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史上最年少S級のもう一つの顔

 喝采を受ける、一躍ヒーローになったミュトスがこっちに戻って来るのを見計らい俺はヴァールに提案することにした。

 すなわちこの場は一旦収まったから、今度はちょっくら都市部の様子を見てくるという話だね。

 

「仮に次のウーロゴスが出てきても、今のミュトスなら問題なく対抗できるはずだ。ここに彼女を据えておいて、俺は都市部の様子を見てくるよ」

「は、はい! ちょっぴりパワーアップしたこのミュトス、今ならウーロゴスだって千切っては食べ千切っては食べできますとも!」

「食べるのか……」


 怖ぁ……いやまあ食べるというか取り込む、取り戻すって表現こそがピッタリなんだろうけども。

 綿菓子を千切って食べるようにウーロゴスをいただくミュトスの姿を連想しちゃったよ。


 ともかく、三体分のウーロゴスこと己の権能を取り戻した今のこの子は、強大な力ゆえの弱点とも言える稼働時間の短さを多少なりとも改善できていると思われる。

 やろうと思えばいつまでも維持できる、なんて状況ではもちろんないにせよ、一発放ったらガス切れってわけではもうないはずなんだ。


 そうだな、さっきの様子で行くと維持時間5分くらい、必殺技も二、三発は放てる感じになってるだろう。

 格段の進歩だ……少なくともこれで追撃のウーロゴスが来ても対応はできるものと俺は推測した。もちろん、万一がある時にはすべてに最優先して空間転移で駆けつけるけれど、ね。


 そんな考えとともに俺の次の行動指針をヴァールに打ち明けると、彼女も納得したようにうなずいた。

 同時進行している戦線、今この状況を加味して演算し答えてくれたのだ。


「そうか……そうだな。入ってきている報告によるとやはり、サークルやダンジョン聖教過激派の構成員が攻め込んでおり、未だ戦闘が続いているようだ。例の悪魔憑きも十中八九いるだろうから、直に確認してもらえると良いかもしれない」

「あとはアレさね、シャルロット・モリガナ。あとあの子を追いかけてったうちの孫達の様子も気になるし……もし余裕があったら公平ちゃん、ちょいと見てやってくれんもんかねえ?」

「もちろんですよ、マリーさん。俺としてもあの人達の動向、気になりますからね」

 

 やはり心配になったのか、主にアンジェさんを気にしているマリーさんに微笑みかける。

 アンジェさんやランレイさん、神奈川さんにステラが同行しているはずの当代聖女シャルロット・モリガナさん。彼女が率いるダンジョン聖教の人達がどこで何をしているかはまだ分からないけど、もしかしたら独自ルートですでに敵の首魁にまで辿り着いているかもしれないしね。

 

 そう、つまりはダンジョン聖教過激派のトップにして先代聖女アンドヴァリ──アレクサンドラ・ハイネン。

 ウーロゴスを運用しているのだろうその女を追って行動しているものと思われるのだ。つまりはアンジェさん達を追うことで俺も自動的にアンドヴァリへと辿り着けるかもしれないってわけだった。

 

 今のところ俺の感知範囲、都市部のほうは探査者が戦闘しまくっていてなんとも判別しづらい。スレイブモンスターも後から追加したのか、またわんさかと後続が来ているようだし。

 とりあえず現地行ったらまた、モンスターだけは浄化するか。そしてそこからまた、それらしい気配を辿って転移を続けよう。


 そう思った矢先だった。

 愛知さんが、香苗さんやセーデルグレンさんに話しかけるのが聞こえた。

 

「……御堂さん、リスティさん。すみませんが私もアレクサンドラ・ハイネンを追うため、独自行動に入ります」

「…………えっ? 愛知さん?」

「あれ、九葉!? どうしたんだい急に! 私達の仕事はかつてのマイ・ライバルのガードだろう?」

「基本的にはそうですが……実のところ、私だけは別途に依頼を受けています。この際なのでお見知りおきをいただきましょう、正体周りの秘匿義務は契約内容にも記載されていませんからね」

 

 突然の申し出。香苗さんのボディガードなはずの愛知さんてば、いきなりアンドヴァリを追いかけるべく単独行動を取ると言い出したのだ。

 これには一同ビックリ、もちろん俺もビックリ。どうやら別口の依頼を受けてのことらしいが、契約内容? どういうんだ?


 困惑する俺だったが、次いで彼女が着込んだライダースーツの胸元から手帳を取り出すのを見てさらに驚くこととなった。

 手帳の表側、このマークは……!


「……警察手帳!? 愛知さん、あなたは一体!?」

「警察庁警備局、公安課能力者犯罪特別対策室所属エージェント。S級探査者になるにあたり日本政府と私との間で結んだ契約に基づき発行された、これが愛知九葉のもう一つの顔ということです。探査者であるのと同時に、私は日本政府からの依頼で公安警察に協力しています」

「S級探査者たるあなたが公安と付き合いがある、というのは噂には聞いていましたが、まさか本当だったとは……」

 

 香苗さんが驚きの声を漏らす。ヴァールやマリーさんも目を丸くして、愛知さんをじっと見ていた。

 探査者であると同時に政府との契約を受けて公安警察の特別捜査官としても動くエージェント、それが彼女の正体ってわけか!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] (前話のコメントにて) コマンドプランクトン···経験済みじゃったか···。 ミュトス説明会ではワールドプロフェッサー···("教授”です。"先生”を付けてはいけない。いいね?) [一…
[気になる点] 公安関係者ですが、こちら側と協調してくれるでしょうか。 山形に非協力的な場合、概念存在の反応がどうなるか…… [一言] アルマ『結局食べないのかよ!』 山形「本日更新のコミカライズ版で…
2024/05/23 12:43 こ◯平でーす
[一言] いろいろな立場といろいろな思惑が入り乱れてきたな……
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