第三部の登場人物 その二
かなり登場人物の数になっています。たまにこう整理してみるのは、自分にとっても有益ですね。
<王立学舎>
リシャール・モンゴメリ 十三歳 男
アンリの学年の入舎時の適性検査トップ通過者でモンゴメリ男爵家長男。さわやかな金髪イケメンで超リア充だが女っ気は周囲にない。学業、剣術ともに学年で群を抜いており存在感は抜群。寮ではアンリの隣室で、もっとも親しい同級生のひとり。六回生夏の近衛騎士団での研修で、卒業後の入団をほぼ確実にした。
強い相手とやりたがる脳筋的思考の持ち主でもあり、アンリとも一回生時にむりやり勝負して引き分け。以降、折に触れてアンリに再戦をせがみ、すげなく断られている。
マルコ・ロッシュ 十三歳 男
アンリの寮のルームメイトでロッシュ男爵家次男。隣室のリシャールと比べるとアレだが、能力的には決して低くない。お調子者担当で女子の評判はいまひとつ。イネスにあこがれており、一度勝負して吹き飛ばされ,気を失ったまま笑いを浮かべていた。イネスの結婚が決まり、大きなショックを受けている。
騎士課程に入り、座学の比率が下がったためか頭角をあらわし、評価として騎士課程上位五番には入るところにいる。六回生夏の研修では、アンリの実家の領地騎士団を選択、ロベールから興味を持たれている。
ルカ・マリネリ 十三歳 男
リシャールのルームメイトでアンリの隣室。マリネリ伯爵家三男。目立つリシャール、騒がしいマルコと並ぶと地味な存在だが、意外とお姉様ウケしそうな外見で、魔法にも才能を発揮している。悩んだ末に魔法課程に進んだが、その能力を開花させ、王宮からも注目されている模様。身体を動かすことは全体的に苦手らしい。たまに無自覚に腐った人が喜ぶ行動をとる。
六回生夏の研修では、ジョルジュの伝手で魔法局に受け入れられ、将来の進路が決まりつつある。リシャールと仲がよいが、一部の女生徒(主にマイヤ)から腐った鑑賞対象にされている。
ベアトリーチェ・ニスケス 十三歳 女
適性検査で女子トップ・全体三番目の才女。ニスケス侯爵家次女。すでに美少女から美女への成長過程にいる。学業の優秀さもさることながら、剣術などを含め身につけられるものはすべて身につけようとする貪欲さ、それをいっさい感じさせない周囲への完璧な気配りを身につけたパーフェクトガール。さらに調理の腕もスーパーと女子力も高く、高位貴族の令嬢としていかがなものか、という域に達している。
あまりの貪欲さで自分で自分を追い詰め、心身ともに疲弊していたが、アンリの助言により立ち直る。これをきっかけにアンリに強い関心を抱くようになる。
マイヤ・ジレス 十三歳 女
ベアトリーチェの知りあいで一回生時の魔法学授業に途中編入してきたオドオド系美少女。発育に関してはベアトリーチェを圧倒。とくに強く目を引くもののない中で、魔力の強さが群を抜く未完の大器的存在。魔力の潜在量ではジルが驚くレベル。
本作の外伝「だが断る!」で紹介されているが、じつはアンリと同じ世界の出身で、もとの身体は死んでおらず昏睡状態にある。「観察者」との取引で若干のチートを獲得、ひきかえに、この世界の様子や転生の実態をもとの世界に持ち帰ることになっている。チートとして受けたのは、他者との同調能力と魔法能力。もとの世界では薄い本を精力的に作成。腐っている。
コミュ力の不足からいじめられがちだったが、ベアトリーチェのおかげで大きな被害なく成長することができた。ベアトリーチェを大事に思っており、彼女が関心を抱くアンリを警戒しているが、同時に彼女を救うために助力を求めるなど、アンリの力を認めている。
ロザリア・アンベルン 八歳 女
学舎一回生の少女。アンベルン男爵家次女。
たぐいまれなる剣の才能の持ち主。ただ、その剣の本質は殺人剣。リシャールに剣の仕合で力づくでねじ伏せられ、学舎で教える剣と自分の剣の違いに気づく。現時点でアンリとの接点はない。
きわめて優れた身体能力を持ちながら、それでも所属は第三クラス。頭のデキはかなり控えめ。
ジルベール・ザカリアス 七十三歳 小人族 男
王立学舎魔法課程主任教官。魔法の求道者の顔とスケベ爺の顔を使い分けるくせ者。タニアやテルマの古い知りあいで、かつては冒険者。日和見ジルと呼ばれていたらしい。豊富な魔法知識をアンリに授け、アンリのマッテオとの戦いを勝利に導いた。
その後成り行きでアンリの魔法を含めたよろず指南役となっている。
セバスチャン 五十九歳 男
職業セバスチャン、といってよいジルの執事。マッテオとの戦いに先立ち、アンリの練習相手を務めるが、剣術、魔法両面に高い技能を見せる。謎の多い人。
<ギエルダニア>
ローリエ・シャバネル 十四歳 女(ただし公称は男)
ローラの項参照
サンドラ・シャバネル 十六歳 女
シャバネル伯爵の次女でローリエの姉。成績は学年上位五人には入る優秀な生徒だった。現在はシュルツク守備の任につく第一騎士団所属。
もともと弟思いの優しい姉だったが、五年前の事件でローリエに窮地を救われて以後、自分をローリエに対する盾のように考え、ローリエに対するプレッシャーが少しでも減るよう、努力を重ねていた秀才。ローラとなった妹の笑顔に、ようやく自分のことを考える余裕ができたらしい。第三部には不出。
<ラグシャン女王国>
ジュゼッペ ??歳 男
ラグシャン女王国のAランク冒険者。会話の中にのみ登場。
女王家からの内密の依頼でドルニエに来ていた。戦いでの強さは圧倒的とのことだが性格が破綻しているらしい。テルマ以外は腫れ物に触るように扱っているとか。
ペドロ 二十二歳 男
ジュゼッペを頭とする冒険者の一団の参謀役。特大級の危険物であるジュゼッペをコントロールしながら冒険者集団をなんとか機能させている。その現状に限界を感じており、ボルダンのスラムを乗っ取るというアンリの提案に乗りつつある。
シャナ・ラグシャン 十八歳 女
ラグシャン女王家の第三王女。姉妹で唯一の頭脳派だが、引きこもり。しかも腐っているとの噂あり。
女王家の意向を受けてアッピアに圧力をかける策をいろいろ考えさせられているようだが、実行の段階に関わる人が脳筋ばかりでいまひとつうまく運ばない。
ブリギット・ラグシャン 二十歳 女
ラグシャン女王家の第二王女。脳筋。王宮内でシャナ王女に直接のアクセスがある数少ない存在だが、なぜそうなっているかはいまひとつ謎。しかもシャナ王女を訪ねて実際に顔を合わせるのは三回に一回程度とか。
<カルターナの人々>
アウグスト・ギエルダニア 二十歳 男
ギエルダニア第三皇子。武と知にバランスのとれた好男子。成績も優秀で交流行事に参加していたが、その際に生命を狙われる。ギリギリのところでイネスに救われたが、それでイネスに一目惚れし、求婚し続けていた。イネスとの接点を増やすためにカルターナに「全権大使」というポストを作り、居すわっている。それと同時に皇位への欲はないと見なされ、生命は狙われなくなった。
苦節五年、「引き分ければ結婚」という条件をみごとクリアし、ついにイネスと結婚が決まる。そのための訓練につきあったアンリには心から感謝している。
ちなみに五年前の事件では、伯爵家がひとつと子爵家がひとつ取りつぶされたが、それ以上の責任の追及は行われなかった。
ジョフレ 六十一歳 男
ド・リヴィエール伯爵家王都屋敷の筆頭執事。仕事は完璧だが、言動がいちいち芝居がかっているのが玉にキズ。だが、おりにふれてアンリに斬新な視点とものの考え方をみせてくれる。
エラン 四十七歳 男
カルターナの武器商。口癖は「剣だけを売れば三流、恩を一緒に売って二流、それを倍にして回収して一流」で、かなり脂っこく見えるが、気に入った客には実はただの気のいいオヤジ。アンリに短めの片刃剣二本持ちを勧めたが、そのときの会話でローリエにアンリに生き方を質すきっかけを与えてしまった。
客の心まで見透かしたような営業はある意味脅威で、以前のローリエは騎士に向いているかどうかの疑問を投げかけられた。だが、ローラとして再訪したときは店に入るなり細身の片刃剣を手渡すなど、けっこう至れり尽くせり。
ヨーゼフが最初に見つけた武器商だったが、彼自身は金になる客とは見なされず、剣を売ってもらえなかった。
バルデ 三十七歳 男
カルターナで手広く商いを営む大商人。闇ギルドの幹部としての顔も持つ。奴隷の売買も扱っているが、もちろん非合法のものも含めてである。その非合法の商売でアンリと遭遇し、その壊れ方に関心を持つ。
エマニュエルの存在には強い関心を持っており、積極的にコネをつくり、便宜を図っている。
ミア 二十六歳 女
ギルドの冒険者窓口担当。第二部、第三部には不出
ディノ 四十歳 男
ギルド所属のC級冒険者。第二部には不出。第三部は会話の中にのみ登場。
<魔族領>
バル 四百歳オーバー 魔族 男
ゴルドノフという魔族の配下だった。テルマとタニアがゴルドノフを処分したときに、アンリの画策により、さまざまな条件とひきかえにゴルドノフの後釜に座る。もともと小物なので、それなりに今の境遇に満足している模様。
リュミエラの美しさに惚れ込んでおり、自分の使役する死霊のラインアップに加えるチャンスを密かに狙っているらしい。
[新たにに出番を失った人]
<魔族領>
ゴルドノフ 五百歳オーバー 魔族 男
会話の中にしか出てこず、そのままテルマとタニアに始末されてしまったチンケな小領主。テルマの師匠の敵だったらしい。
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