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高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に動くよ!

 ヴァールによる演説で一気に高まる士気。

 ここに来て判明したサークルや過激派達の目的……既存社会の崩壊などという恐ろしい事態を防ぐために、あらゆる組織の垣根を超えて今、この場に集いし誰もが気合を入れ直していた。

 

 それを受けて深く、ひとつうなずいてから統括理事は座席に戻ってきた。代わりに講壇の前に立つのは一人の男性。

 日本人だ……スーツ姿でオールバックの、いかにもお偉い感じがする中年の方だね。

 ヴァールから引き継いだマイクにて、俺達みんなにアナウンスしてくる。

 

『ここから本件についての具体的な警護計画、および対犯罪組織への段取りを確認します。なおこれら計画の総指揮はこの私、警察庁能力者犯罪捜査局室長の島根が務めますのでよろしくお願いいたします』

「……室長? 郷田さんとどっちが偉いんだろ、あっちは局長さんだけど」

「局長は局そのものの長で、室長は局の中にある室とかセクションの長って感じですかねー? よくわかんないですー」

 

 案の定おえらいさんだったその人、島根さんの肩書にふとした疑問を抱き、リーベと小声でヒソヒソ話す。

 組織ものの作品でたまにあるよね、ずいぶん立派そうな肩書でそれは良いんだけど、具体的にどのくらい偉いのか分かんない問題。俺達は先んじて能力者犯罪捜査局の局長、郷田さんと知り合いになっているわけなので、なんだかそこが気になっちゃうわけだ。

 

 察するに能力者犯罪捜査局そのものを取り仕切るのが局長たる郷田さんで、島根さんは能力者犯罪捜査局内にある室……いわゆるセクションとかそういうのを束ねる感じな気はするんだけども。

 長ったらしい肩書にどことなく中2感を覚えてワクワクする少年ハート山形くんとしては若干気になるよ、後でヴァールに聞いてみようっと。

 そんな内心の考えもよそに、島根さんはさっそく本題へと入った。スクリーンが切り替わり、明日行われる認定式についての基本的なスケジュールが映し出される。

 

『先駆けての準備は早朝からですが、認定式そのものは夕方17時から行われます。主賓であるS級探査者御堂香苗氏のS級認定証授与とそれに伴うスピーチ、マスコミからのインタビューを行い、概ね18時から21時頃まで立食形式でのパーティーが開かれる形になります』

 

 なるほど、朝早くから夕方くらいまでみっちり準備しての夕方、本番たる認定式が行われるわけね。そしてそれが終わればそのままパーティーと。いかにも優雅な国の式典って感じかな。

 そんなスケジュールの都合上、明日は俺達も早起きさんしなきゃいけなさそうだ。式典における主役の香苗さんは朝から来るんだろうし、そうなると警護は必要だしね。

 

 なんなら今もうすでに会場から香苗さんの近辺に至るまで、厳重な警備網が敷かれているだろうし。

 そこに明日の本番が来て、俺達ここにいるみんなが改めて配置されるわけだ。一大事だよ。

 

『各組織にはすでに通達済みのことですが個人協力の探査者もおられますので改めての説明となりますが……この場にいるWSO、全探組のメンバーについてはこの会議終了後すぐ、すでに配置されている人員と合流していただくことになります。警察庁能力者犯罪捜査局も動きますが、こちらは捕縛したサークル幹部から聞き出した拠点の強制捜査および人員の確保を行ってからになりますので、およそ翌日朝の配置となります』

「ふむ。ギリギリまで攻め込むか……大胆不敵だな、この国の警察も」

「防衛はWSOや全探組がいますから、そのへんは強気に行けるのでしょうかね」

「相手が来るのを待つだけよりかは積極的で良いさね、ファファファ」

 

 実際の配置についてはこの後すぐ、各組織が動き出すみたいでもう一刻の猶予もなしって感じだ。案の定、もう現地には人員が投入されているみたいだしね。

 そんな中でもなんと警察だけは土壇場までサークルの拠点に攻め込んで行くスタンスらしい。結構受け身というか、ディフェンシブな動きをするのかと思ってたから意外だ。


 サウダーデさんやベナウィさん、マリーさんも興味深げに反応しているし。

 護りをWSOや全探組に任せ、自分達はあえて踏み込んでいく……攻撃は最大の防御というけど、これはそれだけ戦力が整っているからこそ打てる手ではある。

 つまり警察も、今回の件においては万全を期しているという自負があるわけだ。頼りになる話だよ。

 

『また、個人協力の探査者の皆さんにおかれましてはWSO統括理事ソフィア・チェーホワ氏の指揮下に入ることとなりますのでご承知ください。能力者犯罪捜査官の方々もWSO直属ではありますが、全探組や日本警察と連携しつつ独自判断での行動を取っていただいて構いません。いわばこちらの方々の役割は、遊撃となります』

 

 島根さんが俺達やエリスさん達のような、個人ないしそれに近い立場の者にも触れてきた。

 基本はソフィアさんやヴァールの指示に従う形になるか、そりゃそうだな……というかそれを建前としてシステム側の自由行動を担保してくれたか。助かる。


 能力者犯罪捜査官についてもある程度は自由に動けるとのことなので、エリスさん達やアンジェさんチームはまさしく遊撃部隊として動き回ることになるんだろう。

 おそらく犯罪組織は攻めてくるだろうし、そうなれば確実に異世界の神の権能が投入される戦いで縛られすぎるわけにもいかないしね。


 つまりは俺達やエリスさん、アンジェさん達は主にあちこち動き回って、迫りくる敵を積極的に迎え撃つ役割だと言って良いんだな、これは。

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― 新着の感想 ―
[一言] そういえば、ミュトスの顔合わせはどのタイミングでするんですか?
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