第1章8話
あれからしばらく俺たちは平野を走り抜けた。
なるべく戦闘が起きないよう周囲への警戒は怠らなかったためか、敵と遭遇することなくボント村に辿り着くことが出来た。
「やっと着いたなボント村」
「オルト……ずっとこんな旅をしてたの?」
「まぁ、もう少し戦ったりしてたけどね」
「あ、あんなのと……」
リディアの顔はかなりショックを受けているようだ。
だが、この調子が続くのであればやはり困る面が出てきてしまう。
彼女にはもう少し頑張って貰わないといけない。
「まずは武器を整えないと。道具屋と武器屋に向かおう」
そう言って俺は歩みを進めた。
ボント村は極めて小さな村だ。
だが、旅の中間点には十分な規模である。
平和そのものといった感じで、自然豊かな村だ。
そんな村の中心にある武器屋へやってきた。
この武器屋は必要最低限のものが揃っているようで、俺たちは必要そうなものを探した。
「まずはリディアの武器が必要だな。何が必要そうだ?」
「うーん、そうだなぁ……」
リディアはじっくりと武器を眺めた。
だが、かろうじて魔法が使えてまともに戦闘が出来るわけではない。
「ひとまず魔法の発動体を揃えた方がいいかもね。魔力を安定させてくれるだろうしさ」
「う、うん。それじゃあそうする」
そう言って1つの指輪を手に取った。
その指輪は赤色に輝いており、魔力の弱い俺でも分かるくらいには感じ取る魔力を感じた。
リディアから指輪を受け取り、店主に尋ねる。
「すみません、これいくらですか?」
「こいつかい? こいつは500ジェムだよ」
「かなり安くないですか?」
そう訪ねると店主は俺たちを見た。
「君たち、見たところ駆け出しだろ?」
「え、ええ。そうですけど」
「特にそのお嬢ちゃんは慣れてないみたいだからね。旅の役に立てるといい」
そう言って笑顔を抜けてくれる。
せっかくのご行為だと思い、俺は500ジェムを差し出した。
「毎度あり。冒険頑張って」
店主は笑顔で俺たちを見送ってくれた。
店を出たところで俺は先程買った指輪をリディアに渡した。
「これで少しは魔力をコントロールしやすくなるはずだよ」
「うん、ありがとうオルト」
そう言ってリディアは指輪を右の人差し指にはめた。
リディアがそれを少し眺めていると、突然目を見開いた。
「どうかした?」
「なんか、魔力がすごい流れてきた感じがしたの」
なるほど、魔力を持った指輪なら尚更だろう。
発動体にもなり、魔力の底上げにもなる便利な魔法道具なのであろう。
「ならいい物が手に入った。あとで村の外で試してみようか」
「うん、ありがとう」
リディアは笑顔で答えた。
長らく更新を止めてしまい申し訳ありません。
今回から不定期かもしれませんが再度投稿して行こうと思っています。
どうかよろしくお願いいたします。