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攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─  作者: てんたくろー
年末編

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物置部屋の整理整頓はこまめにしよう!

 自室にて荷物を下ろして私服に着替え、ワームホールからいくらかお菓子を取り出す。ぜんぶファミリー用の大袋だ。

 えーっとチョコは基本としてチップス系、クッキー、ビスケットをいくつか、と。このくらいかなーあんまり食べ過ぎるのもちょっとだしね。


 これらを抱えて階段降りてリビングへ向かう。へへへ、なんかウキウキしてきたぞ。やることやってのんびりする午後のひとときは最高なんだ。

 ましてやそれがおやつとお飲み物も添えてだとなおのことだ。家族との団欒はもちろん、シンプルに余暇を存分に楽しめるのが嬉しいんだね。


「きゅっ、きゅっ、きゅーう! きゅう、きゅう、きゅーっ!」

「アイもご機嫌だなあ。ちなみに今日、なんか変わったことあったりした?」

「きゅー? きゅうきゅう、きゅう」

「いつも通りかあ。何より何より、平和が一番ですともよ」

「きゅっ」


 頭に乗っかって歌う、アイもはしゃいでいてまあ可愛いことだよ。

 俺が帰ってきたことに喜んでいるのもあれば、お菓子と飲み物にありつけるからって楽しみにウキウキしてるのもあるんだろう。


 この子がうちに来てまだ数ヶ月だけど、相当この家に慣れて俺達にも懐いてくれて良かった。

 元はモンスター、元は邪悪なる思念の欠片といえど今では立派な一つの命。赤ん坊なんだからストレスなく過ごしてほしいもんね。


 WSOマスコットとしての人気も控えめに言ってうなぎのぼり。まあ例の陰謀論的界隈さん達も盛り上がってはいるものの全体的に見れば概ね、社会に受け入れられる土台づくりの第一歩は力強く踏み出せたと思う。

 すべてはここからだ……何十年かけてでもアイの存在が、人々や社会にとって害のないものであることを示していく。俺達の誰もが失われた後でも、きっとのびのびと世界を飛んでいけるようにしていきたいもんだよ。

 そんなことを考えながら、リビングへと向かう。


「ほーい家族達よ、おやつ持ってきたぞーう」

「こっちもぼちぼち用意できますー。公平さんコーヒーですかー?」

「コーヒーで頼むー。砂糖とミルクは多めにねー」

「はーい」


 そして部屋に入るなりリーベからの質問だ、問題なく即答する。

 俺ちゃんってばコーヒーはブラックでも全然いけるアダルティ山形くんなわけだけど、今日の気分は砂糖とミルク多めのスイーティ山形くんなのだ。


 テーブルにおやつを置いて、袋を開けて広げていく。細かく人数ごとに分量を分けられなくもないけどそこまではまあ良いだろ、人によって食べたいだけ食べれば良いんだし。

 少なければそれこそ追加でワームホール開けばいいだけだからね。ソファから立ち上がってこっち来た母ちゃんも椅子に座らせ、俺も座る。アイも専用椅子にちょこんと座ったよ。


「あんた、相変わらず隠し持ってるわねーいろいろ。部屋の掃除で立ち入った時には見当たらなかったのに、何? クローゼットにでも隠してるの?」

「もっと完全なところだよ、俺専用の保管庫みたいなところがあってそこにワームホールつなげて出し入れしてるんだ。食べ物だけでなくモンスターの素材とか日用品とか防災グッズとかもまとめて置いてるよー」

「便利ねえあんた、つくづくと……でもどうせその保管庫とやらの整理整頓は適当でしょ。たまには掃除とかもなさいよ」

「ギクッ……は、ははは。まあまあ、それはそのうち、おいおい、近々にでも」


 絶妙に痛いところを突かれた、さすがはマイマザーだ息子の気質をよく理解していらっしゃる。

 そう、データ領域内の俺専用保管庫にはいろんなものを放り込んでいるわけなんだけど……整理整頓ってあたりは実はあんまりしてなかったりするんだよね。

 特に何かしら事情があるわけでもない、完全に面倒くさいためだ。


 一応、物品の種類ごとに区画は決めて置いてるんだけどね? その区画ごとの中身、さらなる分類とかは適当極まりないってたけではある。

 あるんだけど、コマンドプロンプトとしての性根で言えばどうせならもうちょい綺麗に整理したいというのも事実。というわけでちょうど年末だし、大掃除がてらやっちゃおうかなーとはこないだから考えていたのだ。


「まあ、とりあえずは明日に迫った期末テストを乗り切るところから始めるよ……と。きたきた」

「お待たせだぜェ! コーヒーにジュース、お待ちだぜー!」

「コーヒーは私が用意したからありがたく飲んでね、特に兄ちゃん!」

「インスタントの粉末にお湯を注いだだけではありますけどねー……でも愛情はたっぷり、たっぷり! でしょー!」


 話し込んでる間に用意ができた、リーベと優子ちゃんとシャーリヒッタが飲み物を持ってやってくる。

 俺と母ちゃんはホットコーヒー。他三人とアイはコールドジュースをそれぞれコップに注いで持ってきたのだ。もちろんこっちもおかわりあるよ、台所にコーヒーの粉とジュースのペットボトルがまだ残ってる。


 んでもってみんなして着席して、さあ呑気なティータイムだ。父ちゃんだけ仕事で除け者みたいになってるのは気の毒だけど、まあ父ちゃんは夕飯後のお酒タイムがあればいい人だしそれはそれだね。

 とにかくも、かくしてテスト前日の午後を俺達山形家はのんびり、ゆっくりと甘味と飲み物を堪能して過ごしたのだった。

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― 新着の感想 ―
コーヒーとジュースでティータイムとはこれいかに(別に気にするようなことじゃない)
2026/06/04 22:33 こ◯平でーす
プロンプトだもの、空間収納の中はオートソートですよね?(邪悪な微笑み)
映画では道具をぶちまけるドラえもんだって年1回は道具の整理をするというのに・・・これだから山形君と言ったら。
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