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一気に女性陣に囲まれたな、この山形……

 自分の師匠にまで伝道を仕掛けていた戦慄のやべー信者さん、宥さんに怖ぁ……と震えながらの帰還。

 プルプル震えるシャイニング山形くんこと俺ちゃんは無事にダンジョンを脱し、その脚で全探組施設にまで舞い戻ったのだ。


 時刻は12時ごろ、ちょうどお昼時だね。なんとなく気分もノッてるしこのまま続けての探査を敢行するか、あるいはあちこちうろついて物見遊山でもしちゃおうか?

 半ドンって良いよね、こういう時。普通の休みだと割とぐーたらしちゃって朝も遅起きなんだけど仕事だから早起きだし、仕事だけど朝で手仕舞いだから午後からは浮いた時間を自由に使えるし。

 

「午後からどうしようかな~……とりあえずお昼はご一緒しませんか? せっかくですし」

「もちろんです公平様! あ、そうだ午後もお時間いただけましたら一緒に隣県のショッピングモールを散策しませんか? きっと楽しいですよ!」

「お……あ、それはいいですね! ありがたいです、宥さんがもしよければぜひにぜひに!」

 

 なんてこった美女からのお誘い! これってあのいわゆるデートですよね。やばいな内なる陰キャが口籠りかけちゃったよ怖ぁ……

 ありがたい話で宥さんが、暇暇する俺にそれなら一緒に遊ぼうって言ってくれた。これには俺ちゃんも大歓喜だ、ぜひともお願いします! と二つ返事でうなずかざるを得ない。

 

 となると、さしあたり全探組で報告を終えたら電車で隣県に移動してから、ショッピングモールでご飯かな?

 そうしてからウィンドーショッピングというかその、デート的なものを行うのだ。


 あれこれ俺もしかしてリア充じゃないか? 良いのかこんな陽キャみたいな休日! などと、若干卑屈な思考にさえなるほどの降って湧いた僥倖。

 いやはやありがたやありがたやと、満面の笑みの宥さんにつられて笑顔になりつつも全探組施設内に入った、その時だった。


 ──入口入ってすぐ、ロビーにいた探査者グループのうち一人に、不意に声をかけられた。

 見知った声、顔だ。

 

「あれ? パイセンじゃないっすか。山形パイセーン! こんちゃーっす世に忍ばない覇王忍者の新潟花夢、通称ガムでーす」

「ほへ? あーっ、公平さんー! ちょうど良いところにー!」

「ん? ……って、ガムちゃんに、リーベぇ!?」

 

 声の主、20人くらい集まってる結構な大所帯の中、手を振る女の子達。いくらか知った顔もいれば、まさかの身内までいて俺は驚きつつ宥さんと顔を見合わせた。

 新人探査者トリオ、おかし三人娘の一人であるガムちゃん……新潟花夢ちゃんと、あと言わずと知れたリーベとよもやこんなところで鉢合わせするとは。

 

 しかもそれだけじゃない。ガムちゃんやリーベがいれば、当然ながら彼女らもいるよね。すなわち他のおかし三人娘と、現世に現界している精霊知能達だ。

 割と珍しいというか、接点がそれこそこないだ一緒に探査したリーベくらいしかなくない? って組み合わせなんだけど、なんだ?

 

「あっ! こんにちは山形さん! しかも望月さんまでいるー!!」

「先生! お久しぶりでございます、先生の弟子のアメです〜! 首都圏でのご活躍、いつも尊敬の念を禁じ得ずにテレビで拝見しておりました〜!」

「公平サンまで来たぜェ! へっへっへ、ミュトスよう、こいつぁスゲェことになりそうだぜェ……」

「ど、どひぇーまさかのここで山形様! そう言えば話を聞くに、御方もまだ実はデビューしたてなんでしたよね!」


 ガムちゃんのパーティメンバー、こちらも個性派揃いの徳島千代子ことチョコさんに鹿児島天乃さんことアメさん。

 さらにはシャーリヒッタもいれば、なぜかミュトスまでいる。いや、ミュトス? どういうことだ、なんで彼女が全探組施設に?


 予想外、というか意味不明のメンツ。

 なんならその周囲には見覚えのない男女、色とりどりの探査者さん達もいて、こっちに向けて好奇の視線を向けてきている。

 なんだなんだ、お知り合いなのか? こんなにたくさん友人ができるとかうちの精霊知能達は揃って陽キャリア充なのか?

 尽きせぬ疑問が浮かんでは消え、ついに俺はただ、首を傾げるばかりとなった。


「…………?」

「個性的、と言いますか意外な集まりですね。おかし三人娘については、伝道師香苗からお話は聞いています。以前公平様の故郷の近くでも見かけましたね」

「え、ええ。ちなみにどんな話を?」

「新進気鋭の新人トリオで、関口くんの弟子でありつつも我らが救世主山形公平様の薫陶を授かりし使徒候補の三人である……と聞いております。我々使徒の間でも、いつかお会いできることを待ち望んでいる声も多かったですよ」

「怖ぁ……」

 

 伝道師としてでなく探査者として紹介して上げてほしかった! 香苗さんのどこまでも救世の光を前のめりにプッシュするスタイルに、すっかり使徒候補として挙げられているらしいおかし三人娘への同情を禁じ得ない。

 いやまあ、言うてアメさんだけはマジでそのうち使徒になりそうっていうか現状ほぼ使徒なんだけどね。


 類稀なる召喚スキルの才能を持つ彼女は、始原の四体からまさかのこの世の真実についてすべて聞かされちゃってるし。

 ああ、でもそうなると彼女も一応、精霊知能との接点はあるのか。だったらこの組み合わせもそこまで意外では……いや意外だな。かなーり意外だよ、これ!

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― 新着の感想 ―
ん?リーベぇ? リーベぇ=リー兵衛→うっかりリー兵衛 すなわちリーベェは八兵衛でありベナウィだった。QED。 (聞くな山西!我DESSAは既に少し錯乱している!)
お菓子な三人組も『救世の光』に伝道されちゃうんですの? 天乃ちゃんは、始源の精霊というシステム側との接点があるから、公平の正体も知っているし、半落ち状態なのは間違いないけど…。 香苗の“毒牙”には掛か…
シャイニングの関係者を含んだ集団が居るんだ。 何してるって伝道に決まってるじゃないか。
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