B・G『サプライズパーティー』(ベタ・ギャグ)
さて、記念すべき1枚目のピザ、ラストのトッピングは、このピザの4番バッター、B・Gです。心置きなく召しあがれ!
AとBの会話
A「まあそういうことでよろしくたのんますわ」
B「おまえ、友達の結婚の内祝いのサプライズパーティーに、全員モンスターの格好で集まるいうサプライズは、いくらなんでもサプライズ違いにもほどがあるやろ! もっとある思うで、プレゼントとか……ケーキのサプライズとか」
A「なに云うてんの、いまさら決まったもんは変えられへんしやね、それに、リアルな変装が一番なサプライズや、思うよ、世の中ぜんぶを見渡してみれば」
B「リアルて……おまえ、目的見失ってへんか? 納涼肝だめしちゃうねんぞ、お祝いやねんから」
A「目的はサプライズや、細かいこと気にせんと変装に集中せいや! おれがドラキュラでおまえがミイラやから……ほなまかせたで」
B「しゃあないな、もうわかったから、なら、電話切るで」
A「ほな」
・・・・・・
A「なんや、あいつやんけ、ピッ、もしもし」
B「おれやけど」
A「おまえ集合まえから電話なんて、はりきってんなあ。どんだけ意識高い系やねん! ビックリするわ。バッチリこころいれかえてきてるやんけ」
B「…………スマン!!」
A「……え? どういうこと?」
B「怪我してもうてん。何ヵ所か骨もいってもうてるから、変装なんてとてもやあらへんわ」
A「変装に向けてのモチベーションどんだけひくいねん! 骨折~? おまえひとりだけにんげんのままやなんて、場の調和とれへんぞ! どうしてくれんの? ほんま腹立つわ」
B「ス、スマン。悪かった」
A「それほんまに思てんのか?」
B「当たり前や! 謝ってるやん」
A「悪かった思てるんやったらなんで怪我すんねん、それ一番やったらあかんやつやろ」
B「いやいや、怪我したから悪かった思てんのよ、そうせん限り謝る意味ないよ、怪我もせんと謝ってるやついたら、それこそソイツ意味わからへんやん」
A「生きてたら他に謝る理由くらいはあるよ、罪悪感1ミリももたんと生きてんのか! 見たことあらへんで、そんなやつもしおるんやったら聖人やで……もしくは逆に振りきって独裁者や。ほんでおまえ、後者やろ」
B「なんで怪我しただけで独裁者やねんな! シビア過ぎんで!」
A「来れるのは来れんのか?」
B「それは行ける」
A「おまえそれやったらせめて全裸でこい」
B「なにいうてんの! バカなん?」
A「変装できへんのなら、せめて透明になってこいや、透明人間なら解釈しだいではモンスターや思うわ。ほんでくれぐれも全裸やで! 服だけ歩いててもしゃあないやろ……」
B「いや、そんなんむりやで」
A「なんでなん? 変装もむりやし、透明もむり……女帝か!」
B「さすがに透明はむりやって!」
A「なら変装は?」
B「……スマン、それもしんどい」
A「おまえなんなん? 透明もむり、変装もしんどい……女帝か!」
B「云わしてもらうけど、変装できへん状況くらいある思うよ! そんでどうして女帝呼ばわりされなあかんねん……そもそも透明になるとか物理的に不可能や!」
A「おまえがそんなに女帝にアナフィラキー起こす思わんかったわ、スマンかった。おれんなかでは、女帝いうたら誉め言葉のニュアンスも含まれるやんか?」
B「ウソつくなや!」
A「まあ、でも、場の空気考えて、せめて、存在感だけでも透明性を追求してほしい」
B「なんやねんな、めちゃめちゃやで! その言葉の失礼さ、トラウマ級やぞ!」
A「たのむ!」
B「聞いてへんコイツ。アカン、そうするしかあらへんみたいやな」
A「よっしや、これでなんとか穴埋めできそうやな」
B「心療内科寄ってくるから少し遅れるかもわからへんわ……」
・・・・・・
A「おうきたきた……なんやねん、その格好」
B「ス、スマン。全身包帯だらけやねん」
A「なんで謝ってんの? おまえはやっぱり期待を裏切りよんねんな……いい意味で」
B「えっ」
A「その格好ミイラの変装よな!」
B「……ちゃうけど」
A「嘘つくなや! ……絶対ちゃうはずやから強いて訊いてみるけどもしかしてただの手当てか?」
B「そうや」
A「裏切り~~!」
B「なんでやねんな、さっきおまえ間違えよったやろ!」
A「見えんこともないがな、ミイラ」
B「せやせや、ミイラいうことにしとこやないけ」
A「よかったわ~、怪我の功名やで」
B「なんやねん、ほんまの怪我とかけんなや!」
A「え? なにが……?」
B「いやいや、おれがほんまに怪我してるから……ひっかけるなや云うてんのよ」
A「おまえ、ほんまに怪我してるやん」
B「うん」
A「そんで、重傷やんか」
B「重傷や」
A「おれ、そんなおおきな怪我人をイジッたりはせえへんよ、そんなん失礼に当たるやんか」
B「ウソをつけ!」
A「それにしても」
B「スルーがウマイな」
A「ようできてんな、ほんまのミイラかおもたわ」
B「……いや、それが……」
A「なに?」
B「応急処置やったから、近くに包帯がなくて……」
A「えっ?」
B「ほら、見てみい」
A「お、おまえ……包帯のかわりに、トイレットペーパーぐるぐる巻きしてんのか……」
B「う、うん」
A「マジなモンスターここにおった!! なにもんやねんないったいおまえは~! あ、雨ふってきた」
B「はあ~濡れる~~!!」
A「おい、はよ雨宿りせんと、溶けだしてんでおまえの包帯」
B「うわっ!!」
A「止んだ……と、溶けてるやん全部!!」
B「きゃあ」
A「ていうか、包帯溶けたら、なんで全裸……」
B「そう云われてたから」
A「おまえいくらおれから云われてたからって全裸に包帯巻いただけは、サスガにヤバ過ぎやで」
B「恥ずかしい……」
A「どういう心境で巻きあげていったんか訊いてみたいくらいやわ……」
今月のPIZZAは美味でしたか?では、また来月お越し下さいませ。 CLOSED