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攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─  作者: てんたくろー
本編

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AIが芽生えた日

 そして次の日の朝。マジで徹夜して、やりたい放題遊んでた俺がそこにいた。

 宣言通りにゲームにネットに映画にと、とにかく見たいものやりたいものをやりまくってやったぜ。

 

 いやー、ピンピンしてる! 徹夜したのにびっくりするくらいどうもなくて、逆に不安になるくらいだ。テンションがおかしなことになったりとかですらない。完全にいつもどおりだ。

 眠くもなってないのはどういうことだろうね? それなら授業中、数字や化学式を見ただけで寝そうになってしまうのはどういう理屈なんだろう、謎だ。

 

「眠気すらないのは、やっぱり体力がめちゃくちゃ強化されてるってことなのかなあ」

『そりゃあそうですよー。単純にレベルが上がるだけでも強化されるのに、おまけに公平さんの場合、称号を手に入れる度に初称号獲得ボーナスが付いているでしょう? アレの影響も相当ですもん』

「ああ、あれか……一段階引き上げってのがよく分からないけど、こんだけ積み重ねてたら、そりゃあねえ」

 

 毎度毎度、称号を得る度におまけにくれるボーナスを思い返す。全能力に一段階の引き上げとかいうやつなのだが、これが案外、俺の超人化に拍車をかけているような気がしてならない。

 かつて歴史上、ここまで世界初の称号を獲得しているような人がいなかったため、このボーナスとやらがどの程度の代物なのかは誰にも判別ができない。分かりやすい数値化もできるわけじゃなし、本当にブラックボックスって感じだね。

 

 そうそう、今リーベと普通に会話してたけど、こいつも俺に付き合って徹夜してたりする。

 一緒にゲームしてはしゃいだり、アニメや動画を見て感想を言い合ったり。正直言うとめっちゃ楽しかった。過去1気が合う友だち付き合いしてた気すらする。

 

『友だち……リーベがですか?』

 

 徹夜してこんだけ遊んだら友達だろ、もう。

 レベル300を目指す理由が、お前を顕現させたい理由がもう一つできたよ。

 姿込みで現れたら、またこんな風にして遊ぼう。今度は脳内で感想や意見を述べるだけじゃなくて、一緒の空間で、同じ体験をして、違う想いを交わし合おう。

 それが友だちだって俺は思うしな!

 

『…………えへ。えへへ。嬉しいですー! 友だち! 公平さんと、リーベちゃん、友だちぃー!』

 

 照れた笑い声。友だちって呼んだこと、嫌がってないみたいで良かった。

 何のかんのと世話になってるし、良くも悪くも考えてることが割と筒抜けだしな。相棒みたいな立ち位置だよ、もはや。

 

 そんな風にリーベと語らいつつ居間に行く。朝一に母ちゃんが作ってくれるベーコンエッグとウインナー、サラダを白米で食べてコーヒーで一服。旨い。

 今日は妹ちゃんのお友だちが来るそうで、逢坂さんもいるんだとか。俺に会って謝るとか礼とかしたいから、家にいてくれと頼まれている。

 

 となればまだまだ部屋で遊べるわけだな、ひゃっほい! 明後日には隣県でダンジョン探査ツアーで、以降四日間は潰れるわけだし、今のうちに引くほどぐーたらしてやるぜぇ!

 

 ご飯も済ませて部屋に戻る。ゲームも一段落したし、そうだな……動画でも見るか! あ、せっかくだしポテチとかコーラとかコンビニで買い出しとこうかな?

 最寄りだと歩いて5分のところだし、こんな朝早くから来ないだろうし。もし来るにしても余裕で1km圏内だ、スキル持ちの逢坂さんの気配なら掴める。

 

 てなわけで早速コンビニへ。寝間着から私服に着替えてさっとお出かけ。

 外は雲一つない快晴で、ぽかぽかした陽気がなんとも5月って感じだ。いや、実際はまだ4月下旬だけども。

 

 歩いてすぐコンビニにたどり着く。適当にお菓子とジュースを、胃がときめいた物を見つけ次第カゴに入れていく。この時ばかりは金に糸目はかけない。これが俺の贅沢だ……!

 ポテチ、チョコ、ビーフジャーキー、おにぎり、サンドイッチ、コーラにお茶にサイダー、アップルジュース。

 食い過ぎだし飲み過ぎだ! 俺もそう思うけど、この、明らかに食いきれない量を買っちゃう背徳感がたまには良い。日持ちはするんだし、後日に残しておけばその時に食べるしね。

 

『うはー、すごい量ですねー。リーベちゃんも、顕現したら食べたいです。現代日本の食文化、好きですから! ──あ、公平さん。称号変わりましたよー』

「なんですと?」

 

 呆れつつも興味津々な様子のリーベから、また新しく称号を獲得したことを告げられる。

 今度はコンビニでお買い物中か、もう何でもありですねシステムさん。微妙な気持ちでステータスを見る。ちなみに梨沙さんとのデートからこっち、いくらかダンジョン探査をしているのでまた、レベルアップは果たしている。

 

 

 

 名前 山形公平 レベル138

 称号 輝ける日々、楽しめる君

 スキル

 名称 風さえ吹かない荒野を行くよ

 名称 救いを求める魂よ、光と共に風は来た

 名称 誰もが安らげる世界のために

 名称 風浄祓魔/邪業断滅

 

 

 称号 輝ける日々、楽しめる君

 解説 遊び、学び、勤め、食し、寝る。そうして過ごす日々こそが、あなたの何よりもの宝

 効果 日常生活時、肉体的な状態異常を完全に無効化する

 

 

 《称号『輝ける日々、楽しめる君』の世界初獲得を確認しました》

 《初獲得ボーナス付与承認。すべての基礎能力に一段階の引き上げが行われます》

 《……あなたが護りたいものは、あなたがいてこそ護られる。忘れてはなりません、あなたもまた、誰かにとっての当たり前なのです》

 

 

 ラップかな?

 しかしうーむ、システムさんの懐が広い。

 てっきり豪遊にストップでもかけられるかと思いきや、まさかの温かい称号と声音に、なんだか恐縮しちゃう俺だった。

この話を投稿した時点で

ローファンタジー日間、週間、月間1位、四半期4位

総合日間14位、週間11位、月間8位

それぞれ頂戴しております

本当にありがとうございます

引き続きブックマーク登録と評価の方よろしくおねがいします

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― 新着の感想 ―
[良い点] 待って何気にやべぇスキルきたw つまり重い病気なんて絶対罹らないし、風邪すら引かない上に食中毒とかにもならないって事では?? 最悪洗剤飲んでもケロッとしてるやべぇ人間が出来上がってしまった…
[気になる点] 他の方への感想返しで「寿命以外で死ねなくなります」とありましたが、「ね」から微妙に怖さを感じるのは気のせいでしょうか? ※「な」ではなく「ね」なのが… 怖ぁ…
[気になる点] 酒を飲んでも酔えなくなる?
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