第二十三話
空を見上げ、ヌルスケ君の瞳からポロポロと涙が流れる、彼はそれほど魔女さんが好きだったんだ。
「ヌルスケ、魔女はいなくなった……これからどうする? ワタシと一緒に仲間のいる領地へ来るか?」
サタ様が「領地へ来ないか」と誘ったが、ヌルスケ君は首をフルフルと振った。
「サタ様が誘ってくれて嬉しいよ。でもね、ボク、ここが好きだから残るヌル」
「そうか。1人が寂しくなったら、ワタシを呼ぶといい」
「僕も呼んでください」
「私も呼んで! たまに、ヌルスケ君に会いに来るよ」
「うれしいぃ、ありがとう。ここで待ってるヌル」
毒湖――コース湖に住むヌルスケ君とまた会う約束をして、私達は北の果てのカルルの原っぱへ、ポーションの材料ククミンを採りにホウキで向かった。
ヌルスケ君がいたコース湖を出て、お昼過ぎに北の大地、カルルの原っぱへ着いた。ここ北の大地は広い青空と豊かな緑――前世パンフレットで見た、北海道に似た広い大地だった。
――うわぁ、キレイ! いつか、こんな場所でキャンプしたいと思っていたんだよね!
ウキウキとはじめて訪れた、広い大地を眺めた。
となりのサタ様も広い大地に。
「なかなか良い所だな、昼寝したくなる」
「昼寝ね、いいですね」
「サタ様、アール君、昼寝もいいけど。――お昼、何に食べる?」
「「お好み焼き!」」
2人の意見が一致する。
「わかった、いまから材料を切って焼くね」
お昼にお好み焼きを食べてから、今日はテントでまったりしようと決めた。




