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推しのフィギュアが尊すぎて、推し活できません!  作者: 夜月黎


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29.推しのライブ準備は静かにできない

当選したとは言え、これはファンクラブ先行なので、ライブ自体はだいぶ先だ。


だがっ!

当選した瞬間から戦いは始まる!!


まずは宿泊先の確保。

中には会場発表された時点で予約しちゃう人もいるけど、私はそれはしたくない。

なので、必ず当選確定してから取る。


今回は、葵さんと参戦なので二人分。

既に予約済みだ。

……奏問題は残ってるけど、まずは保留。


そして、次。

グッズの先行発売を逃さないことだ。


あと、五分。

ぴったりにつなげて、素早くカートに入れ、購入手続き。

エラーが出ても焦らない。

落ち着いてやり直す。


「よしっ」


ふうっと息を吐き、深呼吸する。

スマホの時計を見つめ、グッズ一覧のページを開く。

欲しいものに目星はつけてある。

あとは素早く……以下同文。


じっと時間を待っていると。


「何してんだ?」


「ひゃぁーっ!!」


し、心臓に悪い。


またしても奏。


「グッズの先行販売があるのっ」


私は振り返りもせず、奏に言う。


ふっと息を吐く音が聞こえ、察した私は先に声を出す。


「待って!ご意見もご要望もあとで聞くから、グッズ先に買わせてっ」


奏の息を呑む音が聞こえ、何か言われるかと思ったけど、奏は何も言わなかった。


そして。

時間ぴったりにリロード。

画面がパッと変わり、『カートに入れる』ボタンが現れる。

私は慣れた手つきで欲しいものをカートに放り込み、購入手続きに進む。


一度、『混み合ってます』のエラーが出たが、二度目で難なく突破。


10分後には購入をし終えた。

……金額は……見なかったことにしよう。

来月の私が払います。


「買い物終わった?」


一息ついたところに奏が声をかけてくる。

私は満面の笑顔で振り向く。


「終わった!」


欲しかったものは買えたので満足だ。


「何買った?」


奏がスマホを覗き込むようにして見てくる。


「うーん……」


私はもう一度公式サイトを開く。

購入履歴から、買ったグッズを奏に見せる。


「パンフとTシャツと……」


一つ一つ見せると奏は興味深そうに見ている。


「……グッズって毎回こんなに買ってんの?」


不思議そうに顔をあげる。


「そうね……だいたい毎回こんなものかな」


すると奏は唇の端だけで笑った。


「そんなに毎回、大量にいんの?」


瞬間、私は反論する。


「いるのっ!!」


勢いに押されたのか奏は一歩後ずさる。


「毎回!そのツアー専用のデザインでしょっ!それにっ、推せる内にお金使わないとっ!!」


そこまで言ってハッとする。


推される側に何言ってんの、私。


奏の表情は若干ひき気味だった。


「そ、そうか……」


苦笑いするしかない。

少し引きつった顔で、スマホを覗き込みながら、


「……にしても、毎回……ン万円?」


「……」


私は遠い目をした。

そして、頷く。


「……ン万円」


「大丈夫なのか?」


奏のその言葉に、私は目を細める。


「毎回毎回……あなた方が販売してんでしょーが」


私の返答に奏はまた苦笑いしていた。


ふっと口元を緩めて、奏を見る。


「でも、いいんだ。それが推し活なんだから」


すると奏も口元を緩めた。


「そういうもんか……?」


「そういうもん」


キッパリ返すと、奏は感心したように腕を組む。


「ファンって怖ぇ」


「失礼なっ」


「ウソウソ、感謝してるよ」


奏は少しだけ笑って手を降った。


「なら、よろしい」


そう言うと満足そうに頷いている。


「……ライブでちゃんと回収しろよ?」


「ん?」


言いたいことがよくわからなくて、聞き返す。


「払った分、楽しめってこと」


私は笑顔で返す。


「もっちろん!!」


にやっと笑う奏。


「……今、回収させてやろうか?」


挑発的な奏の目がこちらを見る。

私は慌てて目をそらして、手を振る。


「それは、やーめーてっ」


奏は楽しそうに笑っている。


「夕莉、めちゃくちゃ楽しそうじゃん!!」


「いいのっ、それが推し活!」


私はもう一度同じことを返す。


私の推し活、少しだけおかしくなってきてる気はするけど……。

今が、めちゃくちゃ楽しいことは事実だった。





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