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野草から始まる異世界スローライフ  作者: にのまえ
第三章

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第二十三話

 空を見上げ、ヌルスケ君の瞳からポロポロと涙が流れる、彼はそれほど魔女さんが好きだったんだ。


「ヌルスケ、魔女はいなくなった……これからどうする? ワタシと一緒に仲間のいる領地へ来るか?」


 サタ様が「領地へ来ないか」と誘ったが、ヌルスケ君は首をフルフルと振った。


「サタ様が誘ってくれて嬉しいよ。でもね、ボク、ここが好きだから残るヌル」


「そうか。1人が寂しくなったら、ワタシを呼ぶといい」

「僕も呼んでください」

「私も呼んで! たまに、ヌルスケ君に会いに来るよ」


「うれしいぃ、ありがとう。ここで待ってるヌル」


 毒湖――コース湖に住むヌルスケ君とまた会う約束をして、私達は北の果てのカルルの原っぱへ、ポーションの材料ククミンを採りにホウキで向かった。



 

 ヌルスケ君がいたコース湖を出て、お昼過ぎに北の大地、カルルの原っぱへ着いた。ここ北の大地は広い青空と豊かな緑――前世パンフレットで見た、北海道に似た広い大地だった。


 ――うわぁ、キレイ! いつか、こんな場所でキャンプしたいと思っていたんだよね!


 ウキウキとはじめて訪れた、広い大地を眺めた。

 となりのサタ様も広い大地に。


「なかなか良い所だな、昼寝したくなる」

「昼寝ね、いいですね」

「サタ様、アール君、昼寝もいいけど。――お昼、何に食べる?」

 

「「お好み焼き!」」


 2人の意見が一致する。


「わかった、いまから材料を切って焼くね」


 お昼にお好み焼きを食べてから、今日はテントでまったりしようと決めた。

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