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攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─  作者: てんたくろー
年末編

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ハイテンションなのを指摘されるとスンッ……てなるよね

 いつものクラスメイトのみんなと、焼肉店近くの商業施設にやって来たよ。普段めったに行かないところだもんで、俺ちゃんなんだかワクワクドキドキ不審者山形くんだ。

 ここの施設は結構規模が大きくて、車道を挟んでエリアが二つあるうえにそれぞれに北館だー南館だーといろいろ建ち並んでいる。


 そのいずれもに複数のお店が参入していて、適当にうろついてるだけでも時間潰しにはなりそうな勢いだ。

 今回、まずはゲームセンター屋さんに向かうことにするよ。学生ならマストというか、ウィンドーショッピングするにも焼肉が待ってるのにアレコレ買い込んだりはしてられないからね。

 もちろん遠野さんじゃあるまいし、フードコートで食事なんてのもなしだ。


「久しぶりに来たぜ、このゲーセン。クレーンゲームもいいけどレースゲームとかもやるか? メダルゲームもあるぞ」

「クレーンゲームは景品が嵩張りそうだし、どうかしら? 音ゲーとかもあるならそっち、やってみてもいいかもだけど」

「小物系の景品ならやってみるのも良いんじゃないかな。それに取れるかどうかも分からないだろ、山形ですら難しがったんだし」

「俺ぇ? いやまあ、クレーンゲームって意外と奥が深いもんね。探査者としてレベルも高いからって思ってたら、てんで通用しないんだから世間は広いよ」


 少し歩いてやってきましたゲーセンさん。入ると店内BGMやら各種ゲームから流れる効果音やらメダルの音やら、はたまた客同士のやり取りなどでなかなかに盛り上がりを見せているよ。

 あれこれゲームを見ながら友人達とお話するんだけど、やっぱりみんなこのあとの焼肉を意識するもんでクレーンゲームはあまりしない方向性だね。


 特に俺なんてのは一応探査者ですから、クレーンゲームとか簡単に何でも取れてしまう……などと思い上がっていると大変な散財につながってしまうから注意だ。

 いくらレベルが高くて身体機能が非能力者の何十倍だったとて、結局動かすのは例のクレーンアームな以上はたいして役に立つはずもない。


 春先の梨沙さんとのデートとか、いつもの友人達との遊びとかでちょくちょくその手のゲームをするものの、毎回新鮮な苦戦が待ち構えているからなかなか楽しい。

 無論、コマンドプロンプトとしての演算能力を活かせば問答無用で即座に取れるんだけど、それは一言で表すが野暮だろう。

 チートに頼ると楽しみがなくなる場面もあるのだ。そこのところは個人的に常々、気をつけたいと思うところではあるよ。


「よーし、じゃあ俺はレースゲームするかな。片岡、山形来いよ! 今日こそ誰が一番の走り屋か決めようぜ! ま、俺が最速に決まってるけどな!」

「ふふん? 嘯くじゃないか松田、分かってるだろうが俺もレースゲームには結構ハマってるんだぜ。ここについては山形だって負けちゃいないさ」

「おやおや、自信ありげだね二人とも。でも俺だって負けちゃいないよ、こないだも従兄妹の兄妹と鎬を削るデッドヒートを繰り広げたところだもの。そして普通に勝ったもの」

「変なところで負けん気出すよね三人とも。ていうか山さんまで乗っかるなんて、地味にテンション高い?」


 松田くんがおもむろに、俺と片岡くんに走りで勝負を挑んできた。当然受けて立つ俺達が、それぞれトラッシュトークってほどでもないけど自信のほどを語ってみせる。

 そうとも俺ちゃん、先だっては従兄妹のリューさんと春香相手にバッチリ快勝したりしたんだよ。そんな俺がそうむざむざと後れを取るわけないんだもんね。


 急に男の勝負的なテンションになり始めた俺達男子勢に、木下さんが呆れも露わにツッコミを入れた。特に俺が地味にテンション高いねって指摘をしてきてちょっと恥ずかしいんですけど。

 自覚してない昂りに、第三者から言われて気付くのはなかなかにこっ恥ずかしい……仰るとおり、焼肉前の遊びということで知らず知らずにはしゃいでいたみたいだ。


 思わず顔が熱くなる、そんな俺に梨沙さんも微笑みかけてきた。

 なんだろう、その聖母のごとき笑顔は。あらあら仕方ないわねこの子はうふふ、みたいなセリフさえ飛んできそうな美しい笑い方じゃないか!


「ふふ、公平くんってばかわいい。そうだよね、探査だけじゃなくて遊びにだって本気だもんね、いつも」

「い、一応学業も本気の本気です、はい」

「そんなふうに年相応っていうか、子供らしくはしゃいでる姿、私も好きだよ。探査者としてすごくてカッコいいけど、でも公平くんの日常はここにあって、私の傍にいるんだなって思えるから。あはは、私ももしかしたらテンション高くなってるかも!」

「梨沙さん……」

「今日は打ち上げもあるし、一緒にいっぱい遊ぼ! まずはレースゲーム、カッコいいとこ見せてねー!」


 ……いつぞや。それこそ春のデートの時に帰り際、言ってくれたことを思い出す。

 "俺の日常になりたい"。この子や友人達はそんな想いを胸に、ずっと近くで俺を見守り支えてくれているんだ。


 つくづくありがたいよな、本当に。

 ほとんど人生初の友人がこの人達で良かった。一緒の学校、一緒のクラスになれて良かったよ。

 心の底からそう思う俺だった。

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― 新着の感想 ―
クレーンゲームはアームの握力次第なところもあるから。 ひどいところだと絶対に取れないような緩々アームもあるし。(警察に言えば、詐欺罪になる場合もあるレベル。) 私の場合、普通のクレーンゲームなら確実に…
このレースに勝ったら次回のレースの相手は母方の親戚かな?手強そう……
2026/09/07 18:22 こ◯平でーす
アームパワーは確率つまりガチャなんだから取れるわけないだろいい加減にしろ! 狂信者になって久しい望月さんのバブりおぎゃりたい成分をすっかり佐山さんが受け継いじゃって····。゜(゜´∀`゜)゜。
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