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攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─  作者: てんたくろー
第二部後日談編

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信者、アンチ問わずネット民一同「救世主ハーレムは、ありまァす!!」

 織田という思わぬ来客と、その対応による余韻もそろそろ冷めてきた。

 俺とリーベは真面目なお話を終えた後でも部屋に留まり、すっかり寂しがっていたアイを全力で構うことにしていた。

 

「ほーれくすぐりくすぐりー」

「きゅうきゅうきゅう」

「アイちゃんはいい子ですねー」

「きゅうー」

 

 仰向けになって腹を見せる、すっかりリラックスした様子のミニチュア・ドラゴンのおなかを指先でくすぐる。気持ちよさそうに身悶えしていると、リーベも細い指先でこの子の頭を撫でてかわいがっていた。

 家族に構われて御満悦のアイ。また10日後にはしばらくサークルだの過激派だので忙しくなってくるし、今のうちに遊べるだけ遊んであげないとな。

 

 そうしてくすぐったり抱きしめたり高い高いしたり。果ては《あまねく命の明日のために》で作り出した、殺傷性皆無のビームによるボールを使って遊んだりと、晩ごはんまでの時間を俺達はひたすら、アイを愛でることに集中したのである。


「そら、転がすよー」

「きゅうー! きゅっきゅっきゅっきゅっ」


 山形くんボールを遠く転がすと、すぐにアイが翼をパタパタバタつかせて取りに行く。器用にも前足でうまくボールを抱きかかえて、こちらに戻ってくるのだ。

 そのまま着地して、体全体でボールにしがみついて戯れるのを和む気持ちで眺めていると、リーベが感心して言った。

 

「地味に応用力高いですねー、公平さんビーム」

「威力の調節が自在だしなあ。言っても複雑な構造には形成しづらいし、結局攻撃用なのは間違いないけど」

 

 意図せず身につけてしまった《あまねく命の明日のために》。こちらも獲得経緯を考えると倶楽部幹部同様、正真正銘のバグスキルだったりする。

 なので汎用スキルとは一線を画する性能を有しているわけなんだけれども……一番の特徴は威力調節が自在だということだろうか。

 

 上はそれこそ宇宙規模、下は今みたく触ってもなんら問題ないところまで。魔法系スキルでもここまで幅広くはならないよって感じの振れ幅も山形くんビームの地味な利点だったりはするね。

 今みたいに簡単なボールくらいなら作れるわけなので、遊びにだって使えちゃう。キャッチボールやドッヂボールだってできちゃうぞ、俺スポーツに苦手意識あるからやらないけど。

 

「アイにどこでも遊び道具を作ってあげられるのは良いよなあ」

「公平さんも地味に子煩悩ですねー……シャーリヒッタ相手にも猫可愛がりしちゃいますー?」

「絵面が犯罪的だろ!」

 

 首を傾げるリーベちゃんに叫ぶ。とんでもないこと言うよねこの子、シャーリヒッタ相手にアイ同様の対応してたらまるきりやばい奴じゃん。

 いやまあ、もうここまで来たら娘扱いするのもやぶさかでないんだけれども。とはいえ相手は見た目俺と変わらないくらいなんだし、そんな子を相手にアイみたいによーしよしよしってやったら即座にお縄だ、怖ぁ……

 

「シャーリヒッタとも仲良くしていけたらとは思うけど、アイとは対応だって変えるよ、そりゃあ。お前俺を犯罪者にしたいの?」

「いえいえまさかまさかー。ま、女の子の玉の肌に手出しできる公平さんなら今頃、ハーレム救世主の噂なんて噂じゃなくなってますもんねー」

「日増しに規模が大きくなって言ってるんだけどアレ、どうにかならないのかな……」

 

 からかいがちに笑って言ってくるリーベだけれど、俺としてはあんまり笑い事でもない。どうでもよくはあるんだけれど、面白がれる話でもないんだよね。

 と、いうのもネット上での俺の評判である。倶楽部関係の報道で見事に二度目の全国デビューを果たしちゃった俺ちゃんってば、ネットのSNSなどでは見事にあれこれ言われているのだ。

 

 救世主バンザイ! から始まって救世の光に対して好意的な層からの万歳三唱とか、実力のある探査者さん達からのお褒めの言葉や評論だとか。

 はたまたカルト宗教の神輿が調子こいてる的な意見とか、新米探査者が運良くベテランに取り入ってるだけというアンチ的感想だとか。


 まさに賛否両論、一度目のデビュー時よりもはるかに勢いをまして様々な意見を目にしているわけだけど、賛否両方揃って一つ、見解が一致している点がある。

 そう、ハーレム救世主という風評だね。一番的外れなところでファンもアンチも揃って首肯してんじゃねーよ! と言いたいところだけれど、いかんせん状況証拠が多すぎて客観的にはそうなっちゃうよね、と自分でも思ってしまう有様だから堪らない。

 

 香苗さん、宥さんを筆頭に──とかく美女美少女が多いからな、俺の周り。

 ぶっちゃけ嬉しくはあるんだけれど、だからって即座に全員俺の女、みたいに扱ってくる世間様の目は大分毒されてると思う。

 目撃情報からエリスさんや葵さん、アメさんやガムちゃん、アンジェさんやランレイさんなどが巷ではシャイニングハーレム入りしていることになっている始末だ。

 

「果てはヴァールってかソフィアさんにマリーさんだぞ? 前者はまだしも後者はありえないって普通に分かるだろ! 何考えてんだネット社会!」

「見た目も実際も年が離れすぎな上に、そもそも既婚者ですからねーマリーおばーちゃん。まあ彼女についてはネタ扱いですけどー、他はまあまあガチっぽく語られてますねー。もちろんこのリーベちゃんもめでたく公平さんの愛人ですー! えへへ、愛しちゃいますー?」

「からかうなよ!」

 

 スマホでSNSを眺めつつニヤニヤするリーベ。完全に玩具にしてきているな、こいつ!

 頭を抱える俺に、アイがきゅうきゅう鳴きながら空を飛んで頭を撫でてくれた。ああ、癒やされる……

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― 新着の感想 ―
[一言] 光魔法が物質化できるのに山形ビームにできないわけがないんだよなあ、という理屈であるw ハーレムは……少なくとも伝道師と使徒の時点でアウトw
[一言] 手を出していなくても、頻繁におなごに囲まれているから、ハーレム呼ばわりされても仕方ないんだよなぁ
[一言] シャイニング山形くんボール、当然ビームなのでシャイニングしてますよね地味に。
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