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野草から始まる異世界スローライフ  作者: にのまえ
第二章

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第四話

 これで、みんな横並びのFランクだ。

 

 クエストを受けるため、サタ様もモコ鳥から登録したときの姿に戻り、冒険者ギルドでクエストボートを見ているが。Fランクのモンスターが弱すぎるのか、拍子抜けた表情をしている。


「アール、スライム十匹とゴブリン三体どっちがいい?」


「そうですね、両方受ければいいのでは?」


 そうかと両方受けたみたい、私はと言うと……Fランクで受けれる傷薬を作る時に使用する、キリ草十束のクエストにした。

 まぁ私は採取しなくてもキリ草はエルバの畑に植えているので、サタ様とアール君の狩場に着いていけば新しい薬草、植物の探索ができる。


「よし、エルバもクエストを受けたな……受付嬢の話で、スライムとゴブリンの生息地はマサンの街から東にある、チリの森の入り口あたりで戦えるそうだ」


「では、向かいましょう。早く倒してチリの森を探索しましょう」



「「おう!!」」



 チリの森まで移動は馬車で三十分はかかるらしいので、姿消しのローブで姿を消して、ホウキに乗り、ひとっ飛びしてチリの森に到着した。


「結構大きな森だね。さてと私は森の近場の原っぱで薬草、植物の探索をしています」


「わかった、一人で森に入るなよ」


 サタ様とアール君はモコ鳥と黒猫の姿に戻り、森の入り口で見つけたスライム、ゴブリンをいとも簡単に倒していく。


 二人に、一時間後くらいに一旦森の入り口で、お昼にしようと話した。


「一時間後だな。アール、ギルドにスライムの核と、ゴブリンの耳をクエスト分、ギルドに渡せばいいのだな」


「はい、そうです。たまに落ちる魔石は貰っていいと言っていました」


「うむ。しょぼい魔石は使い道がないから要らぬ――エルバに渡せばよいな」


「はい」


 二人はサクッとクエスト分を終わらせて、『肉になる魔物がいないか、見に行ってくる』『エルバ様、行ってまいります』と、ワクワクしながらチリの森の奥に入って行った。


 私はそれを見送ると、クエスト用にエルバの畑から採取して、キリ草を十束縛ったものをマジックバックにしまい。チリ森の側の原っぱで新しい薬草と植物を探しはじめた。



 おぉ博士!



 この卵形の葉して、黄色い花の下に円柱形をした鞘をつけた、この草は何?


〈これはアンズキといいます。この円柱型の鞘の中には赤茶色の種子が入る、豆科の植物です〉



 ん、アンズキ――小豆⁉︎

 もし、小豆だったら甘く煮詰めて餡子にすれば……アンパン、ようかん、どら焼き、ぼた餅などが食べれる。


 パンケーキも良いけど、和菓子も好きなんだよね。


 博士、アンズキは食べれる?


〈食用です〉


 効能は?


〈鉄分、貧血予防になり、食物繊維が豊富です〉


 博士から、アンズキのタネを貰って畑に植えた。

 でもここで一つ問題がある、私は餡子の作り方がわからない……確か手間が掛かって難しいはずだ。魔法都市に戻って、ママに頼んで餡子を作ってもらったほうがいいかな。それと、ネコチューバで小豆水だったかな? 小豆の煮汁を飲むと、ダイエットにいいって言ってたかも。


 その後、胃の健康を保つ効果があるヨモモギを見つけた。よもぎは乾燥させて、フライパンで乾煎りすればお茶になる。

 

 ククリン――栗は食物繊維、むくみ解消。コメと炊けば栗ご飯が食べれるし、サツマイモと作る栗きんとん、栗の甘煮、栗蒸しようかん……いい。


 幸先のいい発見に一人、原っぱでニンマリしていた。



 そこに。



「エルバ、喜べ! いたぞ!!」

「エルバ様、いましたぁ!!」



 ――ウンモォォォオオ!!



 サタ様とアール君の声の後に、けたたましい鳴き声が聞こえ。チリの森から牛に似た、真っ黒なモンスターに二人が乗って現れた。

 

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