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野草から始まる異世界スローライフ  作者: にのまえ
第二章

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第二十三話

 手作りカッテージチーズを食べた、サタ様とアール君。

 口に出さずともわかる、めちゃくちゃ美味しいのだろう。


「エルバ、これがチーズか……これも、また美味い!」

「はい、とても美味しいです」


「よかった、ピザに乗せて焼いてみよう!」


 私の作ったピザをスキレットに乗せ、出来立てのカッテージチーズを散らして、カマドにかけた。手作りのカッテージチーズは美味しいけど。ちょっと塩を足したほうがいいかな? 次作るとき、塩をひとつまみ入れるのもいいかも。


 このまま食べるなら蜂蜜、ジャムをかけてレアチーズ風のデザート。サラダ、クラッカーに乗せてもいいかな。


 クク、バターとチーズが作れるなんて最高だ。

 


「みんな、カッテージチーズ乗せ、ピザが焼けたよ!」


「「おお、いただきます!」」


「いただきます」

「楽しみだ!」

「楽しみです」


 パパ達はチーズの味に驚いている。

 フッ、また魔法都市サングリアに新しい味が増えた。研究者達に火がついて、新しいチーズが出来ちゃうかも。


 



 ❀


 



 私の考えは大当たり!


「ご馳走様でした、エルバ様。今日はこれで失礼します」


 鬼人さんがチーズの作り方を聞いて、瞬足で帰っていった。それはドロシアさん、エバァさんもだ。


「ふうっ、みんなに火がついたな。エルバが作ったチーズは簡単に作れて、なにより美味すぎる」


「パパ達が喜んでくれて嬉しい。作った、カッテージチーズはパンに練り込んで焼くのもいいし。ハンバーガーに挟んでもいい、色々使えるね」


「ハハハッ! うちの娘はまったく凄い! ママに教えたら……『エルバのカッテージチーズ』になるな」


 ママなら、やりかねない。

 

 みんな帰ってしまったので、今日はうちに戻って、明日また集まって領地の話をすることにした。帰る前にアウドラム家族にはキャンプマット、ワイルドポポーのゲンさんにはラグを。彼らの体が休めるくらいの大きさにして、フカフカも増して貸した。


 そして、お腹すかない様にエダマメマメ、コメ草、トーモロコシをたんまり収穫した。




 魔法都市の家に戻ると、ママが玄関で待っていてくれた。


「エルバ、おかえり」

「ママ、ただいま! パパも、ただいま」


「エルバ、おかえり」


 ただいま、と言ったら。

 おかえり、と帰ってくる。


 嬉しい!


 あたりまえの事だけど。

 前世、一人暮らしをしていたときは「ただいま」と「おかえり」を、1人で言っていたのを思い出した。


 


 ママにも、ピザとカッテージチーズの話をして、残っていたカッテージチーズにリリンゴのジャムを添えた。一口食べたママは瞳をキラキラさせる。


 気に入ってくれたみたいと思ったら……作り方を聞いてきた。


「ピザに乗せても美味かったが。リリンゴのジャムを乗せると、このチーズはデザートにもなるのか」


「甘くて美味しい。僕、気に入りました」


 サタ様とアール君、チーズをかなり気に入ったみたい。

 

「私は……甘いのはあまり好きじゃないが、これはさっぱりしていて美味い」

 

「ヌヌも好きだよ~」


 領地予定地でへそ天で日向ぼっこをして、ズッと寝ていたヌヌも気に入ってくれた。


 



 ❀





 次の日、領地予定地に集まって話し合って。

 食事が出来る集合場所、ピザ釜、カマド、穀物庫、ヌヌの小屋、アウドラム家族とゲンさんの雨除けの小屋を、パパたちに建ててもらうことにした。


 私達が冒険に出るまえ、半年分のエダマメマメとコメ草、トーモロコシを収穫した。

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