魔天─割とコテコテなファンタジーだった世界─
インターフェイサー始動に向けて、スカウトしようと考えている4人の探査者と一体の概念存在。
おかし三人娘と愛知さん、そしてイヴさんなわけだけども……とりわけワールドプロセッサからするとやはり、唯一概念存在であるイヴさんに関心が向いているみたいだ。
そりゃそうだわな。事実上、概念存在からのシステム領域への出向者。あるいは親善大使みたいな立ち位置になるわけだし。
少なくともイヴさんの主である北欧大神オーディンは完全にそのつもりだ。自身と俺との間にあるつながり、それを補強したいかのようにイヴさんを推してきてたものな。
「北欧神話圏の最高神については、私もある程度動向を把握していますが……かなり強かなモノのようですね。概念領域において独立した立ち位置を確保しつつ、あまつさえあなたを通してシステム領域とも縁をつなごうとするとは」
「それでいて聡明でもある。システム領域とのつながり、俺から得た真実をこちらの逆鱗に触れない形でよく活かしていると思うよ」
『ふーん? 結構コマプロはあいつのこと評価してるのね。私はあんまり面白くないわねえああいうの、小賢しいっていうか』
『お前さんは自分とこの最高神がミュトスにビビられて、しかもそれをきっかけにコマプロ達にもドン引きされてんのが気に入らねえだけだろ。八つ当たりじゃねえかよ』
「えぇ……?」
織田ことオーディンの言動、勢力の長としての振る舞いを鑑みて評したところ、まさかの魔天が面白くなさげに言ってくる。
あまりソリが合わないのか? と思ったら断獄曰く、例の魔天世界のブラック最高神と比較して気に入らないってだけみたいだ。まさしく八つ当たりである。
周囲の目が呆れたものになり、ぬいぐるみめいた魔天に突き刺さる。こいつ何言ってんの? 感たっぷりだ。
それを受けて魔天はずんぐりむっくりな身体をジタバタさせつつも、反論してきたのである。
『八つ当たりで悪いかしら!? ていうか別にミュトスがどうとかでなく、私のとこの最高神があんまりイメージ悪いからそれと反比例して評価を上げてるっぽいオーディンとやらがなんだかなーってだけで!』
『紛れもなく八つ当たりであるな。そも、ブラック最高神であったのは事実であろう? 話を聞く限りではな。無論、それだけの神ではなかったろうが』
『うー……否定できないのも腹立たしいのよ。少なくとも私の世界における、当時の現世代表知性体達にとってはミュトスの認識はそうズレたものじゃない。死と破壊を司る側面が大きく取り沙汰されてたのはあるし』
「と、言いますかあなたの世界、その時点での巣立ち候補の知性体達に他の神話圏はなかったのですか? こちらでいう現世人類は、地域ごとに様々な神話圏を有していますが」
よくよく聞くと擁護している魔天ですら、その最高神がブラックだったのを否定しきれてないじゃないか。即座に災海にツッコまれてるし。
それでも一方的にドンビキされてるってのが気に入らないのは分かるからなんとも言えんけど、そこにワールドプロセッサが質問を挟む。
魔天世界における人類……というかその時点で巣立ちに至る可能性が最も高かった知的生命体達。であれば、世界の多様性から考えて複数の神話圏を地域ごとや民族ごとに備えているほうが自然といえば自然のはずだ。
そこらへん、今話してる例の最高神とは別にいろんな神話圏の最高神とかいなかったんだろうか? 魔天の口振りからしてどうもそのモノしかいなかったっぽくて少し、俺としても気になるよ。
「ミュトスが水の女神として組み込まれていた神話圏の最高神、だから話に上がっているのはわかるんだけどな? 他にも神話圏があったなら、ワールドプロセッサから見てソレが唯一無二の最高神ってわけでもなかったはずだろ。そのへん単なる好奇心で聞くんだけど、どうなんだ実際」
『いやまあ、あるにはあったけど現生人類にとっての神話や宗教は一つだけだったから……うちの世界、巣立ち用の人類とは別にいろんな人類がいたから。種族っていうの? ほら、こっちの世界のファンタジー的な言葉で言う、なんだっけ』
『ああ、亜人。あるいはデミヒューマンであるな。魔天の世界はこちらでいう人類が、そうした存在と共存していたようなのだ。おそらくその連中も各々神話を持っていたのだろうが、現世人類自体は一つだけだったということだろう』
「マジか。なかなか特徴的な現世だったんだなあ」
前からファンタジーな世界とは聞いていたけど、そうか知的生命体も複数種いる世界だったのか。
それこそモンスターでない、ケモミミとか生やしてる系の人々とか。エルフとかドワーフとかそっち系のね。んでもってその種族達も自分達なりに宗教を持っていたけど、人類種は例のブラック最高神のとこだけだったと。
面白いなあ、魔天っていうかよその世界。この世界にはない要素がいろいろあるから聞いていて興味深いよ。
断獄や災海もこの分だとそれぞれ、異なる特徴があったんだろうな。この際だし雑談がてら、軽く聞いてみることにしようか。
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