表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/36

S・G 『逆バンジー』(シュール・ギャグ)

4枚目の一枚目のトッピングはシュールギャグですよ!

さあ召し上がれ。

「逆バンジーは快適だよね~」


「いやいってる意味がわかりませんよ!」


大都市の美しい夜景が流れていく。前代未聞のアトラクションと化した突然の異形の存在との遭遇に、街全体が驚きの声を上げずにはいられない。


「**************」


「え?」


「**************」


「え!なんですって?すいませんもう少し音量を上げて下さい!音がうるさすぎて全然聞こえないんですよ」


「あペペペペペいピピピピピピピ」


「元からわかんないや」


「忙しいったらないね、朝晩寝る間も惜しんで飛びっぱなしでしてね・・・おかげでケーツイボロボロです」


「真顔でいうな!アンタ脳みそ狂ってるだろ!!」


「つくづく・・・どうしてこんなにキツい仕事を始めちゃったのかなって思いますよ・・・」


「仕事だったんですね、暴言をお詫びします」


「自称逆ジャンパーは険しい道のりです…」


「自称いうな!自称の境界線はサーファーまでにしとけ!そんで逆ジャンパーって何だよ、初耳もイイトコだわ!」


「うぎゃぁーーー」


「なになに?急に驚きだしてんのよ?」


「恐怖心には波がありましてね・・・」


「また冷静に戻った!」


「まるで生き別れの父親みたいに突然現れます」


「ピンと来ない!」


「そして突然去っていく・・・そう、夏の嵐のように・・・」


「例えはいらない気が・・・それにしてもお客さん、結構飲んだでしょう?」


「たらふく飲んだよ、アルコールという名のウーパールーパーをね」


「精神鑑定をオススメしますよ」


「イヤイヤめっそうもない・・・」


「それにしてもびっくりしましたよ」


「?」


「私もこの業界長いですけど、お客さんみたいなのは初めてでしてね・・・」


「いや~よく言われます。それはぼくの後ろ姿に驚いたというわけですね」


「ん?後ろ姿・・・」


「さぞやびっくりされたでしょう・・・正面からは角刈りなのに襟足が微妙に伸ばしているから」


「気づくか!」


「・・・・・・」


「お客さん酔ってません?急に青い顔になって」


「・・・すかしっ屁三連発」


「言わなきゃバレないですけど!」


「酔ってるのかな?頭がクラクラしてきた」


「ウーパールーパーなんか飲むからだよ」


「ウコンのカラ、ちゃんと飲んだんだけどなあ・・・」


「ウーパーには効かねえっつーの!」


「ちょっと停めてくれるかな~・・・」


「はい。」


「うげろろっ」


・・・ぽちゃん・・・ウーパールーパーは池に還った。


「丸呑みかよ!人間ポンプかアンタ・・・」


「ありがとう・・・」


「ウーパーお礼言ってるし!」


「ウーパーちゃんの仲間が寄っています・・・感動秘話ですね~」


「そもそもアンタが丸呑みした時点でドン引きだっツーの!」


「ああ吐いたらお腹減ってきちゃった、この辺においしいラーメン屋ないの?」


「う~んこの辺りはハズレちゃってるからな~あ、あった・・・屋台ですけど」


「ちょっと寄ってきてもいいかな・・・」


「へいらっしゃい・・・なんだアンタは??」


クレーンに吊るされた、不審人物・・・

彼はひっきり無しにジャンプを続けるのであった。


「ラーメンひとついただけるかな?」


「アンタその状態で食えんの?」


「食事を摂るに決まってるでしょうが、コッチはねえ、24時間体制なの!」


「こぼすなよアンちゃん!ヘイお待ち」


「ん・・・意外と手ごわいな、汁物!」


バシャーン!


「あああ、何やってんだよ!」


空中へと放射状に散らばったラーメンは・・・逆ジャンパーの技術によって隈なく啜られ胃袋へと回収された。


「アンタ見事だな!」


チャリ~ン


「ヘイ、毎度!」


「お客さん見事ですね・・・曲芸みたいで感動しました」


「いやいや、あんなのは目的ではないんです、あれは単なる食事であって、真の目的は逆バンジーを続けることで世界に平和をもたらすことなんですよ」


「その思考回路がずれてるっつーの!」


「え?」


「お客さん、お言葉ですけどアナタが飛び続けたって世界に平和なんか訪れませんよ」


「・・・ど、どうして?」


「だってそうでしょう、世界中の戦争や貧困や飢えや病魔などにアナタが関係してるんですか?」


「え、なにが?」


「なにがはコッチですよ。アナタが逆バンジーをしたって何か起こりますか?効力はない!それよりせっかくそんな素晴らしい技術を持ってるんだ、それをみんなに披露して、稼いだお金をチャリティーに回したほうがよっぽど意味がある」


「あ・・・」


「お客さん、明日からさっそく興行開始ですよ!」


「運転手さん」


「なんです?」


「大事な事に気づかせてくれてありがとう!今日からアナタは僕の師です」


「なに言ってるんです、私は単なる代行運転手ですよ・・・」


代行運転サービス。

前代未聞のクレーン車に吊るされた逆バンジー男・・・


そして翌日・・・


逆ジャンパーはその道に入って以来始めて逆バンジーをやめていた・・・そして逆バンジーのショーを開催するために特設会場の準備に余念がなかった・・・


逆ジャンパーが逆バンジーをやめた結果、最高度に保たれていた世界の周波数が破れていった・・・


まずはなりを潜めていた殺人ウィルスが活発になり、パンデミックが引き起こる、混乱を招くその凶悪な周波数は人類のこころを蹂躙して戦争は加速した、治安は乱れ世界は荒れ果て飢えは激化した・・・


地球の磁力は低下し太陽風の影響を受けて環境は生命に耐えられぬものとなる、宇宙の果てから数知れぬ隕石が吸い寄せられて降り注ぎ、地球は絶滅へと向かう・・・


こうして、代行運転手のひとことを契機に、地球は滅亡した。

逆バンジーには深い意味があったんですね~、驚きです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ