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野草から始まる異世界スローライフ  作者: にのまえ
第二章

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第二十二話

「ピザ、焼けたよ」


「「ありがとう!」」


 焼きたてのピザは美味しいのだが……

 やっぱりチーズがあった方が断然、美味しいのだけど――何かが足りないのだ。


 料理博士、簡単なチーズの作り方を聞いてもいい?


《はーい、簡単な手作りチーズ(カッテージチーズ)の作り方は牛乳 塩 レンモンの搾り汁で出来ます》


 牛乳、塩、レンモンでチーズが出来るの?


《エルバ様、出来ます。作り方は500ccの牛乳をお鍋で、80℃くらいに温めます。次にレンモン汁(大さじ1)を加え弱火で混ぜて分離したら、ザルなどでこせばカッテージチーズの出来上がり。残った水分はホエーと言い、栄養が高く、牛乳、レンモンでリコッタチーズが作れます》


 ふむふむ。


 その作り方でカッテージチーズと、リコッタチーズが作れるのか。


 博士、作ってみる。

 ありがとう。


《わからないことがありましたら、聞いてね》

 

 よし、先ずはカッテージチーズを作ってみよう!

 お乳を取り出すためにアイテムボックスを開くと、パパ達とピザを食べていた、サタ様が私の頭の上に飛んでくる。


「どうした? エルバは自分のビザを焼かないのか?」

「焼くよ。焼く前にチーズの作り方を聞いたら、簡単に作れそうだから……ちょっと、作ろうかなって」


「チーズ? エルバがさっき言っていた、チーズのことか?」

 

「うん、上手く出来たら、ピザに乗せて焼こうと思う」


「なに、ワタシも手伝う!」

「いいよ、一緒に作ろう!」

 

 お乳は絞らなくても、前に絞ったのがアイテムボックスにまだ残っている。私はそれを取り出して、シェラカップのメモリで500cc測った。


 測ったお乳をお鍋に入れて、カマドのすみて約80℃に温める。温まったら、そこにレンモンの汁を加え弱火で混ぜる。しばらく混ぜると、水分と白い塊がモロモロと出来てくる。


 博士の説明通り作ると。


「おお、分離した」


「本当だ、面白いな」

「早く、味見したいですね」


 私のカッテージチーズ作りを覗き込むサタ様の隣に、いつの間にかアール君もやって来て見ていた。

 

 パパ達は? と見ると。

 

 ピザを食べ終えて、開いたスキレットでコーブラのお肉と、ジャロ芋を焼き食べていた。


 ――みんな……まだまだ食べそう。


 チーズが上手くいったら、もう一枚ずつくらいピザを作ってもいいかなぁ?


 私は透明な液体と白い塊に分離したものを、ボールとシェラカップ用の網でこす。透明な液体ホエーとカッテージチーズに分かれた。


(この透明な液体で、リコッタチーズが作れるって言っていたから、とっておこう)


 密封容器に透明な液体をうつして、アイテムボックスにしまって。ザルで水分を切っている、カッテージチーズをスプーンですくって、味見してみた。


 お、さっぱりしたチーズ?

 レンモンの風味が残って美味しい。


「美味しい、ピザに乗せて焼いてみよう!」

「その前に、チーズの味見だ!」

「僕もチーズの、味見がしたいです」


 わかったと、スプーンの乗せて2人に渡した。


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