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第一章4話

「それじゃあ、これからどうするの?」


「ええっと、リディアは戦ったりできるのか? 町の外には魔物が住み着いてるけど」


「魔物……? 私が、戦う?」


「あ、そうか、王女様だったな。魔物なんか城の騎士が倒してくれるか」


俺は小さくため息をつく。

俺がリディアを守りながら行かないといけないのか……


「えっと……一応ちょっとなら魔法も使えるよ?」


「へぇ、魔法が使えるのか。どんな魔法が使えるんだ?」


魔法なんて父さんが使ってたようなのしか知らないけど、どんな魔法なんだろう。

リディアは急に言われておどおどしているが、何かをつぶやいている。

そしてゆっくりと右腕を前に出すと、手のひらに魔法陣が浮かび上がる。

その魔法陣から赤く揺らめく炎が出てきている。


初めて見る通常の魔法に心を躍らせていたが、それを見ていると少し拍子抜けしてしまった。

その炎はそれ以上大きくなることはなく、小さな火の玉はリディアの手のひらをふわふわと浮遊しているだけだった。


「えっと、思ったより小さいな……?」


「な、何を期待してたの……私は魔術師じゃないんだから……」


「てことは……戦闘できないのか?」


リディアは俯くと小さく頷いた。


「……なんかごめん」


「謝らないで、余計悲しくなるから……」


お互い俯いたまま沈黙が漂う。

このまま隣町に向かうのは危険だろう。

俺の剣技でリディアを守りながら戦うのは無理がある。


「……さて、どうするか」


「わ、私も戦うよ……!」


「え、でも魔法は……」


「目くらましの魔法や防御魔法も少しできるし、さっきの炎魔法でも応戦できるから」


リディアは必死に戦えるということを主張している。

やはり一人で何とかするのは無理なのだろう。


「わかったよ、それじゃあ町の入り口近くの魔物と戦ってみるか」


そう言うと、町の入り口へと歩いていく。


「あ、ちょっと待って」


リディアは急いで俺の後ろについてくる。


「ただ、王国騎士に見つからないようにしないとな」


「うぅ、そうだった……」


「それと、フードはちゃんとかぶっておくんだぞ。見つかりにくくなるはずだから」


そう言うと、リディアはフードを被り身を縮め、俺の後ろにぴったりついている。


「そのままでいとけよ、もうすぐ門だから」


後ろで小さく頷き、少し震えているようにも感じる。

余程見つかるのが怖いのだろう。


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