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今度の敵は、S級だ!!

 出会った瞬間両手を合わせて南無南無と唱えてしまいそうな、瀬川とかいうサークル幹部に待ち受ける壮絶な運命はともかくとして。

 ひとまずは藤近、海方、斎藤、そして瀬川の四人がサークルの中心人物ってのは把握した。もし明日、本気で仕掛けてくるんなら最低でも瀬川くらいはいるだろうな。S級探査者認定式襲撃なんて大事に、最大戦力を投入しない理由もないだろうし。

 

 となるとお次はダンジョン聖教過激派だ。スクリーンが切り替わる。またしても写真だけど、こちらはちゃんとした──って言ったら変だけど、履歴書に貼り付けてそうな感じの正面からバストアップのアングルだ。

 これ、探査者証明書に載ってるやつか?

 

『続いてダンジョン聖教過激派につきましては、元々探査者ということでWSOのデータベースに首謀者のステータスから顔写真まで登録されていたためここに抜粋します。頭領の六代目聖女、アンドヴァリことアレクサンドラ・ハイネンです』

 

 やっぱり、探査者証明書っていうかWSOのデータベースから引っ張ってきているみたいだ。映し出されたその顔を見る。

 金髪を長く伸ばした、穏やかな表情の美女。目が細くてほとんど閉じてるんじゃないの? ってくらいの薄目さんなんだけど、不思議と違和感がない顔つきだ。

 

 六代目聖女アンドヴァリ──本名アレクサンドラ・ハイネン。

 エリスさんを初代として以後連なるダンジョン聖教の象徴的存在、聖女。世界に一点もの、他人に継承できるという極めて稀な効果を持つ称号《聖女》を代々引き継いできた系譜における、最新の一つ手前、先代の人。

 

 倶楽部幹部の火野曰くだが、聖女になる前から委員会とつながりがあり、事実上倶楽部創設の発起人ともなったというその女の顔からステータスに至るまでが、スクリーンに記載されていた。

 

 

 名前 アレクサンドラ・ハイネン レベル881 S級

 称号 聖女

 スキル

 名称 土魔導

 名称 風魔導

 名称 頑健

 名称 超再生

 名称 威圧

 名称 気配感知

 

 

 記されたそのステータスに場の空気が一気に緊張感に満ちる。レベル900近い、S級探査者!

 しかも魔導系スキルをニ種類も持っている。強いな……強すぎる。S級探査者クラスにしか対応できないんじゃないか、これ。

 さしものマリーさんも難しげなトーンで小さく、呻くように声を出した。

 

「なかなか、ヤバいやつだねぇこいつは……神谷。このアンドヴァリってのは聖女ん中じゃどんくらいなんだい? エリス先輩が最強なのは分かってるけど、全盛期のラウラさんやマルティナ、フローラの嬢ちゃんと比べてさ」

「……初代様を除けば間違いなく、歴代最強です。二代目のラウラ様はそもそも30代半ばで引退されておられますし、三代目のマルティナも結局レベル600前後で引退しました。四代目のフローラは5年前に引退したと聞いていますが、少なくともS級レベルではなかったのはたしかですし、私もレベルではマルティナ程度ですから」

「フローラ・ヴィルタネンさんは今も太平洋ダンジョン経済圏に住んでいます。現役の頃に何度もともに探査しましたが……そうですね、全盛期で準A級トップランカー程度といったところでしたか」

 

 神谷さんが語る、歴代聖女らしい方々とアンドヴァリの実力面での比較。マリーさん、話しぶりからして歴代聖女のことはみんなご存知なんだな、さすがだ。

 そして話を聞くに、やはりアンドヴァリの実力は歴代聖女の中でも突出しているみたいだな。


 まあ初代として不老体質のまま、80年ほども戦い続けてきたエリスさんがぶっちぎりで強いのはともかくとして……以降の聖女達はみんな、A級探査者クラスだったみたいだしね。

 四代目聖女のヴィルタネンさんがどうやら太平洋お住まいらしく、サウダーデさんが印象を語られるのを聞きつつも俺達の中でより一層、アンドヴァリへの警戒心が高まる。


 講壇でマイクを前にする島根さんもまた、彼女については極めて危険視しているみたいだ。すごく険しい顔をしながらも続けて言った。

 

『ダンジョン聖教過激派は言うなれば完全なる独裁状態……トップたるアンドヴァリの意向がすべての狂信者軍団という報告は受けています。なので言ってしまえば彼女さえ押さえればあとは烏合の衆と言えるのでしょう。ですがご覧のとおり、そのアンドヴァリが強すぎる』

「S級探査者クラスじゃないと対応できないもんな……」

『今回、外部から個人協力の探査者をお呼びして、あまつさえソフィア・チェーホワWSO統括理事の直轄としてある程度の自由裁量を認めたのはそこが絡むからです。事実、アンドヴァリに対抗できるだけの実力者が多数この会議にもお越しくださっておりますので』

 

 言われてこちらに集まる視線。俺ではもちろんなくてマリーさんやサウダーデさん、ベナウィさんに主に視線が集中している。

 まあ、そうだよねー。アンドヴァリに対抗できる実力を持つ探査者となれば、基本的には在野の人材に協力を要請するしかないからね。


 エリスさんならたぶん、一人でも圧倒してしまえるんだろうけど……彼女一人だけだと対応に心許ないのは仕方ない。

 どこで、どんなタイミングで何を仕掛けてくるかわからない相手なんだ。対抗手段は多ければ多いほど良い。そう考えての個人協力者の投入と異例の扱いってことなんだろうな、今回の場合は。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] そういえば捜査官でS級は少ない?(いやどっちかというと協調性とかそっちが問題か?…………変な人多いらしいし)
[一言] 今回は、火野老人達のときみたいにバグスキルじゃないから、スキル没収はやらないんですか?
[一言] 捕縛前提なのに相手のスキルが災害クラス……頂上決戦みたいな戦いの後の被害が気になってしまうレベルですねぇ
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