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攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─  作者: てんたくろー
第二部・第八次モンスターハザード編

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精霊知能の私、強すぎ&かわいすぎで探査者界隈を席巻しちゃいますー!?

 香苗さんもエリスさんも、葵さんもそれぞれ帰っていって、俺もようやっとって感じで家に入った。

 なんだか最後までドタバタ感のある一日だった気がする。それもこれも急に転移してきた翠川が悪いよ翠川が〜。結果的にウィリアムズさんの危機に駆けつけることができたんだから、そこは間違いなく幸運な偶然とは言えるけどね。

 

「たっだーいーまー」

「おーかえーりー」

 

 玄関入ってはい、ただいま。今日は母ちゃんは休みで、居間から返事が返ってくる。

 気配感知からするに、リーベは外出中みたいだ。まあ、いたら間違いなくさっきの門前のドタバタに顔を出してはしゃいでいただろうし。

 

 ダンジョン探査かな?

 あいつはあいつで、俺とは別行動で新人探査者としての活動を始めていたりする。同期の人たちとパーティを組んでいるらしく、そこにおいては神っていうかリーベ様、みたいな扱いを受けているそうな。

 まあデビュー時点ですでに相当な実力だからな、あの子。たしかこないだドヤ顔で見せつけられた探査者免許証においては──

 

 

 名前 リーベ・山形 レベル420 ランクF

 称号 癒し手

 スキル

 名称 医療光粉

 名称 破砕光粉

 名称 飛行

 名称 気配感知

 名称 防御結界

 

 称号

 名前 癒し手

 効果 治療系スキルの効果に補正

 

 スキル

 名称 医療光粉

 効果 肉体再生効果を持つ鱗粉を放つ

 

 名称 破砕光粉

 効果 物質破壊効果を持つ鱗粉を放つ

 

 

 みたいな。F級としては破格極まりないステータスをしているのだ。

 異常さで言うとぶっちゃけ、F級当時の俺より酷い。ポエミースキルこそないにせよ、レベルの高さと《医療光粉》《破砕光粉》が異彩を放ちまくってるからね。

 

 しかもこれに加え免許証には記載してないけど、《空間転移》まであるわけで。さすがにこのスキルは同期相手にも見せてないみたいだけど、あいつのことだし必要な事態になったら躊躇せず使うんだろうな。

 とまあそんなわけで、"精霊知能の私、強すぎ&かわいすぎで探査者界隈を席巻しちゃいますー!? "みたいなラノベの長文タイトルみたいなことを喚いて調子に乗りつつの探査者活動をしているわけだ、彼女は。

 

「ういーお疲れー」

「はいお疲れ様ー。手洗いうがいしなさいよー」

「うぃ〜」

 

 居間に入るやいなや、お母様からの指示が飛ぶ。外出からの帰りだからね、消毒はしっかりしないとね。

 言われるがままに洗面所にて手洗いうがいをして、それからまた居間へ。母ちゃんはのんびりとお煎餅を齧りつつテレビドラマをご視聴中だ。

 

「きゅうきゅう」

「アイもそこにいたか、ただいま」

「きゅ! きゅきゅきゅうー!」

 

 膝元にはちょこんとアイが座って、ちいさな身体全体で煎餅を抱きかかえながらポリポリと齧っている。それでいて俺の言葉に反応すると、こちらを向いて右前脚を振ってくるんだから堪らない。

 なんと平和な光景だ。特にアイの姿は動画で配信すれば間違いなくバズると思う。たしか今月末あたり、いよいよWSOがこの子についてと、組織のマスコットキャラクターに据えることを発表するそうなので、そこから一気に火がつくかもしれない。

 なんせかわいいからねーって、これはたぶん親の欲目だな。

 

「リーベと優子は?」

「二人揃ってどっか出かけたわよ。あんたが出かけてからすぐだし、そろそろ帰ってくるんじゃない?」

 

 一応妹ちゃんのことまで含めて確認すると、俺の予想も外れていて二人してお出かけしてるみたいだ。

 もうじきってか、あと3日で優子ちゃんの誕生日だしその関係だろうか? 春先にほしいとか言ってたバッグについて、あるいはリーベがさり気なく確認してくれているのかもしれない。

 

 その辺は帰ってきた時に確認しようか、と思いつつ俺は自室へ。気が抜けたのかまた疲労感が出てきた。案外しつこいなこの疲れ。

 空間転移を短期間に複数回発動したのと併せ、やはりバグスキルの封印とエリスさんの治療が相当キたみたいだ。

 神魔終焉結界のサポートのおかげでどうにかこの程度で済んでるけど、仮にサポートなしの状態だったとしたら……気がついたら探査者病院のベッドの上、なんてこともあり得たかもしれない。

 

『人間の身でやるよねえ公平も。おかげで結構面白い見せ物だったけどね』

「完全に観客みたいだなお前。別にいいけど」

 

 脳内にてアルマが、これまた他人事感全開なことを言う。

 こいつからしてみれば俺やみんなの奮闘も、特等席から眺める映画のシーンみたいなものでしかないんだろう。そりゃ娯楽扱いするわな。

 楽しげな声色に若干イラッとしつつも、まあこればっかりは仕方ないと納得しつつも階段を登る。その間も身体の気怠さはやはり、継続して俺を蝕んでいる。

 

「うー怖、怖。怖ぁ……」

 

 必要だったとはいえ無茶なことしたもんだよ、と俺はぼやきつつ自室に入った。さっそく服を家用のものに着替えて、ベッドに潜り込んで人心地つける。

 瞼を閉じるとなんか目眩が。ああ、暗闇の視界がグルグル回るー。これあっという間に寝ちゃうやつだ、そういうの分かっちゃう。

 

「ん……駄目だこれ、寝る……」

『ご苦労だったね。ゆっくり休みたまえ、おやすみ』

「ああ、おや、すみ……」

 

 アルマの、どこかからかうような声を受けつつも。

 俺は暗闇の微睡みに身を委ね、夢の世界へと船を漕ぎ出した。

ブックマークと評価のほう、よろしくお願いいたしますー


【ご報告】

12/2に発売されます

「攻略!大ダンジョン時代 俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど」

2巻の特典についてご報告いたします!


各書店様の特典はそれぞれ

・佐山の日常

・関口の昔日

・逢坂の不安

の、3種類となっております!


また電子書籍特典はマリアベール視点からみた山形についてを描いた前日譚になっています!

基本山形視点の本編なため、他キャラ視点での話が読めるのは概ね特典関係ばかりですので、興味がお有りの方はぜひぜひ、お求めくださいませー


現在サイン本、書籍版、電子書籍版の予約も行っておりますので、

作者てんたくろーのTwitter(@tentacle_claw)

もしくは

PASH!ブックス公式Twitter(@pashbooks)

をご確認くださいませ!

よろしくお願いいたします!

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― 新着の感想 ―
[一言] レベル420のF級……同期のパワーレベリングはいかんよ? どんな探査風景なのか……。
[一言] そういや飛行やら鱗粉やらの時に羽出し要らんのかね さすがにアレ出して人種言い張るのは無理があるような
[一言] 結局のところ本体はコマンドプロンプトそのもので、そっちはそっちで動いてると思うんだけど、山形公平から本体の方動かして因果改変とか出来ないのかな? やっぱ人間世界のことは人間の範囲でってことか…
感想一覧
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