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ダンジョン聖教の明日はどっちだ!?

 日常に増えていく新興宗教とか何それホラー? な体験をしつつも教室へと向かう。

 いやまあ、言うてそれほど私生活を取り込むタイプの活動はしてないんだけどね香苗さん達も。現状はただひたすら伝道師がネットとリアル含めた周囲神話伝説を流布して、それを喜ぶタイプの人達がバンザイしてるだけだものね。

 

 一昨日ぶりの教室は、当然ながら特に変化はない。いつも通りの風景、いつも通りの日常だ。

 何人かのクラスメイト達と挨拶しながら自席に座る。鞄は机の横のフックに引っ掛けて、と。

 

「おはよー公平くん! えへへ、一日ぶり!」

「おっす山形! 見たぜーニュースで、またなんか大変だったんだなあ」

「おお、梨沙さんに松田くん。オハヨー、そーなの大変だったのよー」

 

 落ち着く俺を見てすぐやって来るのがいつものグループの二人、梨沙さんと松田くんだ。いつも学校からプライベートからいろいろお世話になっている、素晴らしい人達だね。

 そんな二人も当然のように俺が昨日、首都圏での大捕物に参加したのを把握してるみたいで不安げにしつつもどこか、安心しているようにも見える。

 

 俺のこと、心配してくれてるんだな。なんだかくすぐったいけど、とても嬉しい気持ちになる。

 こうして身を案じてくれる人がいる日常、それがかけがえのないものだって……一仕事終える度に実感するよ。まあそもそもその"一仕事"の頻度が多すぎるんだけどね。今年の春からなんだコレ、いろいろありすぎでは?

 そろそろ本当に落ち着きたいよと思いつつ、二人に返事する。

 

「またニュースとかでいろいろ言ってるみたいだけど……まあ俺についてはやっとこ落ち着いた感じだよ。悪さしてた人達もみんな捕まったし、変に対応しなきゃいけないことももうないかなーって」

「本当? もう危ないこととかない感じ?」

「まあ概ね。あっても普段の探査と同じで、モンスター相手とかになりそうだし。犯罪能力者相手なのはこれっきりだよ、今回は本当に特例で相手してただけだし」

「その特例ってのがまずスゲー話だけどな……なんかダンジョン聖教の前の聖女さんとかなんだろ、犯人」

 

 ダンジョン聖教過激派とサークルが潰滅した今、委員会による次の一手が! とかがない限りはひとまずこれで一連の騒動も終わりのはずだ。

 その前にあった倶楽部騒動にせよ、連中の目的の中核にあったウーロゴスが完全に消滅したからね。


 みんな元の持ち主であるミュトスの下に戻ったことで、アレに器を用意しようとしていた倶楽部も、器になろうとしていたプレーローマ・アンドヴァリもその前提が破綻した。

 つまりはやつらを動かしていた委員会にとっても話が終わってしまったんだ。別口で何かやらかしてくるのまでは知らんけど、少なくともこの話はこれでおしまい! と言って良い程度には区切りをつけられたわけだね。

 

 ダンジョン聖教の先代聖女、アレクサンドラ・ハイネンが首謀者だったことまで含め、ニュースでもすでに敵組織の大まかなところは取り沙汰されているようだった。

 特にあの宗教の信者さんでもなさ気な松田くんでも耳にしてるようなビッグネームのまさかの特大スキャンダル。俺は腕組みして難しく唸り、二人へと言う。

 

「アレクサンドラ・ハイネンさん……あの人が逮捕されたことで、ダンジョン聖教もいろいろ言われてるみたいだね。今、聖女をやってるシャルロット・モリガナさんはむしろ率先してダンジョン聖教総出で彼女を捕らえに行ってたんだけど」

「あー、なんか一部だと共犯だったんじゃないかとかって言われてるね。難しいことはよく分かんないけど、公平くんはどっちも見たの? どんな感じだった?」

「どんな感じかって……まあ詳しいところはアレだけど、ダンジョン聖教もちょっとゴタついてたみたいだし、それもあってシャルロットさんが動いてたのは間違いないってくらいかなー」

「今の聖女さん、俺らと同年代くらいなのに大変だよなー……」

 

 守秘義務とか機密事項だし、それ以前に極めてプライベートな事項も関わることだからやんわり触りだけ語るに留めるけども。

 アレクサンドラとシャルロットさんが共犯だなんて、いろいろ見聞きした俺からしたらなんてことを言うんだの一言で切り捨ててしまうような論調も、やっぱり世間では流れている。


 テレビとかネットだと、根も葉もないことを面白おかしく書き立てるところはどうしてもあっちゃうから仕方ないことではあるんだけれど。

 アレクサンドラとシャルロットさんの関係から飛躍してダンジョン聖教そのものまで犯罪組織なのではないかとか、いろいろ誹謗に近い意見を見かけたりもするから、第三者からの視点だとそう見えちゃうんだなーって変に興味深くもあるよ。

 

 つまりアレクサンドラはトカゲの尻尾切りにあったんじゃないかって論調だね。

 これについては正直なところ、復讐心から過激派より過激な動き方をしていたシャルロットさん達を思うと第三者の目からはそう捉えられても仕方ないところはあるかもだ。

 

 今後、ダンジョン聖教は身の潔白を示すことさえ含めた後始末に奔走することになるんだろう。

 松田くんの言う通り、シャルロットさんも大変だよ。俺達とそう変わらない年齢で、あの人は本当に艱難辛苦に見舞われているよ。

 今度会った時、何か手伝えることとかあれば少しでも力になれたら良いんだけどねえ。

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― 新着の感想 ―
(テロリストである火野の娘で)アレクサンドラ・ハイネン・火野が潜入工作員だったことを暴露して、こいつに協力した連中を吊るしたらいいよ。 表向きには、“洗脳スキル持ち”で他人を操っていたのだから、“犯罪…
追記 むしろ歴代聖女全員過激派説
やはり救世の光の傘下に入るしか・・・いやいや 少なくとも救世の光は元から伝道師がアレ過ぎて裏で悪事とか言ってる場合ではないからある意味安全。 そして次の騒動か・・・ 委員会が騒いでも「あぁはいはい」…
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