表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─  作者: てんたくろー
年末編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2025/2043

適度な運動は気分転換に良いらしいよ

「そうだ、コマンドプロンプト。せっかくの都市観光を前になんですが、お会いいただきたい精霊知能がいましてな」

「うん?」


 リクライニングスペースでのちょっとした歓談のあと、じゃあちょっくらこの近未来都市でも拝見してから帰るべーってテンションになった俺ちゃんはじめ一同。

 そこに待った、とまではいかないものの制止の声をあげる者がいた。精霊知能統括担当アフツストその人だ。


 ダンディで紳士的なスーツ姿のおじいさん。そんな彼は穏やかに笑みながらも俺に会わせたい精霊知能がいると言う。

 なんじゃらほい? シリアスな感じではなさそうだけれど。


「というかシャーリヒッタ、お前が先にこれを言い出すべきだったと思うのだがな……バグフィックス担当、および現在はシャーリヒッタに代わりワールドプロセッサの補佐役を務めているヌツェン。彼女にもどうかお声がけしてやっていただきたく」

「あー、ヌツェンかァ。忘れちゃいなかったけどよォ、オレはてっきりワールドプロセッサんところで見かけるかとも思ってたんだぜ。あいつオフィスかァ?」

「いや、休みだな。現世地球の日本に合わせて週休二日にしているため、彼女も今日は休日だよ。そこを私が呼び出している。御方の補佐役に代行でも収まったのだから、コマンドプロンプトにご挨拶をせねばならんぞ、とな」

「えぇ……?」


 ヌツェン……元来の役割は世界においてバグが発生した時に対応するバグフィックス役の精霊知能だ。大ダンジョン時代発生以降に誕生したもんで、まだまだフレッシュさのある新人さんだね。

 そんな彼女は夏頃の倶楽部案件において、翠川の《座標変動》、青樹さんの《次元転移》、火野老人の《玄武結界》などのバグスキルの剥奪に大いに貢献してもらった。頼れる子だよ。


 なんだけども本人はすごく真面目で誠実な子で、それゆえにバグフィックスの結果生まれたスキルが俺達と相対したことをずいぶん気にしたみたいだった。

 それゆえ自発的に申し出て、現世に出向することになったシャーリヒッタの代行としてワールドプロセッサの補佐をも務めるようになっているのが今、というわけだね。


 俺としてもそのうち、機会があれば会って労いの言葉一つは掛けさせてもらえたらなーって思ってたけど、アフツストがその場をセッティングしてくれたのは助かる。

 ……休日に呼び出して、ってのが若干こう、ブラック感あるからそこは怖いんだけどね。いやまあ、システム領域に本来休みなんて概念はないから、休日たってどこまでも精霊知能達による"現世ごっこ"の一環でしかないから問題はないんだけども。


「実際、彼女はよくやってくれています。さすがにシャーリヒッタの実務能力とは比較するほうが酷という話ですが、ワールドプロセッサによる世界運営を補佐するという点では十分に働けている」

「ヌツェンちゃん真面目ですからねー」

「新世代の精霊知能についてはあまり知らんが、倶楽部の時に見かけた彼女はたしかに有能な気配があったな。さすがにコマンドプロンプトを前にしては狼狽しがちであったが」

「うむ。というわけでそんな彼女にぜひともコマンドプロンプトが直接お声がけくださればと思ったのだ。御方からの言葉があれば、ヌツェンもさらにモチベーションを高めてくれよう」

「そ、そうかなあ……いやまあそういうなら喜んでするけど」


 正直、俺が声かけたからってヌツェンに何が起こるとも思わない。あの子はそういうの関係なしに仕事をキッチリできる素晴らしい精霊知能なんだし。

 そもそも俺の言葉にそんな権威とか見出されても困る。ワールドプロセッサの対である自覚こそあるけど、根本的には俺もあいつも精霊知能も等しく単なるプログラムだ。


 本当は意志も人格も魂もないのが、邪悪なる思念の襲来という信じがたいトラブルによって発生しただけのものが俺達なんだ。

 だから本来、権威や立場の上下なんてないんだけどねこの領域には。これも現世の影響を受けたゆえの変化だろう、興味深くもあり、ちょっぴり怖ぁ……ってなったりしちゃうよね。


 まあ、とはいえせっかくのことだ。ヌツェンもすでに呼び出されているというなら彼女にとっての休日、無為に過ごさせるのも悪い。

 というわけで俺達は動き出した。さっそく彼女に会いに行くのである。


「で、ヌツェンはどこに? どっかで待ち合わせなんだろ?」

「ええ。このビルを出てすぐ近く、精霊知能が休日によく使うスポーツ施設に来てもらっています。彼女は休みとなるとよく、同僚や友人を伴いあそこで身体を動かしていますので」

「そ、そう……それも現世ナイズ的なアレ?」

「ですな。受肉していませんので当然汗の一つも肉体的損傷ないし疲労もありませんが、身体を動かす感覚や試合形式で競い合うというのは体験として悪くないと人気上々です。様々な種目があの施設で行われていますよ」


 陽キャかよ。休みの日にまで運動とかよくやるわ……という言葉が喉まで出かかったのをぐっと堪える。

 陰キャ山形くんとしての所感は今は置いといて。コマンドプロンプトとしてもそれなりに興味深い話を自分のなかで噛み砕く。


 まあ、精霊知能もいろいろいるから。現世に影響を受けてデータ上だけでもヒトの形を得たからには、体を動かしたくなるものなのだろう。

 しかしシステム領域、どこへ向かっているんだろう。悪い方向でないのは分かりきっているけれど、これもこれで未知なる未来を突き進んでるなあって気持ちになっちゃうよね。

「大ダンジョン時代クロニクル」

https://ncode.syosetu.com/n5478jx/

第二部・第二次モンスターハザード後編─犯した罪に、等しき罰を─

完結しました!第三部は2026の盆から!

よろしくお願いしますー



「大ダンジョン時代ヒストリア」100年史完結しました!

https://ncode.syosetu.com/n5895io/

よろしくお願いいたしますー


 【ご報告】

 攻略! 大ダンジョン時代 俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど

 書籍版、コミカライズ版併せて発売されております!


書籍

 一巻

 amzn.asia/d/iNGRWCT

 二巻

 amzn.asia/d/aL6qh6P


 コミック

 一巻

 amzn.to/3Qeh2tq

 二巻

 amzn.to/4cn6h17

 三巻

 amzn.asia/d/cCfQin2


 Webサイト

 PASH!コミック

 https://comicpash.jp/series/d2669e2447a32

 ニコニコ漫画

 https://sp.seiga.nicovideo.jp/comic/63393

 pixivコミック

 https://comic.pixiv.net/works/9446


 電子版、書籍版、コミカライズともに好評発売中!

 よろしくお願いしますー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
会社だと社長(山形プロンプト公平)が社外で営業回りして、経理を夫人(プロセッサ)がしているような感じかな? 休日に社長からの誘いを断れる部下はいないと思うけど(笑) 昭和世代の接待ゴルフみたいなもので…
システム的な運動・・・ 「持久走=1万回テスト」(デジカメなどの機械操作を1万回繰り返して誤作動を起こさないかテスト) 「短距離走=システム最適化で処理速度計測」 「反復横跳び=ハノイの塔」 「障害物…
ブラック感というか、そもそも食事や睡眠の概念なくて給料も発生しないならほぼほぼ働いて······真っ黒?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ