表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─  作者: てんたくろー
第三部・星明りの聖剣編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1354/1842

能力者犯罪捜査官チームwith統括理事、関西入り!

 かつてってほど前でもない、8月の上旬から中旬にかけての頃。

 まだまだ倶楽部案件真っ盛りだった頃合いに、俺達が火野や鬼島と戦いこれを打倒した地点。件の地図はそこにバッテンマークが施されていた。


 すなわちうちの県と隣県の境にある山のあたりだ。

 たしか同じく倶楽部幹部だった翠川との初戦を繰り広げたあたりだったかな、その地点へとアンドヴァリが向かっていったんじゃないかと俺と香苗さんは気づき指摘した。

 ここにはたしか倶楽部の隠し拠点があったとかで、そこが目的地なんじゃないのかという仮説だ。

 

「何か明確な目的の上でここを選んだのだとしたら、そうとしか考えられない……アンドヴァリはそもそも、倶楽部創設の立役者だとも取り調べで分かっていますし。つながりがないわけじゃない」

「倶楽部の隠し拠点。話には聞いていたけどこんなところにあるのか……! 土地勘がないから分からなかった、お手柄です山形さん」

「さすがです公平くん! 迷える我々にも救いの手を差し伸べてくださったその気付きはまさしく救世の御業!! これはさっそく持ち帰って伝道せねばメモメモメモりメモメモメモり」

「御堂香苗のこのテンションは、どこでもこうなのですか……?」

 

 俺としてもまったく偶然の気づきと言うか本当に、なんか覚えがあるあたりだなーってふと思っただけの話だったんだけど。

 愛知さん的にドンピシャな気づきだったみたいで、ストレートなお褒めの言葉をいただけちゃった。えへへ。


 でも香苗さん、シームレスに伝道スイッチをオンにしてメモを取り出すのは俺はともかく他二人がビックリするから止めたほうが良いんじゃないかなって俺は思いました。

 ほらシャルロットさんなんか冷淡でクールな表情に困惑を強く乗せていらっしゃるよ怖ぁ……うちの伝道師がダンジョン聖教聖女を戸惑わせている。

 

 ともあれこのバッテンマークがダミーのものでないとするなら、アンドヴァリの行く先はおそらく倶楽部の隠し拠点だ。

 しかしなぜ? あそこにはすでに警察やWSOによる捜査の手も入り、大概のものは持ち出されていて何もないだろうに。それとも未だこちらの目を掻い潜り隠されているモノがあったりするのだろうか。

 

 さっそくヴァールに連絡をいれる。

 シャルロットさんや愛知さんも、それぞれ電話をかけて仲間なり上役なりに報告と連絡、相談を持ちかけるべくスマホを手にしていた。

 

「騎士団長、私です。重大な情報が分かりました。件のアレクサンドラが向かった地には、別の委員会傘下組織の拠点が──」

「緊急連絡。アレクサンドラが向かったとされる山間には倶楽部の隠し拠点があったことが判明しました……ええ、すでに捜査が入っているはずの元拠点です。何か関連する押収品等ありましたか? 早急に対応を」

 

 シャルロットさんはダンジョン聖教聖騎士団の騎士団長さん──こないだ俺が剣をへし折っちゃったおじさんかな? 気まずい──に。愛知さんはおそらく公安警察の上役さんだろう。どちらも相応に緊迫した空気が出ている。

 俺も俺で、電話に応じたヴァールへとことと次第を説明していた。

 

「かくかくしかじかぐーるぐる。ってなわけでな、たぶんだけどアンドヴァリとそれを追ってる神谷さん、こっちにいるわ」

『まさか倶楽部の隠し拠点とはな……! なんのつもりか知らんが見事に撹乱された形になる、やられた……!!』

『っていうかシャルロットそっちいんの!? ダンジョン聖教の連中、そんなこと一言も言ってなかったのに!』

『あ、アンドヴァリ捜索のためあちこち行ってるとは言ってたね……あちこちの範囲、ひ、広すぎだねアンジェちゃーん……!』

 

 電話越しにも悔しげなのが聞いて取れるヴァールに、そもそもシャルロットさんがこっちに来ていることを今知った形になり驚きの声をあげているアンジェさんの叫び声も届く。

 なんならそれに対して苦笑いと言うか、戸惑うランレイさんの反応まで聞こえてきて電話の向こう側は結構賑やかだ。

 

 ヴァールにアンジェさんチームは今現在、サークルの拠点を潰しがてら神谷さんを探すべく首都圏に網を張っているって話だったけど……こうなるの予想が完全に外れた形になるからね。

 神奈川さんやステラもそちらにいて、ヴァールに話しかけるのが聞こえた。

 

『こうなるとここでまごついていても仕方がないな。関西まで向かいましょう、ヴァールさん!』

『私の千尋の言う通りですヴァールさん。空間転移ならすぐにでも山形様の元に辿り着けます。シャルロット・モリガナまでいるならその身柄確保も必要ですし』

『シャルロットについてもそうだがそれ以上に神谷が心配だ。彼女は倶楽部幹部の取り調べを通じて隠し拠点の位置さえ知っている。アンドヴァリの目的地がそこなら、神谷は迷いなくストレートにそこへ向かっているぞ……!』

 

 二人の見解はぴったり一つですなわち、すぐさまこっちに来て俺達と合流することだ。俺もそうしたほうが良いと思うし、実際ヴァールも同意見みたいだ。

 そう、神谷さんは倶楽部幹部の取り調べを俺達とともに見ていた。だからアンドヴァリの黒い付き合いに憤激していたのだし、それが巡り巡ってここに至るまで彼女を思い詰めさせてしまったところさえあるんだろう。

 

 そしてそこから彼女は当然、例の隠し拠点の正確な位置を知っている。迷うことなく、最短距離で向かっているはずだ……一刻の猶予もない!

 俺はワームホールを開いた。場所はヴァールの今いる位置、コマンドプロンプト本体に接続して精霊知能としての彼女の座標情報を認識した上での離れ業だ。

 開いた空間から覗く向こうの風景。ホテルの一室、ヴァールやアンジェさん達の驚いた顔が見える。

 

「山形公平!? 関西とここをワームホールで開いたのか!」

「神谷さんが隠し拠点に目星をつけてるんなら、もう迷ってる暇なんてないはずだ! 来てくれヴァール、みなさん! シャルロットさんや愛知さんと一緒に、今すぐこれからアンドヴァリを追う!!」

「────分かった! すまんが行くぞ、みんな!」

「オッケー燃えてきた! 今度こそ逃さないわよ、腹黒元聖女!!」

 

 即断即決。ヴァールも事態が喫緊であることを悟り、みんなに促しワームホールを潜る。

 首都圏から関西への瞬間移動。WSO統括理事および能力者犯罪捜査官チームも、ここに合流した!

【告知】

 コミカライズ版スキルがポエミー2巻、大好評発売中!

 紙媒体も電子書籍もあります!

 以下URLからお求めいただけますよー!


 コミカライズ2巻

 amzn.to/4cn6h17


 ぜひともお買い求めくださいませー!

 よろしくお願いしますー


ブックマークと評価のほう、よろしくお願いしますー

「大ダンジョン時代ヒストリア」100年史完結しました!

https://ncode.syosetu.com/n5895io/

よろしくお願いいたしますー


 【ご報告】

 攻略! 大ダンジョン時代 俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど

 書籍版、コミカライズ版併せて発売されております!


書籍

 一巻

 amzn.asia/d/iNGRWCT

 二巻

 amzn.asia/d/aL6qh6P


 コミック

 一巻

 amzn.to/3Qeh2tq


 Webサイト

 PASH!コミック

 https://pash-up.jp/content/00001924

 ニコニコ漫画

 https://sp.seiga.nicovideo.jp/comic/63393

 pixivコミック

 https://comic.pixiv.net/works/9446


 電子版、書籍版、コミカライズともに好評発売中!

 みなさまにお求めいただければさらなる続刊、続編も視野に入っていくと思いますのでなにとぞ、よろしくお願いしますー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  ワームホールが誤って浴室に開いて「キャー、救世主様のエッチー(棒読み)」とラッキースケベも伝記にメモられる展開はまだですか?
[気になる点] そこにあるのは、なんでしょうね? ※「ウーロゴスの素」とか…。 製造方法が気になる…。 [一言] そういえばあのときは、行こうとしたらいきなり「ダンゴムシ」に襲撃されたんですよね。…
[良い点] 談話室に他の人がいなくて好都合でしたね。 何も知らずに入ろうとする人も周りの人に止められそうですし。 「今はやめとけ!」 でも、ここから転移しないで外に出ると大変なことに。 「何か増えてる…
2024/08/03 08:33 こ◯平でーす
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ