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攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─  作者: てんたくろー
本編

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137/1858

人生いろいろ、探査者もいろいろ

 俺の健康が死ぬまで保証されたことはさておいて、次の称号へと話は移る。

 ここは結構、重要ポイントだ。何しろマリーさんの持つ、邪悪なる思念本体との戦いにおいて欠かせない、決戦スキルにも関わってくるものなのだから。

 

 

 称号 天裂く者と絆する人

 解説 魔天に一閃、光刃走り。三界機構が空を断つ。これぞ壱式・救世技法なり

 効果 任意にて、決戦スキル保有者と思念による会話を行える

 

 

「マリーさんと出会ってすぐにもらった、称号……決戦スキルなんてものがあるのを知ったのも、このタイミングでしたね」

「天裂く者ってのは私のことかねえ? 何とも大層だが、解説の魔天だの三界機構が空だのってのを踏まえると、何となくだが話も見えてくるね」

「まずその、決戦スキルというものが私にはよく分かりません……もし良ければ公平様、ご教示願えませんか?」

「ん……良いですよ。おさらいがてら、さくっとですけど」

 

 この辺の話には、あまり関わってなかった望月さんへの説明も兼ねて。決戦スキルについての振り返りを、一度してみようか。

 邪悪なる思念──倒すべき敵の本体は、あまりに強大すぎて俺だけの力では到底、倒しきれないとシステムさんは判断した。それゆえ、奴の力を削ぎ落とし、弱体化させる方策をスキルという形で用意し、探査者に持たせたのだ。

 

 それこそが決戦スキル。邪悪なる思念を追い詰めるための、システムさん側の切札。全部で四種類あり、マリーさんはその内の一つ《ディヴァイン・ディサイシヴ》の保持者ということだった。

 とまあ。そんな感じのことを説明する。アドミニストレータという言葉はやはり使わないでいたが、大体のニュアンスは伝わったろう。望月さんも分かったみたいで、うんうん頷いてるしな。

 

「そんなものがこの世にあったなんて、驚きです……それで、他の決戦スキル保持者を今後、探していくんですか?」

「まあ、そこはマリーさんにお願いしてまして。個人の力じゃ無理ですからね、そんなの」

「WSOの理事会には、公平ちゃんの事情も含めて説明済みさね……緊急会議まで開いてやったからね。寝ぼけ眼の爺婆どもでも、さすがに真面目に話は聞いとったさ、ファファファ!」

 

 愉快げに笑うマリーさん。そう、残る三人の決戦スキル保持者を探すにあたり、俺は彼女を通じてWSOの協力を得ることに成功していた。

 というかそうでもしないと無理だ無理。この広い世界であと三人、いくら探査者が希少だからって探し出せなんてできるわけない。何かしら組織力の援助を得るのは、どうしたってしなきゃいけなかっただろう。

 そうした折になんと、マリーさんは自分から言い出してくれた。残る三人の決戦スキル保持者、たとえ草の根分けても探し出してみせよう、と。

 

「先のドラゴンみたいなもん、ポンポン生み出すやつなんざ放置しとく選択肢もないさね、ファファファ。さっさと殺るなり捕らえるなりして、無力化せんと公平ちゃんだって気が気じゃあるまいし」

「俺のことは何でも良いですけど、ありがとうございます本当に。決戦スキル保持者、すぐに見つかると良いんですけどね……」

「私を、というかWSOを信じてちょうだいな。伊達に国際機関やってないのさ。それに……」

「それに?」

 

 不意に言葉を途切れさせて、マリーさんは押し黙った。何だろう、急に具合でも悪くなったかな?

 少し考え込んでから、彼女は少し、先程よりトーンを抑えて言う。

 

「……それに、そうだね。案外何人かは世界と言わず、日本にいたりする可能性だってあるかも知れんし。二人はどう思う?」

「え、私たちですか? 私だったら、もしそんなスキルを持っていたなら、すぐにでも公平様のお力になります! ね、伝道師御堂!」

「……そうですね。私としても、決戦スキルを持っていたとしたら、必ず力になりますね。必ず、何があっても」

「そんな二回も言わなくても」

「大事なことですからね。何なら三回だって言いますよ」

 

 冗談はさておいても、こんな風に言ってくれる香苗さんも望月さんもありがたい。この人たちが決戦スキル持ちだったらな〜、話早いのになぁ〜。あ、でももう一人いるのか。やっぱり先は長そうだ。

 まあ、焦る必要はないって前からシステムさんもリーベも言ってるし。そもそも最終決戦に必要な要素のうち、リーベの顕現に必要なレベル300到達だってまだだしな。そう急ぐことじゃないさ。

 

「ま、気長に行きましょう。それこそジャングルの奥地で一人、ダンジョン踏破してるような人でもなければそのうち、見つかるでしょうし」

「極端な例として出したんだろうけど公平ちゃん、いるからねそういうことするやつ。しかもS級」

「えっ」

「ビアンカっていう、私の娘くらいだから……もう50過ぎかね。いい年だろうに秘境ダンジョンマニアでね」

「秘境ダンジョンマニア!?」

 

 何それ、何のマニア!?

 ていうか俺の母ちゃんより歳上なのに、そんなことしてる人いるのかよ、怖ぁ……

この話を投稿した時点で

ローファンタジー日間3位、週間2位、月間1位、四半期2位

総合月間6位

それぞれ頂戴しております

本当にありがとうございます

引き続きブックマーク登録と評価の方、よろしくお願いいたします

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― 新着の感想 ―
[一言] 御堂さんも山形君に会ってから変化があったスキルがあるって言ってなかったっけ、
[良い点] マリー姐さんの娘も、やっぱり破天荒だった説(_@ [一言] 御堂さん。否定はしなかったね?(_’
[一言] 某鞭使いの考古学者のような娘さんですね。
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