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悪の組織あるある:多方面に敵を作りすぎて袋小路

「ハッハッハー、やっほー公平さん、リーベちゃんにシャーリヒッタちゃん、そしてミュトスちゃんに香苗さんー。お久ー」

「ホホホホ、これにて全員集合と言ったところですかな? こうしてみるとなかなかに壮観な光景ですなあ」

「そうですね……古今東西の英傑探査者達の揃い踏み、と言ったところでしょうか」

 

 気さくに俺に手を振ってくるのが初代聖女にして能力者犯罪捜査官でもあるS級探査者、エリス・モリガナさん。

 同様に五代目の聖女である神谷美穂さん、WSOの事務総長を務めているグェン・サン・スーンさんも並び、俺達を出迎えてくれる。

 

 そして最後にこちらに向かってくるのが、やはりこの子だろう。WSO統括理事、大ダンジョン時代を構築し牽引してきた永遠の探査者少女。

 ソフィア・チェーホワ──その裏人格、精霊知能ヴァールである。ゴスロリ風のドレスを身に纏う、人形のように美しくも無機質な無表情さで彼女はしかし、その瞳には強い光を湛えて俺達に言ってきた。

 

「よく来てくれたな山形公平、後釜、シャーリヒッタ、ミュトス。そして御堂香苗も。お前達の到着をもって取り調べの準備はすべて整った、いつでも開始できるぞ」

「今日はよろしくな、ヴァール。っていうかもうちょい早く来るべきだったな、おまたせしちゃって申しわけない」

「そんなことはない、気にするな。時間通りより幾分早いくらいだ……他の面々はやはり、少しばかり気が急いているのさ。何しろ第八次モンスターハザードの首謀者どもの言動と委員会の謎に、とうとう触れる日が来たのだからな」

 

 時間通りというか、それよりは10分ほど早めにこうしてやって来たわけなんだけどもそれでも俺達が最後の到着だったみたいだ。

 これについてはヴァールが言うように、仲間のみなさんがちょっと気が逸りがちなところはたしかにあるのかもしれないね。

 

 けれど無理もない話だろう、ここに至るまでの数ヶ月、戦ってきた組織の幹部への取り調べなんだから。

 もっと言うと何人かの人、すなわち過去のモンスターハザードに参戦していた仲間からすれば、長年謎だった委員会の秘密にも近づけるかもしれない絶好機でもある。ソワソワしちゃう気持ち、俺にも分かるよ。

 

「委員会、ノインノア・ジェネシスとつながっていた連中かあ。先輩探査者達も過去のハザードで因縁のあるやつらでもある。絶対にいつか辿り着いてやりたいとは思っていたんだ」

「この場にフローラがいたならば、ロナルドくんと同じことを言っていたでしょうね。引退している彼女にも、あるいはマルティナにも……アレクサンドラの件まで含め、ことの成り行きを話す必要があるでしょうね」

「フローラの嬢ちゃんやアーデルハイドに会うってんなら私も付き合うよ、神谷。しばらく会ってないしねえ、ファファファ」

 

 第七次モンスターハザードにて活躍したロナルドさんや、過去何度も参戦している神谷さん、マリーさんもしきりに気にした様子でいる。

 フローラさん……フローラ・ヴィルタネンさんだろう、第六次モンスターハザードにて大きな役割を果たしたとされる四代目聖女さんや、三代目聖女のマルティナ・アーデルハイドさんにも今日、この取り調べで得た情報を伝えるつもりみたいだ。


 さらには第三次モンスターハザードの折、活躍した早瀬光太郎さんのお孫さんである葵さんが、師匠であるエリスさんとも笑いながら語り合っている。

 こちらのエリスさんも彼女は彼女で第二次モンスターハザード解決の立役者だ。それ以降のモンスターハザードにも幾度となく参戦しているためか、やはりこちらもやる気満々って感じだね。

 

「はっはっはー! 私自身も能力者犯罪捜査官ってことで気にしてますが、それ以上にお爺ちゃんが第三次モンスターハザードに絡んでますからね! 天国のお爺ちゃんの分まできーっちり連中を追い詰めて、叩きのめしてやりますとも!」

「ハッハッハー、第三次の時は光太郎くんとニアミスみたいな感じだったんだよね、私ー。でも彼の孫の葵とこうして肩を並べられてるんだから、長生きはするもんだよハッハッハー……そうだね、彼やかつての仲間達の分まで。必ず委員会は追い詰めないと」

「…………と、まあこのとおりでな? 歴代ハザードの関係者達は揃って気炎を吐いている。それだけ委員会が暗躍してきた年月は長く、その所業は恐ろしく、多くの人々の怒りを買っているということの証明だな」

「な、なるほど」

 

 怖ぁ……みんなして委員会絶対追い詰める探査者達になっている。あらためて恨みを買いすぎだ、謎の犯罪組織。

 第一次から毎度毎回、直接的でないパターンもあるらしいけど大体の事件に絡んでるっぽいしなあ。何回かのハザードには概念存在まで投入していた──そしてそれと気づかれないまま英雄達に倒されていた──と織田も言ってたし、そこまでやってるんだからここまでヘイトを溜めているのも当たり前ではある。

 

 そんな、この場の誰もが許しがたいと思う委員会。その神秘のヴェールにいよいよ手をかける時が来た、かもしれないのだ。

 みんなやる気にも満ち満ちるはずだよ。俺は一同見回して、内心にて深く納得していた。

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― 新着の感想 ―
山形と一緒に首都園に来たはずなのに先着組から挨拶されないのは既に先着組の方にもいたから……?また分身しちゃったのかミュトスちゃん……
2025/07/05 11:54 こ◯平でーす
前話のアンジェさんの台詞から、そんなに仲良くなかったかな?と思いつつ、今話でも何故かハブられるミュトスちゃん…… これだけ大物が揃っていての山形待ち…… 警察からしたら、お前何やってんの、とかなりそ…
2025/07/05 09:49 こ◯平でーす
ついに一端に触れるのですか·····各組織名がやたら学校めいてる理由に(違う) 気づかれないままつていうか、普通にモンスター扱いで撲殺されていた悪魔とかいましたね、そういえば〜。
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