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三体目撃破!そして荒ぶる伝道師

 再度、《イミタティオ・トリニタス・コスモス》を発動して天高く舞い上がるミュトス。その姿は先程と同じく魔天の力を借り受けたミュトス・魔天へと変貌している。

 三界機構の力は、いうなればかつて世界そのものだったワールドプロセッサの力。もちろん今となっては極一部にすぎないけれど、それでもS級探査者の上澄みでさえ到底敵わない凄絶なエネルギーを纏い、威圧をも地上に届かせている。


「なんだ!? あのスキルは!」

「く、空気が重い……! 気圧される感じだ! あの女性、なんなんだ一体!?」

「他者の強さがある程度でも分かれば、それが上級探査者の証とはよく聞くけれど……! まだその域には至れていない私達でも、こんなにもすさまじさが伝わってくる!」


 横山さん、鈴木さん、御陵さんの三人が、突如としてかけられた圧にとっさに身構えながら呻き叫んだ。その顔は焦りと驚愕、何より緊張に引きつっている。

 特に御陵さんの言うとおりで、今のミュトスはある程度近くにいる存在に対し、嫌でもその存在の大きさと力強さを感じさせているように思える。


 何しろパーティー会場の方々がみな、あまりの威圧にすっかり怯えてしまっているからね。

 これはミュトス本人にも制御しきれていないんだろう……というか単純な話、魔天の力が強すぎて漏れちゃってるんだよね、いろいろ。

 いずれ権能をすべて取り戻せた暁には完全に御しきれるとは思うけど、今は仕方ないことかもね。

 

「と、とてつもない力を感じる……!! カズさん、あんた知ってるかこんなの!?」

「知るわけ無いだろう……しかし間違いなく人知を超えている。見た感じ、シャイニング山形くんと同じに底が知れないが!」

「これは……最高神クラスでもここまではいかないんじゃないか!? リスティさん、無事ですか!?」

「くっ……なんのこれしきっ!! トップランナーとして、強大な力にただ屈して立ち止まることはできないよっ!! アイム・ネバギバッ!!」

 

 この場にいる探査者達の中、S級探査者の里見さんと最上さんはミュトスの実力をある程度、察知できたようだった。

 もっと言うと愛知さんに至ってはかなりドンピシャに近いところ、すなわち概念存在を引き合いに出している。


 この物言い、まさかこの人は最高神クラスの召喚までできるのか? ……信じられない。

 いくら召喚スキル持ちのS級探査者だからって、あのクラスのモノを呼び出すには現実的じゃない数の召喚条件を満たさないといけないはずだぞ。

 

 愛知九葉。彼女の力はどこかで見させてもらわないといけなさそうだな。今回の事件でその機会が来ると良いんだけれど。

 神話生物ジョッキーなんて面白ワードでは収まらない、マジでとんでもない偉業を成し遂げてそうな気配がしてきた彼女に密やかに注目しつつ、俺は天高くのミュトスを見た。


 すでに豆粒よりも小さいけれど、放つ威圧は健在だ。

 繰り返しになるが香苗さんの力ですでにウーロゴスの維持は途切れかけ、今にも消え去りかねない状況。やるならば今、このタイミングしかない。それを分かっているからミュトスも、全力を放ち一直線にウーロゴスへと突撃した!

 三界機構が一つ、魔天の力を借りての奥義!

 

「────ディヴァイン・ラグナロクッ!!」

 

 音をも置き去りにする流星が一条、朧な権能を貫いた。

 それと同時に巻き起こる衝撃と、力がミュトスの体内に吸い込まれていく感覚。

 なるほど、一体目と二体目の時は見れなかったけどこうやるのか。権能だけの状態に一撃入れれば後は勝手に彼女の元に還っていくんだな。変な手順とかなくてよかったよ。

 

 三度目の権能回収。微々たる割合だがたしかに彼女の力が高まるのを感じる。

 ……大分複数に分割してるよなあ、やっぱり。どのくらい割ったのか、そのうちどれだけの数を今回持ち出してくるのかは定かじゃない以上、今後もずっとウーロゴスの出現には注意しておかなきゃいけないわけか。

 やってくれるよ、まったく。

 

「ファファファ! ありゃーたしかに魔天だねえ。私があん時ぶった斬ったやつが、今度は味方の力になってるってんだから縁ってのはつくづく数奇なもんさね」

「ああ、そう言えばお前の《ディヴァイン・ディサイシヴ》が魔天に対応する決戦スキルだったな……今のディヴァイン・ラグナロクなる技や、断獄の力を用いてのアーマゲドン・アポカリュプシスも各対応スキルの名をもじっているか」


 マリーさんが楽しそうに笑い、ヴァールがそう言えばとミュトスの技のネーミングと決戦スキルの関連性に着目した。

 言われてみればそうなんだよね、マリーさんの《ディヴァイン・ディサイシヴ》とミュトス・魔天のディヴァイン・ラグナロクやリンちゃんの《アルファオメガ・アーマゲドン》とミュトス・断獄のアーマゲドン・アポカリュプシスと、決戦スキルの名前を一部もじっているのがミュトスの技名と言える。


 この調子だと災海の力を宿した、おそらくはミュトス・災海となるだろう彼女の技も、ベナウィさんの《メサイア・アドベント》の名を意識したものになるんだろう。

 そのうち見られるだろうし地味に楽しみだね。


「素晴らしい力です、使徒ミュトス……! かつての宿敵の力さえ傘下に収める我らが山形公平様の、威容と権勢と偉大さをより高らかに知らしめる素晴らしいポテンシャルと言えましょう!!」

「えぇ……?」

 

 そしてこちらはいつもと変わらぬノリの伝道師。

 この人だけはブレないなあ……と、そろそろドン引きを通り越して安心感さえ抱き始める俺ちゃんでした。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 冒頭、「再度」にルビで「イミタティオ・トリニタス・コスモス」が振ってありますけど、これは想定通りでしょうか? 再度”を”となっているので、想定外の暴発のように思うのですが。
[良い点] これでまだF級(受肉したばかりでまだ正式に探査者登録してなければF級でさえない?) 「これでF級!?最強のF級だ……」 しかし、まだシャーリヒッタが控えている……
2024/05/22 06:52 こ◯平でーす
[一言] 安心?本当にあの暴走伝道超特急を見て、心安らぐの? さすがは救世主様だぜ……
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