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第1章9話

 魔石を買った後、他にも薬草や数日分の携帯食糧を買い揃え、俺たちはガブリスへの街道を進んでいく。

 街道を通れば魔物が襲ってくることも少なく、安全に進める。

 まだボント村の近くにいるうちに魔物と戦い、リディアの訓練をする必要があるため、少し街道を外れた。


「この辺りなら凶暴すぎる魔物も少ないだろうし、練習でもしようか」


「うん、よろしくお願いします」


 少し強ばった表情でリディアは答えた。


「とりあえず魔法打つ時は発動体に力を込める感じ……だったかな。俺は魔法が使えないから詳しくないんだけど」


「ううん、やってみる」


 そう言ってリディアは手を強く握り、指輪に力を込め始める。

 すると指輪の宝石が赤く煌めく。


「それじゃあ気を保ってゆっくり手を開いてみて。その後、炎をイメージする感じで」


「こう……かな……?」


 手を開くと、手のひらから赤い光が放っていた。

 すると、光から炎が現れる。


「……! 出た!」


「じゃあそれをあそこの岩に目掛けて押し出してみて」


 炎を纏った右手を前に突き出すと火球が岩に目掛けて飛び出した。

 ファイアーボール。

 炎属性の下級魔法であり、魔法使いの使う魔法の中でも基本となる魔法だ。


「できたよオルト!」


「うん、いい感じ。それが実践でできたら完璧だね」


「うーん、もう少し練習したらできると思う」


 そう言うと再びファイアーボールの練習を始めた。

 何度も練習しているうちに攻撃の精度が上がっているのが分かる。


「かなり上達したね!」


「ほんと? よかったぁ」


 ホッとした様子で笑みを浮かべていた。

 これなら戦闘でも使えるかもしれないレベルになっただろう。


「そろそろ街道に戻ろうか。いくら戦闘出来るようになったかもしれなくてもなるべく避けたいしね」


「うん、そうだね」


 そう言って俺たちは街道に向かい、ガブリスへと向かった。


 しばらく街道を進んでいくと日が落ち始めて来た。

 街道沿いのため、整備も整っているため魔物はあまりやってこない。

 夜営の準備をして、今日は休むことにした。


「ねぇオルト、ボント村からガブリスってどれくらいかかるの?」


「確か、2日くらいで着くから明日の夕暮れには着くと思うよ」


「結構近いんだね。それでも人が少ないのはオルトが言ってた通りなのかな。でも危なくない?」


「正直分からない。でも、やっぱり手がかりは必要なんだ」


 ガブリスに行っても誰かいるとは限らない。

 でも何かしらかの手がかりがある可能性だってある。

 何としても姉さんを助け無ければならない。


「とりあえずもう休もう。ガブリスの街がどんなことになってるか分からない。なら万全の体制で向かう必要があると思うんだ」


「そうだね。それじゃあ寝よっか」


「あぁ」


 そう言うと2人とも寝袋に入り、眠りについた。

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