く透き通った肌。そして、人気声優が俺のことを大好きと言ってくれる。今にも天国に昇りそうだ。
海水浴場では2人で浮き輪に乗ったり泳いだり、そしてビーチパラソルの下で2人でイチャイチャしてた。
「ねー、トシ。向こうの女の子ばっかジロジロ見てない?」
「いやいや!俺は優しか見てねぇよ!」
「ほんとに?」
「本当だって!」
「そう・・・なら信じてあげる」
写真集やグラビアで優の水着姿を拝む機会は何度もあったが、優の水着姿を生で見るのは1年ぶりだ。プールで初めて会った時以来。しかし、やっぱり優は胸デカいな・・・
「トシ、私たちいつ結婚しようか・・・」
「バカ言え。俺は来年から大学生なんだぞ。学生結婚なんてとても・・・」
「そう・・・ところで、子供は何人欲しい?」
「うーん、3人くらいかな・・・」
「3人かぁ・・・私、頑張る」
夕陽が沈んでいく湘南の海辺で、俺と優はこう話す。そして、
「私、今日トシとデートに行けてよかった・・・」
「うん。俺も優とデートに行けてよかったわ」
「私、トシのことだーいだいだいすき。ずーっと一緒にいようね♡」
「うん。俺も優のこと愛してる。大好きだよ・・・」
2人は深くキスを交わしたのは言うまでもない。
・・・と言う訳で、完結です。結局、俊彦は優と付き合うことになりましたね。
でも、少し飛び飛びの状態で完結しちゃったなぁ。本当は文化祭の話とか、修学旅行の話とか書きたかったんですけどね。
俊彦と優の恋の行方はこれからどうなることでしょう。それは私にもわかりません。ただ、2人はこのままずっと上手くいくことだけは保証します。
それでは、また・・・




