回復魔法士と夜のセレア
俺はリハビリをしていた。幸いにも痛覚はマヒしていて痛みがないためスラスラ出来る。
「ロスト殿!今日は貴殿のために回復魔法士をお呼びしました!」
セレアは俺の病室に毎日入り浸っていて、今日も来ている。
「失礼します。回復魔法士のミール=グラファスと申します。」
エルフの回復魔法士は高い能力を持つことで有名だ。早く治ることに越したことは無いし、ここは頼むとしよう。
「よろしく頼む。」
「まずは状態を見させていただきます。神眼『パケナイア』!」
彼女の瞳から光が漏れる。俺の魔眼と違って神々しい。
「なっ……ありえない……!?」
なに?やばいやつ?
「なにか異常があるのか?」
「…信じられませんが、あなたは痛覚を失っていますね?さらに度重なるダメージで休むことが出来ない骨と筋肉が進化しています。魔物並に強靭になっています。」
「なるほど。少しやりすぎたか…」
「ロストさん?まさか抜け出してトレーニングなんてしてませんでしたよね?」
「ほう。アイラ。お前にしてはなかなか聡明だな。ビンゴだ。」
アイラは激昴する。
「馬鹿じゃないですか!?今日から私が見張りますからね!」
「わっ、わたしも!見張るよ!」
「え?セレアさん?」
セレアは相変わらず騎士キャラを作っているが、ふとしたことでそれは解ける。
「あっ、あっ、あっ……」
俺はいたたまれなくなった。
「見なかったことにしてやってくれ。」
「は、はい。」
軽く引いていた。
そしてその夜。
誰かにのしかかられているような寝苦しさで目を覚ます。
「あたしは悪くない。ロストさんが悪いの。そうよ。セレア、大丈夫よ。」
セレアだ。
激しく赤面しながら俺の腹筋を触る。
「ロストさんかっこいい…」
「…………おい。」
「はひゅぅっ!」
セレアは飛び上がった。
「あ、あああ!見なかったこと!お願いします!」
「いや、無理だろ。流石に衝撃的すぎた。」
そしてセレアは羞恥からか気を失う。
俺の息子はあの状況でも無反応だった。