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テレビ

作者: とある好奇心あふれる学生

 「木曜日だ、楽しみの『おねおわ』の放送日だ」

 『おねおわ』のファンとして、それが生活には欠かせないものだ。数年前からのパンデミックからの自粛をきっかけに、コナンやドラえもんだけでなく、ほかのアニメのことも大好物になった。

 寮にはテレビがあるが、壊れてとっくに何も映らなくなった。幸い、この辺にネットカフェがあって、そこのブースではテレビが見られる。少しお金がかかるが、放送当日に『おねおわ』が見られるのは何よりだ。

 『20番の席でお願いします。』

 終わったら勉強しようと、荷物を抱えて、ブースに入りこんだ。

 少しリニューアルされたためか、今までのブースより広くなった。イヤホンをかけ、私はブースに設置されたマッサージチェアに座り込んだ。テレビを見ながらマッサージを受けるって気持ちいい。

 テレビには美男子が温泉ホテルでくつろいでいる画面が映っている。なんかBL的な匂いがする。

 「つまらない。なんで美女じゃなくて美男なの?」

 画面が健太郎というたくましい美男に移った。宛らギリシャの彫像の如き体格で、私も少しうらやましくなった。

 そこへ、突然ちらつきが起こって、三十秒ぐらい過ぎて、このチャンネルが視聴できないとのメッセージが映った。

 おかしいと思って、別のチャンネルに移ってみたが、同じ状況だった。しかし元のチャンネルに戻ると、美男の画面が映っている。なんの異変もないようだ

 『ちょっと壊れたせいかな』

 ここのテレビはほとんど旧型だし、寿命間近の可能性もある。

 しかし番組の十分前になるとまた消え、そして別のチャンネルから戻ってもだめになった。

 フロントの人に頼んで、隣の席に移ってもらった。今度は何の問題もなく、今週の『おねおわ』を最後まで満喫した。やはりTSFこそ目の薬だ。あとその薬、やはり欲しいな。

 まだ時間があるため、マイチューブの動画もいくつか満喫してから、フロント係にテラス座への移動を頼んだ。

 階段を上るところ、外から戻ってきた親切な女性店員が引き留めてくれた。

 『あの、20番席のお客さんでしたよね。最初は映りましたか』

 『はい、映ったんですが。』

 『ええ?でも、さき調べたところ、B-CASカードが入っておりません。』

 『?なに?』

 『そこのテレビにはBCASカードが挿されていないんで、あとコンセントもなぜか外された状態で、何も映らないはずですが』

 あまり怖くて、塩をいっぱい頼んで、体中隅々まで撒いた。

 


その後、ネットでそのBL的な番組を調べてみたが、何も出てこなかった。

そして、その美男のことも探してみたが、出てきたのは10数年前にとっくになくなった人。

その恐怖は、今も強く感じてる。

そして、二日後、学校でも似たような経験をした。別の話ですが。

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