表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1536/1827

進撃のトップスピードch

「よし! じゃあいきますよ選抜パーティのエブリワン! 我々トップスピードchが先んじて迷宮内のエネミーをデストロイしていきますので、その後からセーフティに進んでいってください!」

「あ、ありがとう……助かる」

「てか、全員重装備なんだなァ……」

 

 すっかり全身武器みたいになっちゃったセーデルグレンさんが、同じく完全武装状態のスタッフさんは10名ほどを連れて地下迷宮へと潜ろうとしている。

 ヴァールやシャーリヒッタですら若干遠巻きになる、あまりにも異様と言うか物々しい光景。


 当初の予定のままに先行してくださるのはありがたいけど、これスレイブモンスターはともかく敵構成員までやっちゃわない? って心配になるよ。

 さすがにないと思うんだけどね。近くでなんか、静かにテンション上げまくってるリンちゃんとシャルロットさんを見つつも不安な俺ちゃんだ。

 

「あなたもトップランナーのファン……ダンジョンRTA界隈のファンでしたかシェン・フェイリン。意外なところで共通点があるものですね」

「私もびっくり、でも嬉しい! 同好の士、ネット以外で見ること少ないから! シャルロットさん、後で連絡先交換しよう!」

「望むところです、フェイリン。私個人のものになりますが、後ほど必ず」


 小柄なお二人が、和気藹々と趣味のことで話をするのはほっこりする光景だけれども。

 まさかダンジョン探査RTAがきっかけで星界拳正統継承者とダンジョン聖教七代目聖女に繋がりができるなんて予想もしてなかった。


 これも因果の為せる業……いやそんな大げさなもんじゃないんだけどね。

 アンジェさんとランレイさんが、そんな二人を目を丸くして眺め、驚きを露わにしている。


「い、い、妹があのシャルちゃんとあんなに仲良く……!? わ、私なんて年単位で知り合いなのに、ま、まださん付けなのにぃ……」

「ランレイはさん付けで私のほうは呼び捨てってのも若干釈然としないんだけど……でもま、良いことじゃない。アンタの妹とあのシャルロットに、同じ趣味の友人ができたんだからさ。年長者としては喜んであげないと」

「そ、そうだよね! でも、ううう……妹の社交性がまばゆいぃぃ」

 

 妹であるリンちゃんが、あっさりといろいろ難しかったシャルロットさんとお友達になれたことに対して複雑な思いみたいだねランレイさん。

 アンジェさんもだけど、今回の件より以前からシャルロットさんとは知り合いだったみたいだ。そう言えばお二人が首都圏に出向く前にご一緒した探査の時にそれらしいこと言ってたもんな。

 元より知り合いだったからこそ、彼女が動いているこの案件を割り振られたってのはあるかもしれないね。

 

 そんな、妹のリア充ぶりに溶けて怪生物になりかねなさそうなランレイさんはともかくとして。

 いよいよ先行の迷宮攻略チームの突入開始だ。トップランナーchのスタッフさんが次々、穴の中へと落ちては別次元の領域に転移していく。

 そして最後の一人、セーデルグレンさんがこちらに向けてアナウンスした。これまでのハイテンションとは打って変わっての、真面目な口振りでだ。

 

「我々全員が突入してから10分ほどしたら突入してください。私がみなさんを正規ルートと思しき道筋へご案内いたします」

「よろしく頼む、セーデルグレン」

「内部で目についた生物についてはモンスターは始末、人間は気絶させます。その都合、戦闘もありえますがまずは私どもにお任せを! みなさんには極力温存してもらったまま、敵首魁のところへと至っていただきます」

「ハッハッハー、頼もしくてありがたいねー」

 

 まずはある程度敵勢力の鎮圧と迷宮内の制圧。しかる後に俺達をなるべく消耗させないままプレーローマ・アンドヴァリの下へと届ける、と。

 まさしくプロの仕事を思わせる姿。トップランナーを名乗るだけはあり、きびきびとした動きは頼もしさを感じさせるよ。

 

 そうしてセーデルグレンさんも穴に飛び込んだ。そこから10分すれば、いよいよ俺達も突入することになる。

 緊張と不安に包まれた10分だ……と、サウダーデさんが不意に挙手し、ヴァールに呼びかけた。

 

「すみませんヴァールさん。俺とロナルドくん、フェイリンさんについては地上に残り、不穏な輩が現れた時の対応役として待機したいと思います」

「む? ……ふむ」

「俺達は元々作戦に組み込まれていないんですよね。さすがに一大決戦って時に、即興の助っ人な俺達が加わるのもリスキーかなと」

「ああ、まあそうですね。エミールさん達を迎えに行った私は本来からして選抜チームですが、こちらの四人は完全にイレギュラーな助っ人ですし。コーデリアさんだけは地下迷宮のショートカットを作れるかもしれないので、同行すべきですが」


 地上に残り、良からぬ輩やさらなる敵の奇襲に備えると言う急遽来日してくださった助っ人三人。

 作戦にそもそもなかったファクターな以上、それを本隊に組み込むのはリスキーだと語るロナルドさんはまさに正論だ。本来なかったはずの要素を、そこまで当てにしてはいけないからね、普通に考えて。


 ヴァールとしては、そこはどちらでも良かったんだろうね。言われて少し考えつつも理解を示している。

 それを後押しするかのように、ベナウィさんとリンちゃんがそれぞれ思うところを語る。


「ミスター・ロナルドに至ってはマキシムとミレニアムの持ち主、海方陸を相手取るために来ていますからね。早々に目的達成ができた今、やるべきは後方支援あるいは後詰めでしょう。私は皆様についていきますが、師匠達については地上を託すべきかと」

「姉ちゃん! これ、姉ちゃんの戦い! 認定式の時に潰せなかったバリア、きっちり潰してくる! 星界拳士としてのリベンジだよ!!」

「う、うん! わかってる、絶対にあのバリアは切り裂いて潰すから……!」

 

 怖ぁ……ベナウィさんはともかくリンちゃん、完全にランレイさんを焚き付けてるじゃん。

 瀬川のバリアを、身内の星界拳士が突破できなかったことがリンちゃんとしても気になっていたんだな。


 それを受けてランレイさんも強くうなずくんだけど、俺としては勢い余って瀬川まで殺さないようにだけお願いしたいところだよ。

 瀬川……最期まで酷い目に遭いそうだなあ。自業自得ながら、南無ー。

「大ダンジョン時代クロニクル」第一次モンスターハザード編更新中!

https://ncode.syosetu.com/n5478jx/

よろしくお願いしますー


「大ダンジョン時代ヒストリア」100年史完結しました!

https://ncode.syosetu.com/n5895io/

よろしくお願いいたしますー


 【ご報告】

 攻略! 大ダンジョン時代 俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど

 書籍版、コミカライズ版併せて発売されております!


書籍

 一巻

 amzn.asia/d/iNGRWCT

 二巻

 amzn.asia/d/aL6qh6P


 コミック

 一巻

 amzn.to/3Qeh2tq

 二巻

 amzn.to/4cn6h17


 Webサイト

 PASH!コミック

 https://comicpash.jp/series/d2669e2447a32

 ニコニコ漫画

 https://sp.seiga.nicovideo.jp/comic/63393

 pixivコミック

 https://comic.pixiv.net/works/9446


 電子版、書籍版、コミカライズともに好評発売中!

 みなさまにお求めいただければさらなる続刊、続編も視野に入っていくと思いますのでなにとぞ、よろしくお願いしますー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
いくらでも叩いていいサンドバッグこと瀬川……中の人は安全だけどメンタルまでは守ってくれないんやで
瀬川くんはこの戦いが終わった時にはシェン一族の蹴りの業によりくんからちゃんにジョフチェンジしているかもしれない…
モリガナにシェン、ここにエミールをひとつまみ…とはなりませんか。 ロナルド「おじさんにはハードル高いな〜」
2025/01/11 10:23 こ◯平でーす
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ