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野草から始まる異世界スローライフ  作者: にのまえ
第二章

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第十一話

 サタ様、アール君とパン屋と雑貨屋により原っぱに戻ると、パパとママから返信の手紙が届いていた。

 

 届いた手紙には「早朝、アウドラム家族を庭に転移魔法で送り届けて欲しい」そのとき、エルバが見つけたアンズキも一緒に送ってきて欲しいといった内容だった。


「サタ様、パパとママがアウドラム家族を預かってくれるって」

「それは良かった。明日、転移魔法で送り届けてくるかな」


 サタ様が早朝、転移魔法を使いアウドラム家族を送ることになった。

 

 欲しいと言っていたアンズキは、アウドラム家族を送るときにエルバボ畑から採取するとして。ギルドに行く前に搾ったママさんのお乳で、バターを作ることにした。


 アイテムボックスからさっき搾ったお乳を取り出すと、脂肪分と脱脂肪に分かれている。上澄みのとろっとした脂肪分をお玉ですくい、街で買ってきた密封ができる瓶に入れる。


 それを三つ作り。


「サタ様、アール君いい、クリームかは入った瓶を10分~15分力いっぱい振る!」

「これでバターが出来るのだな」

「がんばります!」


 3人で瓶を力一杯振る、振る、振ったぁァァァ!!


 15分後、私、サタ様、アール君の瓶の中は油分と水分に分かれた――この油分がバターだ! 博士が言っていたけど、水分も使えるんだよね。


「すごい! バターが出来たよ!」

「ふむ。これがバターか?」

「早く、バターを食べたいです」


 油分と水分をとりわけ、お鍋のクリームがなくなるまでみんなで瓶を振り続けてバターを作った。この残った脱脂坊は飲めて、水分バターミルクも料理に使えるので、空いた瓶に入れてアイテムボックスにしまった。


「今、作ったバターに塩を混ぜて、夕飯にコーブラのムニエル風を作ろう!」


「いいな。それでエルバ、バターを少し舐めていいか?」

「ボクも舐めたいです」


 私もと、指にバターを付けてペロッと舐めてみた。


「んん? 美味しい!」

 

 懐かしいバターの味……これに塩を混ぜればもっと美味しくなる。その横でバター舐めた途端、サタ様とアール君の動きがピタッと止まった。


(あ、あれ、2人ともバターが苦手だったのかな?)


 と、心配になる私の横で。

 


「な、な、なんだこの美味いものは――エルバ! もうひと舐めしたい!」


 

「ボクも舐めたいです!」


 もう少し、もう少しと……今、作ったバターを食べ尽くしてしまいそうな2人の勢いだ。バターが美味しくて、舐めたいのもわかるけど。


「サタ様、アール君、待って! 今、バターを食べちゃったら……夕飯にムニエル風食べれなくなるよ」


「そ、そうだな」

「そうでしたね……」


 肩を落とす2人に。


「ねぇ、バターミルク飲んでみない?」


「「飲む!」」


 アイテムボックスから取り出して、初めて飲んだバターミルクは……牛乳にバター風味の香りがした。


「すごく、美味しい!」

「これまた美味い!」

「バター風味が美味しいです!」


 あまりの美味しさに、みんなでバターミルクを取り合いっこして、全て飲み干した。

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