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攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─  作者: てんたくろー
年末編

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2209/2232

実は彼らも試験官でしたー

「特にいくらかの創造神の反応は劇的を通り越して苛烈でした。賢者達の議論する評議会にわざわざまとまって降臨し、以後の考察を認めぬ旨を述べたばかりか即座に委員会関与の概念存在を捕らえるよう、いつになく厳しい調子で言ってきたのですから」

「怖ぁ……でもそうなるよな、うん」


 とうとう概念存在側のほうでも、委員会の中核たるモノ達の正体が巣立ちの試練である可能性に気付き始めた。

 一部の知恵者達が議論と考察を重ね、ついに真実の一端に手を届かせ始めたんだね。


 そしてそれを受けて、創造神達はすぐさま動いた。即座にその議論の場に複数体で姿を表し、これ以上の追及をしないことと同時に今なお委員会に関与してると思しき概念存在を、軒並み捕らえて確保せよと命じてきたのだと言う。

 織田をして苛烈とまで言わせるほどかと思うけど、実際そのくらいの行動に出ても仕方ない流れではある。創造神達としては想定もしてなかったんだろうな、実際。


「創造神達がどれだけのことを把握してるかは知らないけれど、その様子からだとたぶん、委員会が試練そのものだとは想定してなかった可能性はあるな。察するに巣立ち絡みなのは勘付いていたけど、まさか今現在において発生しているはずもない試練プログラムの可能性があるとまではさすがに思ってなかったか」

「さすがのご慧眼ですね。まさにそのとおりだと、降臨直後に私を捕まえて取り囲んだ際にかの神々は仰っていましたよ。なんならあなた方システム領域とのパイプ役であることから、やたら詰問さえされたほどです。"貴様何をどこまで掴んでいた! システムどもの魂胆はどこにある!? "とね。大変な剣幕でしたよ」

「えぇ……? な、なんかごめん」

「いえいえ。私とてもちろん正直に何も知らなかった、そもそも巣立ちのプロセスについても詳しいところは聞かされていないと答えれば、それをもって渋々納得していただけましたよ。あまり強引に詰めて、私とつながりのあるあなた方の怒りを買うことのリスクを恐れたようですね。ククククッ!!」


 愉快げに肩を揺らして笑う織田──オーディン神だけどこちらとしては居た堪れない。

 彼を成り行きからでもこちらと向こうとのパイプ役にしたのは他ならぬ俺なわけで、つまり俺のせいでこの神、さらなる上役達に囲まれて詰められた形になるし。


 しかし一方でその詰めた側、創造神達もそこまで無体な真似は憚られたようだ。織田に危害を加えると、彼と友好関係にあるシステム領域が動きかねないのを危惧したな。

 いずれにせよ創造神は一連の流れをもって、ことが巣立ち絡みであるうえ、現時点では絶対に起きていてはいけないモノが起きているという致命的エラーに該当するトラブルだと知ったわけだ。

 それを踏まえての彼らの動きを、織田はソーセージを食べワインを飲みながら語ってくれた。


「委員会関係の概念存在の身柄確保を指示したことからも察せますが、創造神達は完全に委員会ならびにシステム領域、ひいては大ダンジョン時代そのものから概念領域もろとも一時的に手を引く構えです。"パイプ役たる北欧以外は以後、事態の終息が確認できるまで現世に手出しするべからず"とね」

「当然だな。下手に干渉しようとすればするほど、将来的に巣立ちがめちゃくちゃになりかねない話だ……自分達自身も巣立ちのプロセスの一つである彼らならば、絶対に深掘りできないだろう。何よりそれ以上深掘りしたらしたで、彼らも介入する権利を失う」

「そのようですね。巣立ちにおける試練の一つ──創造神クラスの神々がその役を担っているというのは初めて知りましたが、そうでなくともこれ以上委員会を探れば探ったで、我々に打つ手はなくなっていたでしょう」

「……創造神様方が……す、巣立ちの試練……?」


 創造神側の立場、ある程度のところまでは今回の件で聞いたんだろう織田が話すのに応える。その傍らでイヴさんが、青褪めた表情で小さくつぶやくのを見た。

 言ってはなんだが戦乙女クラスでは知らないか、こんなことは。巣立ち自体は知っていても、その仔細など知る由もないのが一般的な概念存在の常だしな。


 そう、創造神達も巣立ちの試練の一つだ。委員会が推定そうであるように、前に話した星の端末機構やソラのトバリ、ケイン・ソウルがそうであるように。

 "概念領域をも超えて行こうとする超越者に対し、世界の真実を教え言祝ぐ"──そんな役割を担うプロセスをも担っているのだ。


 だからこそ今回の件は心底から驚いたんだろう。彼らも当然、今の現世地球がまだまだ巣立ちには程遠いと知っているがゆえに。

 加えてシステム領域についても知っているからこそ、この事態に際して過剰に近い反応を示したのだ。いつまでも概念領域のモノを関わらせていると、下手をすると巻き添えを食って粛清されかねないってさ。


「創造神的には、意志を持ったシステム領域なんてのは目の上のたんこぶも良いところ。目障り極まりないけど決して無視もできなければ蔑ろにもできない」

「そのようですね。ゆえにここまでの反応をしたのでしょう。そしてことは正しく起こされ、委員会から概念領域は完全に手を引きました……創造神達からの言伝です。"委員会には関与しない。後はそちらで対処しろ。それから妖怪への現世排斥誓約はさすがにやりすぎだ、もう少し緩和してくれ"とね」

「しれっと対価を要求してきた! いやまあ、さすがに厳しすぎたかな、アレ……」


 パイプ役である都合、概念領域側からのメッセンジャーでもあるオーディン神からの創造神の言伝。

 まあもののみごとに芋を引いたな。面倒な連中が片付いてあとは委員会の本丸だけになるのでそれは結構なんだけども、ついでに要求してきた対価のほうに俺は頭を掻いた。


 倶楽部騒動の際、妖怪達に課した制裁──《妖怪は今後、探査者に関係するあらゆる物事に介入、干渉しないことを誓う》という誓約。

 それについてやりすぎだと抗議が入ったんだね。

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― 新着の感想 ―
これは愛知さん、委員会との決戦時に戦力外の危機!?
2026/10/16 20:36 こ◯平でーす
 なんにしても⋯  冬休みの出足からやっぱり予定を潰される山形くん。このまま始業式までフル出場な予感が⋯  正月ぐらいはゆっくりしてほしいものであります。
直前で城に引きこもったアガレスさんセーフ! 織田さんにとっては面倒な上司達に詰め寄られた事より、苦虫を噛み潰すしかなかった状況にさぞ好奇心を満たされて面白かったでしょうね〜。 あと宮崎さんや愛知さんづ…
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