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クラン制度!そういうのもあるのだ……

 まさかの場所で、まさかの組み合わせなメンツとの再会。

 宥さんの弟子で優子ちゃんの友達である逢坂さんと、竜虎大学カレチャの小早川さん。他にも探査者がその席の周りに5人ほどいるんだけれど、そっちには面識はない。


 パーティを組んでいるのかな? いやでも、逢坂さんはD級で小早川さんはたしかB級だ。小早川さんが指導員とかでもなければあまり見かけない組み合わせにも思える。

 どういうんだ? ともあれ談話室に入って彼らのほうに向かうと、小早川さんは筋骨隆々の身体をすぐさま立ち上がらせ、年下の俺にもかかわらず深く会釈してきた。

 

「小早川さん? あの、お疲れ様です」

「お久しぶりです山形さん。先日はありがとうございました、あなたに心からの感謝と尊敬を捧げます。同時に例の事件を解決に導いてくださったあなたとその仲間の方々にも、竜虎大学カレッジサーチャーズならびに私個人としても敬意を抱かずにはいられません」

「あ……ああー。ああいえいえ、そんなことそんなこと。すみませんご丁寧にそんなそんな」

「本来であればこうした偶発的な形でなく、幹事長ならびに顧問教授と併せてこちらからお伺いするべきですし、実際そのように連絡させていただきたく思っていましたが……しかして出会ったからには先んじて述べさせていただきます。ありがとうございました!」

「お、お気になさらず。こちらこそ、情報提供してくださったことありがたく思ってます」


 怖ぁ……年長の方から、しかもこうまで威厳ある人にガチで頭を下げられて感謝されたりするのってあんまり経験ないから緊張するよー。


 小早川さんが言ってるのは、サークルがカレチャ出身者による組織だってことにまつわる情報提供についてだろう。

 うちの県の湖畔に連中の拠点があるってリークで、そこから一気に幹事長の藤近を捕らえて組織を半壊にまで追いやれたわけなので、まさしく値千金の情報をくれたのが彼を始めとする竜虎大学のカレチャなわけだね。


 こないだ、サークルに関連する騒動のすべてが解決したってのはざっくりながらニュースなどで報道もされていたので、それを受けてカレチャさんとしても俺なりソフィアさんなりと都合をつけては直接、感謝を伝えるつもりだったみたいだ。

 それが今回こうした形で偶然の遭遇になったのは、なんというか合縁奇縁ではあるけれど。そうなればなったで小早川さんが先んじて謝意を伝えてくるのも、わからない話ではなかった。


 ただ、解せないのはやはり逢坂さんと一緒にいる理由だ。前に一緒に参加した竜虎大学の探査者イベントでも、特に関わりはなかったように記憶しているけど、うーん?

 首を傾げつつ逢坂さんに尋ねてみる。もちろん、別に悪いことじゃないからこれは単純に好奇心からの質問だね。


「逢坂さんもお疲れ様。ええと……なんていうか、俺からすると新鮮な組み合わせだね。小早川さんとは知り合いだったり?」

「お疲れ様です……いえ、探査者イベントの時にお見かけはしましたけどそれくらいですね。ですがその、探査者クランについての説明をしてもらっていまして。あ、小早川さん以外の人達はみんな今の私のパーティです」

「そ、そうなんだ? 探査者クランについてって、なんでまた」


 意外な返答に目を丸くする。探査者クランについてのレクチャー……逢坂さんとパーティメンバーの人たちはみな、小早川さんに教えを請うている感じなのかな?

 クランったらこないだもうちの精霊知能達とおかし三人娘がスカウトされてたりしたな、ええと"関西若手探査者の集い"だったか。


 もしかしてあそこに所属している探査者なんだろうか、小早川さん。カレチャの方ってイメージが強いけど、あっちは別に探査者としての組織じゃないから並列しての所属はありだもんな。

 ほへーってなってると、小早川さんが一つうなずいて自分の隣の席、椅子を薦めてきた。とりあえず話すなら座らないかということで、それもそうだねとありがたく着席する。

 一息ついたところで、彼が単刀直入に今この状況を説明してくれた。

 

「実は今日、本来はダンジョン探査依頼を見繕おうかと訪れたのですが……談話室で逢坂さん達がクランに加入するかどうかという話をしているのを目にしまして」

「"関西若手探査者の集い"とか"ドラゴンバスターズ!! "とか"近畿探査者連合"とか……新人や若手ばかりのクランとかから古くからある老舗クランとか、いろいろあってわけがわからなくなって、口論になりかけていたんです。そしたらそこに小早川さんが仲裁に入ってくださって」

「そこからの流れで、クラン制度そのもののレクチャーをしてもらってるんです、僕達。」

「あらまあ……そんなにいろいろあるんだねえ、クラン」


 最初は逢坂さんパーティだけで話をしていたのが、揉めかけていたからやむなくその場に出くわした小早川さんがとりなしに入ったって感じか。

 で、そのついでに小早川さんからのレクチャーを受けていた、と。逢坂さんに続いてお仲間さんらしい、俺とそう変わらない年齢の少年の言葉に納得する。


 クランって制度はたまに聞くけど、どうもまだまだ半人前の身ではいまいち理解が及んでないのは俺も一緒だ。

 関西だけでも意外とクランがあるみたいだし、パーティとしてどこに所属するかってのは重要なことなんだろう。だからこの人達も、レクチャーを真剣に聞いているってわけだね。

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― 新着の感想 ―
「うちは山形信者NG」 「うちはOK。既に何人かいる」 「うちは全員信者。救世主様バンザイ!」 みたいなクランもありそう。無くても後々できそう。
2025/05/02 09:43 こ◯平でーす
新鮮な組み合わせ… 香苗が公平に付きっきりだったのも、わりとイレギュラー系だけど、アドミニストレータ計画の一端だから別カウントですよね。 クラン同士がモメかけたって、珍走団(暴走族)の縄張り争いみた…
ここはやはりシャイニングをトップに据えたクランを創るしかないな。 別にシャイ君が表に出なくても使徒が運営すればいい話だし。
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