表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1709/1823

頑張れ!インターフェイサー

 何はともあれ食事も終えた。会食の間を出て今度は隣のルーム、歓談の間とか名付けられているらしい部屋に移動する。

 こちらは主に賓客と、多少フランクな形での話し合いをするための部屋として用意したそうな。だからだろう、謁見の間と同じ間取りながらリビングには玉座などもなくいくつかのソファとテーブルが置かれている簡素かつアットホームな内装となっていた。

 

 そこにあらためて俺達が座る。

 俺と左右に座るヴァールとミュトスが織田と向き合い、リーベとシャーリヒッタはその左右のソファに腰を落ち着けた感じだね。


 ちなみにオノスケリスは食事後に織田がもう戻って良いと言ったのでササッと自室へと帰っていった。

 酔いの回ったヴァールに絡まれた末に一同ドン引きの悪魔的価値観を披露したのもあって若干空気が冷えてたからね。これ幸いにとスタコラサッサしたわけだった。

 

「さて、あの小悪魔の悪魔らしい理屈はともかくとして、軽く雑談程度になりますがもう少しだけ話を煮詰めましょうか。主に今後の、あなた方システム領域および現世領域と我々概念領域の活動について……特にパイプ役となっている我が北欧神話圏とのソレについてをね」

 

 オノスケリスをすげなく切って捨てて、織田が切り出したのはもうちょいだけ真面目なお話だ。

 すでに彼自身も酒が入っているのだけど、そろそろ会談も終わりって頃合いなので今後の話については触れないわけにもいかないからね。

 

 そう、今後について。

 倶楽部にはじまりサークル、ダンジョン聖教過激派と三つの組織とそこに纏わる概念存在達を退けた俺達だけれど、未だ本丸の委員会そのものについては影も形も見えていない感じだ。


 正直な話、いらんことしなければシステム領域としては捨て置いても良いというか、それこそ現世に任せるべき案件ではあるんだけれど……

 それでも過去のモンスターハザードも含め、システム領域にもかかるやらかしが結構多い連中だもんで、一応全貌くらいは把握して対処できるように備えておきたい気持ちは俺やワールドプロセッサとしてもある。

 

 そしてそれは当然、矢面に立つ現世側のWSO代表者であるヴァールだとか、領域間をつなげるパイプ役を担ってくれている織田達北欧神話圏としても同じ思いのようだ。

 ヴァールがひとつうなずいた。つまるところこの話し合いとは、対委員会に向けた次の動きについてのものなのだ。

 

「委員会に関しての捜査は、それこそ数十年前からWSOのほうでも行っていたがそれでも今回の事件は防げなかった。概念領域も絡む話ゆえに現世のエージェントだけではどうしようもないのだ……だが今後はそちらの、北欧神話圏の協力も得て捜査範囲を概念領域にまで広めることができれば、あるいは状況が変わるかもしれない」

「北欧神話だけでなくあらゆる神や悪魔、他カテゴリのモノもまた、件の委員会なる存在についてはその正体を突き止めるべきだという意見で統一されています。おそらくは首謀者が概念存在であり、にも関わらずこちらにも隠れて現世に好き勝手な干渉と介入を続けるような組織は……一言で言いますが、目障りですからね。ククク」

「怖ぁ……まあ、もちろんシステム領域としても目障りというか、シンプルに正体は探るべきだと思っているけど」

 

 かねてより委員会の被害を受け続けてきた現世領域代表のヴァールはもちろん、明らかに自分達側の組織だろうに自分達にも隠れて余計なことしまくっていることについて、概念領域代表の織田ことオーディンさんもまあまあ過激なことを言っている。

 対照的にシステム領域代表の俺ちゃんこと山形くんとしてはもうちょっとテンションは抑えめだ。たしかに全方向に余計なことしてくれてる迷惑組織だとは思うけれども、その全貌すら明らかになってないうちは判断しかねるかなーとか。


 まあこれは、本質的に第三者的立ち位置であるがゆえのスタンスだね。何度もいうけどシステムを悪用さえしなければ今回の件、一連の騒動にシステム領域がどっぷり絡むことはなかったわけだし。

 精霊知能たるヴァールも、こちらの事情を理解している織田もそこについては異論を唱えないでくれている。というかまあ、ただでさえややこしいのにシステム領域まで積極的に関わると余計話がぐちゃぐちゃになるって思惑はあるかもしれない。

 

 ただし、だからといって私達サイドは何もしません見てるだけですってわけでももちろん、ない。

 そのために現世に受肉を果たした、精霊知能のなかでもとびっきりの実力者が二人もいるわけだしね。

 

「システム領域としては、現世領域に出向という形でこちらの精霊知能、シャーリヒッタとミュトスを派遣した。今後、彼女達が組み上げる現世活動用部隊"インターフェイサー"が、WSOと協力して委員会を追いかけることになるよ」

「っつーわけでこっからはオレらも矢面だぜ! あらためて精霊知能においてはトラブルシューティング担当、インターフェイサー隊長のシャーリヒッタと!」

「え、えーと同じく新しくトラブルシューティング担当およびインターフェイサーの構成メンバーに任命されました、新米精霊知能ミュトスちゃんが頑張りマッスル!」


 指名されて横合いのソファに座る二人、シャーリヒッタとミュトスが力強く名乗る。

 システム領域直属、現世活動用部隊インターフェイサー……その活動はひとまず、委員会の捜査に向けて行われることになるわけだね。

「大ダンジョン時代クロニクル」第一次モンスターハザード編完結!

https://ncode.syosetu.com/n5478jx/

第二次モンスターハザード編はお盆頃にスタート予定です!

よろしくお願いしますー


「大ダンジョン時代ヒストリア」100年史完結しました!

https://ncode.syosetu.com/n5895io/

よろしくお願いいたしますー


 【ご報告】

 攻略! 大ダンジョン時代 俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど

 書籍版、コミカライズ版併せて発売されております!


書籍

 一巻

 amzn.asia/d/iNGRWCT

 二巻

 amzn.asia/d/aL6qh6P


 コミック

 一巻

 amzn.to/3Qeh2tq

 二巻

 amzn.to/4cn6h17

 三巻

 amzn.asia/d/cCfQin2


 Webサイト

 PASH!コミック

 https://comicpash.jp/series/d2669e2447a32

 ニコニコ漫画

 https://sp.seiga.nicovideo.jp/comic/63393

 pixivコミック

 https://comic.pixiv.net/works/9446


 電子版、書籍版、コミカライズともに好評発売中!

 よろしくお願いしますー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
システム側なら、簡単に検索とかできたりしないんですかねー    [委員会       ][検索] ポチッと …あかん
ヤンキー口調のトラブル担当娘が、問題ばっかり起こす委員会の連中をブチのめす学園アニメ『パパのガチャは当たらない』が始まるわけですか。
2025/06/19 17:50 こ◯平でーす
ソファに座るシーンでミュトスが2人いますね(笑)分身の術かな(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ