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推しのフィギュアが尊すぎて、推し活できません!  作者: 夜月黎


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閑話 バレンタイン

私は少し悩んでいた。


もうすぐ、バレンタイン。


奏になんかあげたい。

でも、奏、チョコは食べられないし……。


うーん?


しばらく、悩んで。

ふとTVを見る。

TVから聞こえてくる、アナウンサーの声。


『今編み物がブームです!!』


「編み物……かぁ」


悩んだけど。

それにしよう。



そして、バレンタイン当日。


朝からソワソワしてるのは、私だけだけど。

仕事から帰ってきて。


「奏、今日何の日か知ってる?」


少し考えた奏は、首を傾げた。


「んー?ってか、今日何日?」


あぁ、そう言う人だったわ。


くすっと笑って奏を、見る。


「今日は、バレンタインだよ」


そう言うと、私は小さな箱を置いた。


「なにこれ?」


不思議そうに見上げる奏。


「……それ、言わせる?」


少し照れてしまって、そう答えると、奏は困ったように笑ってリボンをほどいた。


「……これ、マフラー?」


中を見た奏は驚いたように声をあげた。


「そう」


「夕莉、編んだの?」


「そう」


そう言うと、奏は嬉しそうに微笑んだ。 


「……ありがとう」


……だから、その笑顔っ!!


一瞬で心鷲掴みにされちゃう。


奏は私の編んだ黒とグレーのボーダーのマフラーを嬉しそうに首に巻いた。

ちょっと難しかったけど、頑張って良かった。


思わず笑顔になる。


にやっと笑う奏。


「でも、チョコじゃないんだ?」


「……だって奏食べれないでしょ?」


そう言うと、苦笑いする。

それから。


「でも、本物の奏(オレ)にも送ったんだろ?」


そう言われ、言葉に詰まる。


「……そりゃあね」


「でも、俺、チョコ食べないよ。甘いの苦手だから」


「……知ってる」


そう答えると、奏はまたにやっと笑った。


「それでも送んの?」


今度は私がにやっと笑う。


「だって、奏、毎年食べなかったチョコ、児童施設に寄付してるでしょ?」


そう、奏はチョコ食べないけど、送られたチョコを寄付している。

私はそれを知っていた。


奏は少し顔を赤らめて、逸らす。


「……それは朔がやれって言うから……」


私は笑って奏を見る。


「本当は奏が優しいって、私知ってるよ?」


奏は黙ってふいっと向こうを向いてしまう。


ふふっと私は笑う。


奏照れてるの、可愛いなぁ。


奏はマフラーを巻いたまま、いつものソファに座る。


私はあったかい気持ちでその背中を見ていた。



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