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野草から始まる異世界スローライフ  作者: にのまえ
第三章

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第九話

 翌朝。私とサタ様、アール君はアルクスの王都にモサモサ君と手紙をくれたローザン君に会いに行く。そろそろキバナの精霊、キキさんの解毒薬がいるのでそれも作った。

 ユキさんが伝えた。魔族の村の方にはパワー様をリーダーにユキさん、ラッテさんとヌヌが行くことになった。


 サタ様曰く、村全体の大移動になるかもしれないし。人間、知らない悪魔がいても、パワーの魔法とヌヌの力でなんとかなる。ユキとラッテも実力者だから安心だと言った。


 領地に残るアビス君、ソーロ君の家族はみんなと力を合わせ、家を数軒建ててもらうことにした。それは……露天風呂の横に建てられた枕投げの会場。しっかり防御の魔法がかかっていたのにも関わらず――今、半壊……修理中で立ち入り禁止らしい。


(昨夜、お酒も入ってたし、思い存分に暴れたのかな?)

 


「みんな、よろしく頼むぞ!」


「「おう、まかせろ!」」


「お弁当を作ったから、持っていってね」


 早朝、ママとソーロ君のお母さんとで、おむすびと唐揚げ、卵焼き、焼き魚、焼き鳥――もうたくさんのおかずを作り、重箱3段に詰めた。領地に残るみんなのご飯は、鬼人さん達が魔法都市から来て作ってくれるので安心。


「いい匂い。エルバ、ママさん達ありがたい!」

「助かるでござる」

「ありがたき幸せ」

「やった! ヌヌの好きなオカズばかりぃ~!」


 サタ様の合図で、みんなは自分に任せられたことを開始する。パワー様とヌヌ、ラッテさん達はユキさんの案内で、人間の国にある魔族の村へと向かっていった。


「エルバ、アール、アルクスの王都へ行くぞ!」

「はい! 行きましょう!」

「エルバ様、サタ様、まいりましょう」


 私達も、サタ様の転移魔法でアルクスの王都に向かうまえ、見送りに来たパパとママに抱きついた。


「パパ、ママ、行ってきます。何かあったら、フクロウで手紙を送るね」


「エルバ、危ない事をしないように! 気をつけるのよ」

「1人での行動は控えて、サタナス様とアールに任せなさい」


「はい! わかってます」


「サタナス様、アール、エルバを頼みます」


「目を光らせ見張っておく」

「まかせてください!」


 サタ様の転移魔法で、アルクスの王都近くの原っぱに到着した。まず先にキキさんへ解毒薬を渡そうとみんなで話して、王都内にある学園に向かうことにした。


 ギルドカードで王都に入るが、王都内が中世風の落ち着いた感じとは違い……様変わりしていた。ん? あの人が門番に提出したのって、アメリアさんのイラストが入ったギルドガード?


「な、な、なにアレ⁉︎」

「すごいなぁ……」

「すごいですね」


 門をくぐって、すぐに見えたのは聖女様誕生の垂れ幕?

 聖女様のグッズにお土産?

 ドレス、タキシードの上に、聖女様のイラスト入りピンクの法被を着込み、ハチマキを付けたミスマッチな貴族?

 聖女様のアイドル風のポスター?


 ヒェ――! アメリアさんがアイドルになってる⁉︎

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