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第二部の登場人物 その一

登場人物のうち、アンリの家族と仲間をまとめてあります。

<主人公>

アンリ・ド・リヴィエール 十歳 男


 転生した「ぼく」によって、本来背負っていた「英雄」の宿命すら凌駕する「中途半端」」の特性を獲得してしまった少年。「英雄」らしくすべてにおいて優れた才能を発揮できるが、「中途半端」により、その能力の成長は必ずどこかで頭打ちになる。


 半端な能力のまま英雄となって自分のまわりの世界を混乱させ、親しい人々を苦しめることを避けたいという、きわめて個人的な動機で、英雄召喚を先延ばしするべく歴史に介入することを決意した。ちなみに、世界を救うとか人々を助けるとか正義を実現するとかの、いかにもな行動にはまったく興味がないし関わる気もない。


闘いは才能というよりセンスに頼るタイプで、武器屋のエランには、片刃刀の二本持ちを勧められている。冒険者ランクはD。


現在王立学舎三回生



<ド・リヴィエール家>


マリエール・ド・リヴィエール  三十三歳 女


 アンリの母親でド・リヴィエール伯爵第二夫人。天真爛漫な性格だが、信じると決めた相手はとことん信じ通す。アンリを含めた一女一男の母。第二部には不出。



ロベール・ド・リヴィエール  四十一歳 男


 アンリの父親。ドルニエ王国伯爵で、王国の武の重鎮のひとり。剣術に優れているが、二歳のアンリに本格的に剣術の訓練を課すなど、残念なところもあるナイスガイ。第二部には不出。



シャルロット・ド・リヴィエール 三十五歳 女


 ド・リヴィエール伯爵第一夫人。ふわふわっとした性格だが締めるところは締めるらしい。一女二男の母。マリエールとも仲が良く、イネスとアンリも自分の三人の子供と同様にかわいがっている。第二部には不出。



カトリーヌ・ド・リヴィエール 十九歳 女


 アンリの長姉。母はシャルロット。王立学舎総合課程を首席で卒業後、伯爵家のカルターナの屋敷にて領地経営の勉強をしていた。フェリペの近衛騎士団入団とともに、屋敷を辞して伯爵領に戻り、それと前後して結婚が決まる。


母親似の癒やし系美女だが、フワッとした表面に、父親の武闘派的側面を隠しているという噂あり。


 現在ウォルシュ男爵夫人。この結婚がアンリに重度の姉コンを自覚させた。怒ると怖い、と感じるのも、実はその裏返しらしい。



フェリペ・ド・リヴィエール 十七歳 男


 アンリの長兄。母はシャルロット。王立学舎騎士課程の筆頭だった。剣の腕は同世代では圧倒的で、すでに父に並んでいるという噂あり。学業も優秀で他の学生からの信望も厚かったイケメンのパーフェクト兄。女子には冷たいとは一部学生の評。指揮官としての統率力も一流。卒業後近衛騎士団に任官された。現在、カルターナの伯爵家の屋敷にいる。


幼い頃、父親が「アンリが一番剣の才能がある」と言ったことが屈辱で、いまだに根に持っているが、基本兄弟思いの優しい男。



イネス・ド・リヴィエール 十六歳 女


 アンリの次姉で全姉(競走馬じゃないからこの表現はないか……)。王立学舎騎士課程卒。剣では同学年の中で圧倒的な強さを見せた。学業が控えめで筆頭にはなれなかったが、本人はべつに興味はない。父親の面影のある男っぽい短髪美女で性格も荒っぽい。弟を実は溺愛しているが、表現が独特でだれもそれを理解していない。卒業後、伯爵領の騎士団に入隊。即中隊長となる。


剣は、センスのみで勝負する傾向があるが、腕は一流。ギエルダニア騎士養成学校との交流行事で第三皇子アウグストを襲撃から救い、その後彼から求婚され続けている、



ジョルジュ・ド・リヴィエール  十四歳 男


 アンリの次兄で母はシャルロット。王立学舎魔法課程六回生。武の面では控えめ。優れた頭脳を持つが、同時に豊かな魔力を持ち、五回生になる際に魔法課程に転科。弟おもいの優しい兄で、非常に目立つ存在である上の三人の兄姉の弟であることの苦労を理解し、いまもひそかにアンリを思いやる。



タニア オーバー三百 魔族 女


 マリエール付きのメイド。タニアは仮の名で、本名はノスフィリアリ。以前、マリエールに返しきれないほどの恩を受けたらしく、マリエールが生きている間は彼女を支え続けることを決意。それ以前は高位魔族にふさわしい多少ヤバ目の実績を残していた。冒険者としても、「死神」の二つ名を持つ。


 アンリの宿命と特性を知るもので、アンリの武、知及び魔の師匠。アンリの決意を支えていくつもりだが、それはアンリのためではなくマリエールへの恩返しの一環であるらしい。ちなみに、魔法教官のジルとは古い知り合いで、最近は魔法の修練は彼に任せている。


 長期休暇にはいまもアンリにブートキャンプを課している。




<アンリの仲間となっている人たち>


シルドラ オーバー二百 魔族 女


 タニアの押しかけ眷属。万能だがとくに斥候・暗殺職に優れた才能を持つ。冒険者としても有名だが、それは実績だけではなく、頭に血が上るとあたりかまわず魔法を乱発する危ない存在として知られている部分もある。ギルドには魔法使いとして登録しているが、それは暗殺の偽装の側面があるらしい。現在、アンリのカルターナでのパートナー。冒険者ランクはB。


 リュミエラとの関係はきわめて良いが、ビットーリオは天敵のような存在。ただし、「天敵」と書いて「とも」と読む人もいるらしい。



リュミエラ 二十歳 女


 もとアンドレッティ公爵家長女。ザ・パーフェクト。金髪ストレートの正当派美貌と完成されたプロポーションを持ち、頭脳明晰、運動能力抜群でだれに対しても優しく、学舎時代はカトリーヌのあこがれの先輩。実の父親と母の実家の陰謀で母を殺されてしまった、そして自らも愛玩奴隷として売り飛ばされるところをアンリが購入。復讐の手助けと引き替えに生涯の絶対の忠誠を誓う。冒険者ランクはC。最近、アンリの姉コンの身代わりとなりつつある。


 アンリの連れの中でもっとも常識を備えているが、最近は突発事態にも強くなってきている。アンリの副官的存在で情報収集に才能を見せつつある。



ビットーリオ 二十五歳 男


 ギエルダニアの冒険者だったが、アンリを独特の観点から気に入り、押しかけの仲間としてついてきた。もと一流の騎士だが、攻撃を受けることに喜びを感じるマゾ的な嗜好のためクビに。一流のタンクであるとともに、情報収集にもたけるが、リュミエラの能力に衝撃を受けている。冒険者ランクはB。変態。



ヨーゼフ  三十歳 男


 交流行事の際の学生の遠征への襲撃を組織したもとラグシャン女王国諜報部員。シルドラに無力化されてとらえられ、その後半ば押しかけでアンリたちに同行してきた。女王国への忠誠心はすでにない。現在冒険者ランクC。



ローザ  二十四歳 女


 ヨーゼフとともに襲撃を組織したもとラグシャン女王国女王近衛。ビットーリオに無力化されてとらえられ,ヨーゼフとともにアンリたちに同行。やはり女王国への忠誠心はゼロとなっている。現在冒険者ランクC。


ご覧いただきありがとうございました。


修正と追加であまり時間はかかりませんでした?のちほど、その二も

投稿の予定。

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