セレア、やはりポンコツ
お久しぶりです
「……」
「あれ?セレアさんどうしたんですか?」
空気を読むということを知らないアイラは勝手に気まずくなってるセレアにストレートを投げ込む。
「ほえっ!?なななななんでもないよ!??」
何でもなくはない。
「実は昨日な、俺の寝室に……」
「きゃあああああああああああああ!!!」
セレアは悲鳴と共に席を立ち、ドタバタと廊下に走り出た。
まぁ、数分後戻ってきたが……。
ちなみに数分の間に昨日の事はアイラに話した。
「セレア……?」
「ひぅっ!ロスト殿!昨日ことを話したのか!?」
「ロスト殿?昨日はロストさん…♡って言ってたろ?」
「ロストさんのバカああああああ!!」
ドタバタドタバタ!
「ちょっとセレアさん!どーゆーことですか!セレアさーん!……行っちゃった。」
セレアが消えたことで矛先は俺に向かう。
「ロストさん!詳しく。」
アイラが怖い。常に愛がどうたら言うくせに今日は修羅の如きだ。
「ま、まぁ落ち着け。愛を持って話を聞け。」
「まぁ言い訳を聞いてやるです。」
こいつ……。
俺は昨日のことを大まかに話した。
「そ、そんな……。」
両膝と両手を地面に着き、項垂れたアイラ。
「セレアさんに大きくリードされてしまった!?」
「いや、その点に関しては問題ない。」
俺を見上げてパァッ!と笑顔になるアイラ。しかし、
「今のとこお前らにときめいたことも無ければ勃ったこともない。良かったな。お互いノーリードだ。勝負はこれからだぞ。」
「「プレイボールもしてないじゃないですか!」」
いつの間にか戻ってきていたセレアも言葉を重ねる。
悪いが俺はまだスィーレ離れ出来てないんだ。今の俺にはお前らは勿体ない。
「私たちライバルになりましたけど頑張ってプレイボールしましょう!」
「そうだね!何としてもロストさんのストライクゾーンになるんだから!」
いい加減そのネタから離れろ。
「話は変わるがセレア。俺はそろそろこの街から出ようと思う、」
「えっ!?」
「私も聞いてないですよ!?それに俺達って言ってください!夫婦じゃないですか!」
「一週間後かそのくらいの目安を考えてる。なんだかんだ世話になったお前には言っておこうと思ってな。」
アイラを無視しつつセレアと話す。
「ちょっと!ロストさん!?無視されるのが1番恥ずかしいんですけど!」
「……分かった……」
そしてセレアは幽鬼のような足取りで病室を後にした。
「あ、一応お前を連れてってやってもいいが出発のタイミングとかは準備と俺の気分だから気張ってついて来いよ」
「愛する妻になんて扱いするんですか!?」
頭のネジが5,6個外れてるアイラと俺は知らぬ内に結婚しているらしい。
「なら今離婚したから。幸せになれよ。」
俺は闇魔法で呪鎖を作りアイラを封印する。
「ちょっと!ロストさーーん!」
さて!リハビリするか!
それからというもの、セレアは俺の病室に来る事はなかった。
そして出発の日。
「行くんですよね?」
「チッ!……ああ。」
「今の舌打ちなんですか!?」
俺がアイラを無視して病院を出ると、セレアが立っていた。
「ロストさん……。」
「セレア。最初こそクソ生意気なメスガキだなって思ってたけど今はポンコツドジ騎士だと思ってる。世話になったな。」
「なんなのよ!?」
「今のはひどいですよ!?」
知らん。俺は思ったことを口にしただけだ。アイラと違って空気は読めるが俺はあえて読まない。
「実は私、騎士辞めてきました。」
テヘッと舌を出すセレア。
「はぁ!?辞めた!!?」
「はい!ですから私も同行させてください。」
なんでアイラと言いセレアと言いアホしかいないんだ。
「まぁ構わないが、その堅苦しい言葉遣いはやめろ。」
「えっあっ…うん!」
「まずい…正妻ポジションが……」
テンションが上がるセレアと激落ちするアイラ。
HiGH&LOWですね。
「まぁとにかく行くぞ。」
「「はーい!」」