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攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─  作者: てんたくろー
第三部・星明りの聖剣編

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意外とお転婆だった元・水の女神様

 悪魔セーレから諸々聞き出した後、俺達は今後についての軽い話し合いをする傍ら、ひとまず朝食を済ませることにした。

 時刻もなんやかや6時過ぎ、ちょっと早いけどご飯時にはちょうどいい。モーニングサービスも始まっているし、せっかくだからと5人でご飯を食べるのだ。

 

 

『やーっとどうでもいい話が終わったか。公平、一昨日のステーキもう一回いこう。あれは最高だった、毎時毎分毎秒だって食べていたいほどに素晴らしい肉だった……五枚くらい一気に頼んでくれ!』

 

 

 朝っぱらから俺の胃腸を破壊する気かな?

 一枚で十分だろうがと脳内のアルマさんに反論しつつルームサービスを呼び出し。


 とはいえ俺も正直、一昨日のステーキには割と本気で感動したからもう一度食べたいとは思っていたのだ。

 なので頼むと、精霊知能三姉妹からはギョッとした目で見られてしまった。なんだよう。

 

「け、健啖ですねー……朝からステーキだなんて元気、元気!」

「ワタシは普通にモーニングの、洋食なり和食なりを頼むがあなたはずいぶん食べるな……肉体的には食べ盛りなのだろうから、こういうものなのだろうか?」

「へへっ、さすが父様だぜ! オレもハンバーグ頼もーっと!」

 

 3人ともそこまで少食でもないというか、どちらかというと食べるほうだとは思うんだけどそれでも朝からステーキはなかなかチャレンジャーに見えたみたいだ。

 リーベはパンやオムレツ、ウインナー、コンソメスープに生野菜サラダと言ったいわゆる洋風モーニングを頼んでいるし、ヴァールは意外にも焼き魚やお漬物、出汁巻きに味噌汁と言った和風の朝食を頼んでいる。

 

 一方、シャーリヒッタはなんかステーキに感銘でも受けたのかハンバーグを頼もうとしている。昨日の朝に俺も食ったけどこっちも美味しかったんだよなあ。

 洋風和風にハンバーグと、それぞれ個性をくっきり出してきた形になる精霊知能3人。そこに続けてミュトスもまた、メニューを見ながら告げてきた。

 

「でしたら私はステーキ2枚いっちゃいまーす!」

「!? ミュトス、大丈夫ですかー!?」

「お前もずいぶん食べるな……昨日のディナーもよく食べていたように記憶しているのだが」


 まさかまさかの俺の倍。朝からステーキってのもかなりだろうにそれを2枚もぺろりといただくつもりらしいミュトスに俺達も驚きを隠せない。

 ヴァールが言うように昨日の夜、追加参戦してくれたミュトスもホテルに宿泊する形で夕飯に参加していたりする。


 ミュトスの存在を知って以降、すぐさま追加で部屋を取ってくれていたそうで、そこはさすがの統括理事だね。

 仲間達にも紹介したいところではあったけど昨日はとにかく飯食って寝る! みたいなムードだったし、結局正式な自己紹介はしないまま夕飯をご一緒したんだけど……まあとにかく食べたんだよ、この子。


 もちろん遠野さんほどじゃないけど、漫画に出てくる大食漢キャラかな? ってくらい爆食していたもんだから周囲の人達がびっくりしつつチラ見していたのが記憶に新しい。


 見た目はまさしく女神かと見紛うような美女が、黙々と料理を食べまくっては空になった皿を積み重ねていくんだから、結構マニアックな光景だった気がしなくもない。

 大食い系美女、これは動画チャンネルとか開いたら人気出そうだなーなんて益体もないことを考えついちゃったほどだ。


 そんなミュトスが一夜明け、さらにステーキを俺の倍の量、食べるという。

 すげーなこの子。感心して見ていると彼女は照れたように頭を掻いて、てへぺろと舌を出して釈明を始めた。


「いやーへっへっへ! 何を隠そうミュトスちゃん、かつて元の世界で女神やってた時もお忍びで現界しては人間の料理をしこたま食べてたりしたのです! いやー食事って素敵ですよねステーキだけに!!」

「意外だなァ……お前さん、この世界に来るまでは結構淑やかっていうか、楚々としてたイメージがあったんだがよ。ほら、水の女神モードの時とかもそんな感じだし」

「お淑やかで清楚な美人女神様でも、お腹が空く時は空きますから! いやあビックリしましたよ、この世界の文明は発展してるなーって思ってましたけど料理のクオリティも段違い! とりあえず何にでも塩か油入れとけーな感じとは大違いで昨日はとことん感動しました!!」

「えぇ……?」

 

 アレなダジャレはスルーして、意外極まる過去話を聞く。

 ミュトスのかつての故郷、邪悪なる思念に食われた三界機構いずれかの世界において……調和と協調、水を司る女神だった異世界の神はお忍びグルメ旅行とかしてたのか。

 この世界と比べると簡素というか、そこまでこだわりが強くなさそうな食文化だったみたいだけれど、それでもその世界の食を堪能していたんだな。

 

 そういう前提があるなら、食事をああも楽しむのは必然か。それも受肉して初めてだろう料理で、実に500年以上ぶりの味覚への刺激だろうからね。

 ニコニコ笑顔で語るミュトスは、俺から見ても心から幸せいっぱいって様子だった。

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 攻略! 大ダンジョン時代 俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど

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― 新着の感想 ―
それで、異世界転生もので“向こう側”の概念的存在が、地球側に“遊びに来た”ついでに魂を“お持ち帰り”して、料理を再現させようとするんですね。 “日本人”の異世界転生者が多い理由なのか。 どうせ、連れて…
[一言] (すべてを飲み込む)水の女神ですねわかります アルマには満腹中枢をえいって差し込んでやるとよさそう
[一言] 水の女神 だと・・・
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