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攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─  作者: てんたくろー
年末編

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オーバーロード・ハートライヴス

「インターフェイサーについてのお話はこれで今日のところはヨシ、としまして。パイセーンパイセンパイセン、実はこっちからも聞いてほしいことがあるんですよパイセンパイセンパイセーン」

「何かな急に!?」


 本日の予定とか、話すべきことを大体話し終えたので良し良しと、少しばかりの達成感とともに満足してうなずく俺にガムちゃんが急に連呼してきた。

 何かな!?


 この子ってば、よっぽどパイセンって呼び方が気に入ってるのかしらことあるごとにそう俺を呼んでくるのが特徴的だよね。まあ先輩扱いなんてくすぐったいんだけれど、不思議とガムちゃんからだとすんなり受け入れてしまうから不思議だ。


 これも人徳ってやつかなと、小生意気な小悪魔系覇王忍者ちゃん様を見る。

 ニヤニヤと不敵な面構えでやはり笑みつつも、彼女は続けて言ってきていた。


「何を隠そう私らおかし三人娘が創る、新たなクランについての話ですよ。ていうのもついにこないだ認可もおりて、ぼちぼち動き出してる段階でしてね。相談に乗ってもらったんでパイセンには、まずいの一番に報告しとかなきゃと思いまして」

「あ、できたんだ? 早いね、ってかマジで早い!? そんなすぐできちゃうもんなの、クランって!?」

「書類とメンツさえキッチリしてたら割合すぐでしたよ。全探組ってお固い組織ですけど、そのぶんこっちがしっかりしてると手堅く対応してくれるみたいですね」

「お役所的だぜェ」


 彼女からの、おかし三人娘からの話ったら目下のところ新クランについての話しかないもんで、たぶんそこだろうと当たりはつけていたものの……もう創っちゃいましたはさすがに早すぎて予想外だ。思わず目を丸くする俺ちゃん。

 たしかに前聞いた話だと、もうクラン構成に足るだけのパーティは用意していて後は書類だけ〜みたいなことを言っていたけど、そこからこの短期間でもう創設まで漕ぎ着けちゃうものなんだな。


 ガムちゃんも多少、予想外だったのか迅速な全探組の動きを苦笑いしながら語る。シャーリヒッタが茶々入れするように、たしかにお役所感はあるな、この施設のスタッフさん。

 まあ、話をあっちこっち多数の部署にたらい回しにしたりして一向に進展しない、なんてよりははるかにマシだろう。そのへんはさすが探査者組織、何事もスピーディが鉄則ってことなんだろうね。


「それで今回、そんないよいよ野望の海へと漕ぎ出した我が覇王忍者クランについて改めてパイセンには名乗らせていただこうかなって。まあそれだけですね、具体的にはまだほとんど活動してないですし」

「構成パーティのみんなで集まって、軽くお菓子パーティーしたくらいだものね〜」

「うんうん、楽しかった! みんなガムちゃんの熱意に圧倒されてたけど、最後にはなんだかよーしやるぞー! ってなったし!」

「当たり前ですね、覇王忍者ですから。溢れ出る覇王のオーラとシノビのカリスマは、ともに肩を並べて進む者すべてを鼓舞して覇王忍者の覇道へと導くものなんですよ、ふっふっふ」

「なんかよくわからないですけどー、すごい自信ですねー」


 クランとしてはまだ、メンバーで集まって決起集会を開いたってところらしい。まさに生まれたての、フレッシュな新人クランの光景だね。

 そのなかでもやはり覇王忍者ガムちゃん様の覇王忍者としての矜持、カリスマは威光となって面々を励ましたそうな。得意げに笑う御本人様の姿はぶっちゃけお笑い寸前なんだが、そうとばかりも言ってられない説得力もあるんだよね。


 というのも、カリスマについてはじんわりとながらマジで放ってるからだ。魂の圧、無意識的にでもわずかにでも漏れ出ているね。

 覇王たる者としての自覚ゆえか? 思い込みってのは時に強い力をもたらすからな。それがたとえ子供が嘯く夢見でも、本心から貫き続ければ魂が応えることは時折、なくはない。


 まあ、元よりこの子の器は大したもんだから、やはり才覚があったってことでもあるかもしらんけどね。

 この調子でガムちゃんは、周囲の人々さえ巻き込んで盛大に覇王忍者の道すなわち覇道を突き進まんとするのだろう。


 個人的に彼女を、おかし三人娘を応援する身としては今後の活躍がますます楽しみだよ。

 と、そうだ。本格的に立ち上がったクランならば、ぜひに聞かせてほしいことがあったんだ。挙手とともに、三人へと問う。


「それじゃあ、もうクランの名前も決まったんだね。よければ教えてほしいかな、気になってたんだよこないだから、結局どうするつもりなのかってさ」

「そうでしょうそうでしょう! もちろんもう名前だって確定してます、パイセンも今こそ耳に心に胸に魂に刻んでいってください! 新たな時代を切り拓く、これぞ覇王忍者のクラン名です!」

「三人であーでもないこーでもないって話して、最後にはこれだ! って決めた、私達みんなを示す名前!」

「いろんな人達に支えられてここまで来た、感謝と敬意だって込めました〜」


 高らかに胸を張ってガムちゃんが、どこまでもさわやかにチョコさんが、そして微笑みたおやかにアメさんが声を揃えて名乗る、その名。

 新たなクラン。おかし三人娘がこれからの時代を生きていくための組織。そこに込められた、正しき野心と誇るべき友情と敬すべき感謝の念。


 そして俺は知る、その名を。

 半年かけてついにここまで漕ぎ着けた、偉大なる後輩三人達の新しい姿を!


「────"オーバーロード・ハートライヴス"!!」

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― 新着の感想 ―
そろっと追記失礼します〜。 クラン設立が普通の人でもできそうなお役所仕事でしたけど、逢坂さんも以前希望してた内勤側(WSOも含めて)ってステータスないとできないようなのってあるんです〜? 新ダンジョン…
野望の海へと漕ぎ出したと言っても太平洋まで行く気はなさそうなクラン名(つまりまともという意味)
2026/10/10 18:35 こ◯平でーす
まずいの一番に報告しとかなきゃ まずい〜、もう1杯〜(古いか) 全探組って仕事早かったんですか〜(光る人のA級昇進はめちゃくちゃ渋ってるのに) 忍ぶものがカリスマ溢れさせちゃダメなんじゃ·····覇王…
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