もう遠野はフードファイターってことで良いんじゃないかな(遠い目)
俺へのなんでもありという評を、黒歴史も絡んでることもありお恥ずかしいやら何やらで顔を若干赤らめつつも頂戴しつつ。
最奥にたどり着いた俺達はいつもの通りダンジョンコアをゲットして、帰りはサクッと空間転移で一番最初の通路、出入り口前まで戻ってきてそこから外へと出ていた。
すっかり空気も冷えている今日この頃。ダンジョンという閉鎖空間からの解放感もあり、お外の澄んだ空気が美味しく感じられる気がする。
これがシャバの空気ってやつかあ……と思いつつ伸びをして身体をほぐしていると、アンジェさんやランレイさんも似た感じで軽く柔軟をしてクールダウンをしつつ、今日これからの流れを話し合っていた。
「日本のこの季節ってば、まだ17時過ぎなのに結構日が落ちてくるのねえ。よっしゃランレイ、全探組で報告終わったら飲みに行くわよ! 香苗に公平も来る? ……って、公平はさすがにまずいか、学生だものね」
「お、お酒がある場に未成年はあわわはわはわ、まずいよね……か、香苗さんは来ようよう! 飲もうよう!」
「ふむ。まあお二人の労をねぎらう意味でも良いですね。公平くん、探査達成報告を終えたら私達はそのまま居酒屋へ行きたいと思いますが、よければ報告までこちらで済ませておきましょうか?」
「良いんですか? でしたらありがたく、ここからだと家のほうが全探組より近いですしね。直行直帰ってやつでお願いしたいです」
今日のダンジョンは家から少し離れたところにある、新興住宅地の片隅に造られた小さな公園のなかにある。子供達や親御さんもよく使うところっぽいので、近隣の方々の憩いの場を護れたのなら嬉しいことだ。
で、そんななのでここからだと全探組施設より家のほうが近く、報告してから帰宅するのと直帰するのとではまるでかかる手間が違ってくるのだ。
別段それはそれでも構わないんだけど、冬の近づいてきた昨今にあってはこの時間帯、もう薄暗闇の夕暮れ時だ。神魔終焉結界を解いて学生服に戻った姿で、あまりうろついていたい頃合いでもない。
というわけでありがたくもそのあたり、配慮してくださった香苗さんに甘えることとする。今日のご飯はクリームシチューなんだよ、早く帰って自室でゆっくり心待ちにしたいしね。
「それじゃあ、俺はこれで失礼します。今日の探査はありがとうございました香苗さん、アンジェさん、ランレイさん。とても勉強させてもらいました」
「いえいえこちらこそ、いつもながら素晴らしい世界救済の数々を見せていただきました救世主様バンザイ!!」
「救世主とかは置いといて、私らも最高のバカンスの幕開けができたわ! サンキューね公平、探査してるアンタも素敵よ!」
「あ、ありがとうございましたぁ! し、しばらく私とアンジェちゃんはこの町の周りをうろちょろしてると思うので、ま、また全探組とかで見かけたらよろしくです! えへへ!」
「はい! また、ぜひともよろしくお願いします!」
三人に礼と別れを告げて、俺は一人テクテクと徒歩で公園を離れる。手を振って見送ってくださるみなさんに俺もいくらか返しつつ、かくして今日の探査は終わった。
夜風めいた寒風が身体に染み込んでくる。さすがにモンスターと戦ったあとはそれなりにアドレナリンが出ているのか、熱くなっている身体に涼しいや。
さーて、探査も良いけど帰ったらテスト勉強もしないとなあ。何しろ来週からは期末テストだ。それに伴い学校自体が午前で終わるのは素晴らしいけども、テスト自体は学生的にあまり嬉しくないのが残念だ。
まあ、普段から割とこまめに予習復習はしてるし大丈夫とは思うけど。そも俺ちゃんコマンドプロンプトだし、演算能力と記憶力も跳ね上がってるもんで特に問題もない。
ちなみにこうなる前までの俺ちゃんは典型的な文系で、特に現代文がよくできる子だったんだけども今は違う。どちらかと言えば理数寄りの山形くんになっている。
そもそもが因果律管理機構ですからね。数学も生物も物理も化学も因果律の定めた絶対ルールの枠組み、すなわち法則のなかにある以上、俺がそのへん理解してないとかソレって笑いどころ? となるわけで。
結果として突然理数系つよつよになったのが山形プロンプトくんなわけなのである。
「暗記力も高くなってるから、文系科目もそれなりにだし……まあ、ズルしてる気がして負い目はあるけどその分、浮いた時間やリソースは探査に費やしてるから大目に見てもらいたいかなーって」
『しなくていい言いわけをつらつら言うよなあ。現世での学力だなんてどうでも良いんだからそんなもの、適当に済ませてテスト期間中も美味しいもの食べなよな。それこそ午後以降、浮いた時間をグルメ旅に使えるだろ。遠野真知子を見てみろ、勉強そっちのけで計画立てていたじゃないか』
「少しくらいなら考えるけど、そもそも遠野さんを引き合いに出すなよなお前……」
人気のない道を歩きながら、小声で脳内のアルマさんと話す。こいつはこいつで相変わらずのグルメ第一志望で、遠野さんへの道のりに人を誘ってくるんだよなあ。
かく言う遠野さんこそ、テスト勉強したほうが良いのでは? と老婆心ながら思うのだけれど。まあ、なんだかんだいつも赤点は回避しているのがあのフードファイターの卒のないところだし、あんまり心配はしてないかな。
むしろ計画立てているとかいうグルメ旅がどんなものか、さすがにそこはちょっと気になるくらいだ。
俺もたまには、隣県あたりで美味しいものでも食べるかなー? などと思いつつも、自宅へと帰っていくのであった。
「大ダンジョン時代クロニクル」
https://ncode.syosetu.com/n5478jx/
第二部・第二次モンスターハザード後編─犯した罪に、等しき罰を─
連載中!よろしくお願いしますー
「大ダンジョン時代ヒストリア」100年史完結しました!
https://ncode.syosetu.com/n5895io/
よろしくお願いいたしますー
【ご報告】
攻略! 大ダンジョン時代 俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど
書籍版、コミカライズ版併せて発売されております!
書籍
一巻
amzn.asia/d/iNGRWCT
二巻
amzn.asia/d/aL6qh6P
コミック
一巻
amzn.to/3Qeh2tq
二巻
amzn.to/4cn6h17
三巻
amzn.asia/d/cCfQin2
Webサイト
PASH!コミック
https://comicpash.jp/series/d2669e2447a32
ニコニコ漫画
https://sp.seiga.nicovideo.jp/comic/63393
pixivコミック
https://comic.pixiv.net/works/9446
電子版、書籍版、コミカライズともに好評発売中!
よろしくお願いしますー!




