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悪魔にすらハーレム救世主扱いされている主人公はこちらになります

「じゃあさっそく聞かせてほしいんだけど……アンドヴァリは何が目的なんだ? ウーロゴスを取り込んで、やつは一体何になりたいんだ」

『チッ……』

 

 ようやく質問できる段になり、さしあたっては核心にあたるアンドヴァリの目的について問いかけたところ、アガレスが舌打ちをして露骨に嫌そうに顔を背けた。

 見ればセーレもオノスケリスも口を閉ざす、というかどこかモニョモニョさせている。こちらは言いたくない、というよりはどう言ったらいいか分からない、といったところか。

 

 どうも事情こそ把握しているみたいだけど、その事情が複雑だから口にしづらいって感じなのかな。

 まあ二人はともかくアガレスは論外なんだけどね。俺の隣に座るシャーリヒッタが、いい加減耐えかねたとばかりに圧を放ち始めた。ヴァールでさえ、《鎖法》を展開して攻撃態勢に入っているね。

 

「いい加減にしろよ三下、コラ」

「この期に及んで抵抗するのならばもういい、貴様はここで終われ。アバター体だろうが痛みは感じるだろう、二度と現世に関われないように躾けてやる」

『……っ、誰も言わないとは言っていないだろう! 山形公平の情婦どもが、よもやWSOの統括理事までそうとはな!』

「情婦!? 誤解なんだけど!?」

 

 二人の威圧に耐えかねて悔しげに叫ぶアガレス。いやまあ本気で攻撃したりするようならさすがに止めるというか、一応の責任者としてやるなら俺がやるんだけども。

 それはそれとしてさらりとシャーリヒッタとヴァールを情婦扱いしてきたことには全力で抗議する。ふざけんなよこちとら15歳だぞ、そんな存在いるわけないだろ!

 

 おのれマスコミ! 連日ハーレムだのなんだの報道するから悪魔にまで変な認識が行き渡っている!

 必死の訴えを聞いたか聞かなかったか、アガレスは鼻を鳴らして肩を落とし、重々しく口を開いた。アンドヴァリについて、多少でも知っていることを話す気になったのだ。

 

『……アンドヴァリの目的は、自身が概念存在になることだ。ウーロゴスとはやつが神に成り上がるためのアイテムに過ぎず、そして同時にサークルにとっては社会を転覆させるための切り札でしかない』

「概念存在になる、か。アレを取り込んだ時点でそんなとこだろうと思っていたけど、なんでまた。神になることで達成したいことがあるんじゃないのか? 神になることそのものがゴールってわけじゃないだろ」

『むしろこちらが知りたいくらいだ。人間ごときが概念存在に成り上がろうなどと……それも仮にも宗教家が。片腹痛いにもほどがあろう』


 鼻で笑いつつも語る。嘘の気配はない、本気でこいつはアンドヴァリの目的、そこに至る動機を知らなさそうだ。

 人間の、概念存在への成り上がり。あるいは変生とも言うべきか。神話とかだとたまに聞かないでもないんだけど、今の現世ではまずありえない話だ。


 人間はどうしたところで人間、誰からどのように崇められようと生きていると認識されているうちは、人間の枠組みを脱することはできないからね。

 それを生きたまま成すには、それこそ概念存在を取り込んで自らの定義を"概念存在の一部"と誤認させるくらいの荒業は必須なわけで……ミュトスの権能、ウーロゴスの一部を取り込んだアンドヴァリは、見事にそれそのものを行ったことになる。


 だけど聞きたいのはそもそも、なんでアンドヴァリは概念存在になりたいのかって部分だ。

 ここについてはアガレスも知らないようだし、だったらとセーレやオノスケリスに目を向けると二体とも、ゆるく首を左右に振っている。

 比較的従順な彼女らは、どこか申しわけなさげに話し始めた。

 

『そこにつきましては正直、私どもも分かりません。我々はあくまでサークル付き、ダンジョン聖教過激派については縁遠いところがありますので』

「ぶっちゃけどうでも良かったしねー。オロバスのおっちゃんとかタンニーンさんはすごい応援してたけど、他の悪魔はそこまでって感じだったし」

「そういえばなんか言ってたな、彼女の夢と理想は綺麗で、だからこそ許されないとか」

『おっちゃんは過去や現在、未来の知識を司る悪魔だったからさ、アンドヴァリの理由とかも知ってたんじゃない? 変にのめり込んでたし、そのせいで私ってばこんなところにいるんですけどー』

「ああ、なるほど自身のそういう権能があったのか、あの男悪魔」

 

 今さらだけどそういうことなら、オロバスだけは捕まえておくべきだったな。まあ結果論だし仕方ないけど。

 権能から、おそらくはアンドヴァリの真実に到達していたオロバスはもう現世にいない。俺がアバターを宇宙まで吹っ飛ばしたし、その過程で精神も本体に戻ったはずだ。

 そしてそういう経緯で戻った以上、しばらくはこちらに来ないだろう。

 

 もし来てたら今度こそ捕まえて吐かせるけど、期待はしないほうが良さそうだ。

 とりあえずここは、アンドヴァリの目的について"概念存在になること"、そのためにウーロゴスを取り込んだってことが判明しただけでも良しとするか。

 

 次の質問に移る。あるいは悪魔達からすると、こっちのが話しやすいかもね。

 すなわちサークルとの関係。ならびに幹部格についてと、カレチャやウラノスコーポとの関係についてだ。

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― 新着の感想 ―
公平の正体を秘密事項設定して、この三悪魔に教えたら、絶対に逆らえなくなるよね。 只でさえ、上位の存在の真名を他者に話そうとすれば、本体が崩壊し再生復活が不可能になる悪魔だもの。 創世の古代神、しかも神…
[一言]  つまりアンドヴァリは好きな人(間)ふ振り向いてもらいたいために神になって(人間のイメージに左右される)都合のいい女になりたかったと、情熱的な女性ということだな。
[一言] アンドヴァリ「概念存在になりたい」 ウーロゴス「精霊知能になれるみたい」
2024/09/03 12:39 こ◯平でーす
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