表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

俺の普通の日常

作者: 遊才 サクマ

1、2分で読めると思います

俺の名は鈴木 敬太。どこにでもいる高校一年生だ。

最近の漫画やアニメだと、こう言っている……または思ってる……奴はたいてい普通じゃないが、俺は普通だ。

魔法や超能力みたいな特殊な力を使えるわけでもないし、実は前世の記憶があるとかでもない。

頭が凄くいいわけでもないし、運動だってそんなに凄くない。良くて中の上だ。

いわゆる普通。ザ平凡。

それが俺である。

そんな俺が通う学校も普通だ。

県立高校で、地元では学力レベルが一番高いのだが、全国と比べると真ん中辺り。

部活動の活躍もよくて地方までで、全国出場のところもない。

よくある学校である。

ただ……普通じゃないとするなら、あれか。

よその学校と比べると、うちの学校は顔面偏差値が高いのだ。

男子ならば、イケメンやらクール系と呼ばれる顔立ちの奴から、可愛い系の奴まで。

女子は、美人系や可愛い系、クール系……揃ってないタイプあるの?と言いたくなる程、様々な奴がいる。

入学した当初は俺の目がおかしくなったかと思ったね。

人の顔が、実際よりよく見える呪いにでもかかったかと疑ったくらいだ。

まあ、それも一ヶ月も見続ければ慣れるもんで。

今では特に気にすることもなくなり、普通になった。

最初は、ちょっと女子の顔が直視できない程だったが、仲良くなった奴とは変顔対決までするくらいになった。

ちなみに毎回勝ってる。

対決する女子は、必ず俺よりも先に顔を背けるのだ。

恐らく笑いを堪えなくなってるんだろう。

その証拠に顔を背けた後、両手で顔を隠してるからな。

今日も挑まれたら本気でやろう。

俺の変顔の数は100個はあるんだぜ!




__________

時間が過ぎ放課後。

今日も、先生たちの授業を何とか乗り切り、安息の時間にたどり着いた。

授業中、隣の加藤さんが、急に変顔を向けてきた時には危うく笑いかけ、先生に怒られる未来が見えたが。

何とか耐えて、逆に変顔をして顔を背けさせた。

いや〜、まさに危機一髪。

いきなりやられたもんだからビックリもしたけど……これまで戦ってきた加藤さんのどの変顔よりも笑える顔だった。

あれは相当変顔の研究をしていたに違いない。

今日、俺を笑わせる為に仕込んでたんだろう。

だが俺は勝った!

ふははは!

あ、ちなみに敗者の加藤さんは現在となりに居ます。

なぜなら同じ図書部員だから。


「くそ〜、卑怯だ!あの顔は卑怯だ!あんなの絶対に顔背けるに決まってるだろ!」


さっきから俺の変顔に文句をつけてるが、勝負の世界は勝ったものが正義だ。

俺の変顔を見て笑いを堪えきれなくなるのは分かるが、なんとかしなきゃ勝利はないよ、加藤さん。


「は?いや、お前の顔見て笑う理由が分かんないわ」


え?いやいや、嘘は良くないよ加藤さん。

俺の変顔を見て顔を背けて、更に両手で顔を隠してるんだよ?

どう頑張っても笑いを堪えてるでしょ。


「笑いは堪えてない……別なのは堪えてるけど。後、お前はあれが変顔だと思ってやってるのか」


へ?笑いを堪えてるんじゃないの?

別なのって何よ、別なのって。

後、俺って変顔してないのか?


「変顔じゃないよ。お前がしてるのはその……あの……なんだ……」


なに?なんで言い淀んでるの?

俺が加藤さんに顔を近づけて、よく聞けるようにしたら、なんだか顔が赤くなってた。

大丈夫?熱でもあるんじゃない?


「ち、ちがう!大丈夫!大丈夫だから、そんな近づくな!」


本当に?大丈夫ならいいんだけど……。

無理しなくていいからね。

具合悪かったら、部長には俺から言っておくから帰ってもいいよ?


「大丈夫。大丈夫…………なんでんな優しくすんだよ。勘違いしちゃうだろ」


ん?加藤さんが今、大丈夫の後に何か言ったような……何だろう?

一応、聞いておくか。体調のことかもしれないし。


「え?ごめん。今、なんて言ったの?」

「何でもねえよ‼︎」


ん〜、怒られてしまった。

絶対、なんか言ったと思ったのに。

ま、どうせ他愛もない普通のことだろうけど。

鈴木 敬太

至って普通。ザ平凡。顔面偏差値以外。


加藤さん

鈴木くんの被害者その1。顔にやられた後に、優しくされて落ちた。

誰とでも親しく話す活発な女子。中学時代、変顔対決無敗だったが、高校に入り隣の鈴木くんに勝負して無敗伝説は幕を閉じた。

顔面偏差値はクラスで2、3位を争う。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ